
| かつての人気モデル、BMW 7シリーズは5位へと転落 |
いまやあらゆるカテゴリにおいて中国車が市場の人気を独占する状態に
かつて欧州ブランドの独壇場だった中国の超高級車市場において歴史的なパラダイムシフトが起きているもよう。
最新の販売データ(2026年4月度)によると、ファーウェイ(Huawei)と江淮汽車(JAC)が共同開発したフラッグシップセダン「Maextro(マエストロ) S800」が、名だたる欧州の名門を圧倒し、首位を独走し続けていることが明らかに。
なぜ中国の富裕層は、メルセデスやBMWではなく「ファーウェイのクルマ」を選び始めたのか。その衝撃的な販売ランキングと市場の変貌について考察してみたいと思います。
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ファーウェイが手掛けるマエストロ(Maextro)よりフラッグシップ「S800」登場。その価格3000万円、メルセデス・マイバッハへの対抗車
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この記事の要約ポイント
- 圧倒的首位: Maextro S800が月間1,142台を販売し、2位のマイバッハに大差をつけてトップに君臨
- 欧州勢の苦戦: BMW 7シリーズが5位、アウディ A8が6位へ後退。ドイツ勢のシェアが大幅減
- 驚異の回復力: 前月比45.9%増と急回復。ハイテク機能を武器に富裕層の支持を拡大
- 次なる一手: 2,000万円級の超高価格帯モデルや、5.5m級の超大型MPVも投入準備中

2026年4月 超高級セダン販売ランキング
2026年4月の販売実績(価格70万元/約1,500万円以上のモデル)において、Maextro S800は欧州のライバルたちを突き放す強さを見せており、驚くべきはこの勢いが「一過性」のものではなく「継続している」という事実。
つまり発売当初の人気がいまだに継続しているということになり、これは「愛国主義者」「新しいモノ好きな人々」が飛びついているだけではなく、(切り崩しが難しいとされた超高級車市場において)マジョリティにまで中国車の人気が浸透しているという中国の現状を示しています(そしてほかのセグメントでの例が示す通り、この傾向はいったん拡大すると収束することはなく、陣地を失ってしまった海外勢が失地回復するのは難しい)。
【2026年4月】価格70万元以上の超高級セダン販売台数
| 順位 | モデル名 | 販売台数(台) |
| 1位 | Maextro S800 | 1,142 |
| 2位 | メルセデス・マイバッハ Sクラス | 736 |
| 3位 | ポルシェ パナメーラ | 616 |
| 4位 | メルセデス・ベンツ Sクラス | 521 |
| 5位 | BMW 7シリーズ(i7含む) | 436 |
| 6位 | アウディ A8 | 260 |
4月の結果において最も象徴的なのは、BMW 7シリーズが5位まで転落し、アウディA8がトップ5圏外へ落ちたこと。
かつてはドイツの「御三家(ベンツ・BMW・アウディ)」が上位を独占していたものの、現在はMaextro S800が2位と3位の合計販売台数に迫る勢いで市場を支配していることがわかり、この事実はほかの中国の自動車メーカーに対して「超高級車市場においてもビジネスチャンスがある」と知らしめる契機になってしまった可能性も考えられ、となるとますますジャーマンスリー、そしてポルシェの地位は「危ういものに」なるのかも。
正直なところ、このマエストロ S800が発表された際、ぼくは「いかに中国人といえど、富裕層は欧州の伝統にお金を払うものと思われ、中国の高級車になど見向きもしないであろう」と考えたものの、アッサリとその予想が裏切られたというのが現在の状況です。
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車種概要:Maextro S800が選ばれる理由とスペック
Maextro S800は、ファーウェイの高度な知能化技術とJACの製造基盤が融合したモデルであり、2025年の発売以来、中国のウルトラ・ラグジュアリー・セグメントを席巻し続けている存在です。
Maextro S800 の主要スペックと特徴
- パワートレイン: ピュアEV(BEV)およびレンジエクステンダー(EREV)の両方をラインナップ
- 価格帯: 70.8万元 〜 101.8万元(約1,500万円 〜 2,150万円)
- 知能化技術: ファーウェイ製の最新「896ライン」高精度LiDAR(レーザーレーダー)を搭載。二重光学パス・アーキテクチャにより、極めて高度な自動運転支援機能を実現
- デザイン: 威厳と先進性を両立させた内外装。さらに「200万元(約4,200万円)」クラスを狙う超高級仕様「Grand Design」も投入予定
2026年1月からの累計販売台数でも、S800は5,465台を記録していて、2位のマイバッハ Sクラス(3,012台)にダブルスコア近い差をつけており、一時的なブームではなく「実力による定着」であることが証明されています。
市場での位置付け:欧州ブランドの「凋落」と中国勢の「知能化戦略」
現在、中国におけるドイツ系メーカーの販売は、過去にない苦境に立たされていて、2026年第1四半期、BMWグループの中国納車台数は前年同期比10%減、メルセデス・ベンツに至っては27%減という壊滅的な落ち込みを見せたばかり。
この背景には、単なる「EVシフト」だけでなく、「知能化(インテリジェント化)」の差があり、中国の富裕層は「ブランドの歴史」よりも、「ファーウェイが提供するシームレスなデジタル体験」や「世界最高峰の自動運転技術」に価値を見出しているといい、つまりマエストロ S800はその需要を完璧に捉えたというわけですね。
さらにファーウェイは、5.5メートルを超える巨大なラグジュアリーMPV「V800」の投入も準備しており、欧州勢が守ってきた最後の砦である「超高級セグメント」を全方位から攻め立てようとしており、これはつまりジャーマンスリーを超え、ベントレーやロールス・ロイスの領域にまで踏み込むということを意味します。
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結論
Maextro S800の独走は自動車業界におけるパワーバランスが完全に塗り替えられたことを象徴していて、高級車市場の「基準」は、もはやエンジンの滑らかさや伝統のエンブレムではなく、「どれだけ高度なソフトウェアとAIを搭載しているか」へと移行したという事実が改めて証明されることに。
BMWやメルセデス・ベンツがこの危機を脱するには、従来のハードウェア重視の戦略を根本から見直し、中国市場に特化した圧倒的なデジタル体験を提供できるかどうかにかかっていると言ってよく、2027年に向け、ジャガーなどの他ブランドもEV専売化を進める中、中国発のハイテク・ラグジュアリーカーは世界市場をも揺るがす存在になるのかもしれません。
【+αの知識】「HIMA(ハーモニー・インテリジェント・モビリティ・アライアンス)」とは?
今回首位を獲得したMaextro(尊界)は、ファーウェイが主導する「HIMA」というビジネスモデルの一部であり、ファーウェイは自社でクルマを製造するのではなく、JAC(Maextro)、セレス(AITO)、奇瑞(Luxeed)、BAIC(Stelato)といったパートナー企業に対してOS(HarmonyOS)や自動運転システム、駆動系ユニットを提供して車体の製造を委託し、生産された車両はファーウェイの店舗で販売するという手法を用いています。
「中身はスマホ最大手のハイテク、器は老舗メーカーの信頼」というこの方法は、IT技術と伝統的な製造業を融合させた「世界で最も効率的なクルマ造り」の一つとして世界中の自動車メーカーが注視しているもので、ある意味では(アップルなど)スマートフォンメーカーがソフトを設計し、ハードをゲイブへと「委託生産」に出しているようなもの。
ここを見ても、もはや中国における電気自動車のポジションが「スマートフォンと同列に考えられている」ということがわかりますね(車両どうこうよりも、すでに設計の段階からしてそうである)。

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参照:CarNewsChina














