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| 新たに蘇る「ミッドシップの系譜」は、まさかの全輪駆動? |
すでにかなり高いレベルの施策車が存在するようだ
トヨタがかつて世に送り出し、手の届くミッドシップスポーツとして一世を風靡した「MR2」。
そのDNAを受け継ぐまったく新しいミッドシップスポーツカーの開発がトヨタのモータースポーツおよびハイパフォーマンス部門である「GAZOO Racing(GR)」の手によって水面下で着々と進められているとの報道。
そしてこのMR2後継モデルにつき、2023年のジャパンモビリティショーで発表されたコンセプトカー「FT-Se」をベースにした純電気自動車(BEV、画像)になるのではないかとも噂されていたものの、最新の報道では新開発の強力なガソリンターボエンジンを搭載した「ガソリン内燃機関モデル」として開発が進んでいることが明らかになっています。
さらに驚くべきは、伝統的な後輪駆動(RWD)ではなく、「4WD(全輪駆動)」を組み合わせるというドラスティックな方針転換で、なぜトヨタはミッドシップ4WDという一見して重構造になりがちな選択をしたのか、その理由と現在判明しているスペックとを合わせて考えてみましょう。
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この記事の要点
- 伝説の復活へ: トヨタが1980年代から2000年代半ばまで販売していた2シーターミッドシップ「MR2」の(精神的)後継モデルの開発を正式に進行中
- 驚きの「4WD」レイアウト: GRのチーフエンジニアが「ミッドシップと全輪駆動(4WD)の組み合わせがハイパフォーマンス走行に最適なレイアウト」と実験から結論付けたことを暴露
- 400馬力超の新開発ターボ: 心臓部には400馬力を超えるとも噂される次世代の2.0L直列4気筒ターボエンジン「G20E」を搭載し、GRヤリス譲りの8速DATを組み合わせる見込み
- 市販は4年後か: 現在は日本の「スーパー耐久シリーズ」に試作車を投入し実戦テスト中。市販版の登場は少なくとも4年以上先になる見通し
GRチーフエンジニアが明かす「4WDミッドシップが最強」の結論
今回のスクープの決定打となったのは、英自動車メディア『Auto Express』が、GRのチーフエンジニアである斉藤尚彦氏に行ったインタビューで、斉藤氏はこの中において初期段階のテストを行っていることに触れ、驚きの事実を明かしています。
「ミッドシップレイアウトと全輪駆動(4WD)との組み合わせこそが、ハイパフォーマンスドライビングにおいて最高のパフォーマンスを発揮するパッケージングであることが、私たちの初期テストで判明しました」

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かつての初代(AW11)や2代目(SW20)MR2は、ミッドシップ特有のシャープな旋回性能を持つ反面、限界を超えた際に一転してリアが激しく滑り出す「スナップオーバーステア」の悪癖があって、そのため乗り手を選ぶ過激なセッティングで知られており、実際のところトヨタは「レクサスLFA」の開発段階においてもミドシップを検討したものの、「挙動がピーキー」という理由から「より挙動がマイルドで扱いやすい」FRレイアウトを採用することに。
そしてトヨタは今回の復活劇に際し、そのスリリングな楽しさを残しつつ、現代のハイパワースポーツとして駆動力を100%路面に伝え、アンダーステアや唐突なスピンを完全に抑え込むため、GRヤリスやGRカローラで培った高度な4WD制御(GR-FOURの進化版)をミッドシップにドッキングさせるという「全く新しい方程式」を導き出したというわけですね。
車種概要、市場でのポジショニング
この新型スポーツカーは現在進行形で日本の過酷なモータースポーツの現場で鍛えられており、トヨタはすでにGRヤリスのコンポーネントをベースとしてエンジンを車体後方(ミッドシップ)へと移設した実験車両「コンセプトM(Concept M)」を開発していることは周知の通り。
さらには日本の「スーパー耐久シリーズ」へと実戦投入することにより、豊田章男会長が常々語る「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」を体現するかのように”レースという極限状態を通じ、熱対策や4WDの前後トルク配分の最適化を煮詰めている”段階だといいます。
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トヨタ、ミドシップ・スポーツカー開発に際して「困難」に直面するも継続決意。ただしMR2の復活には時間がかかる?
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予想される主要スペック
| 項目 | トヨタ 次世代ミッドシップスポーツ(仮称:GR MR2) |
| エンジン形式 | 新開発 2.0L 直列4気筒 ガソリン直噴ターボ(開発コード:G20E) |
| 最高出力 | 400 馬力以上 (モータースポーツ仕様では500馬力超とも) |
| トランスミッション | 8速GR-DAT(スポーツAT) または 6速MT |
| 駆動方式 | ミッドシップ全輪駆動(Mid-ship AWD) |
| デザインの方向性 | 2023年発表のコンセプトカー「FT-Se」の攻撃的な意匠を踏襲 |
| 生産開始時期 | 最短でも4年後(2030年頃想定) |
| 開発ステータス | 全4段階の開発フェーズのうち、初期段階で走行テスト中 |
市場での位置付け:ポルシェをターゲットにした「4シリンダーの頂点」
このクルマのデザインは、ロータス・エミーラのような流麗なミッドシッププロポーションを持ちながら、よりエッジの効いたアグレッシブなものになると言われていますが、FT-Seのデザイン原語が反映されるかどうかは不透明。
しかしトヨタは「電動化」計画を緩めつつ、過去にEVコンセプトとして発表したデザインを(EVでなくとも)現在の市販車にも継承する傾向にあり(ランドクルーザーFJもその例のひとつ)、よってFT-Seのイメージを色濃く残したクルマとなるのかもしれません。

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市場での最大のライバルとして見据えているのは電動化が進むポルシェ「718ケイマン/ボクスター」、アルピーヌ「A110」といったピュアスポーツの領域で、400馬力級のパワーと4WDの圧倒的なトラクションを手に入れるとなれば、それら欧州のライバルよりも圧倒的に安価で手の届きやすい設定を持ちつつもサーキットでは格上のスーパーカーをカモれるほどの「ジャイアントキリング(大物食い)」的な存在になることは間違いないのかも。
トヨタが目指す「スポーツカー4兄弟」のグランドデザイン
これまでに報じられたトヨタの行動や計画とあわせてみると、今回の新型MR2の復活は単なる一過性のファンサービスではなく、トヨタが長期的に描いている「スポーツカー復権への巨大なグランドデザイン」の一環であることが分かります。
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① スープラ、86に続く「4つの矢」
近年のトヨタは、1990年代の「スポーツカー王国」だった黄金期を再構築しようとしていて、現在の「GR86」「GRスープラ」に加え、2026年以降に登場予定のV8ツインターボハイブリッドを積むフラッグシップ「GR GT」、さらに復活が熱望されている「セリカ(Celica)」、そして今回の「MR2」が加わることで以下のような全方位を網羅する完璧なスポーツカーラインナップが完成することとなるわけですね(GR GTは生産が制限されるであろうことから別格だと考える)。
ここまでスポーツカーに経営資源を投資する量産メーカーは、世界を見渡しても現在のトヨタだけであり、その意味でも今後のトヨタ、そしてGRには大きな期待がかかります。
- ライトウェイトFR(86)
- GT(スープラ)
- ラリー4WD(セリカ)
- ミッドシップ4WD(MR2)

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② 新開発2.0Lターボ「G20E」という内燃機関への最終回答
この「MR2後継」に搭載される予定の「G20E」エンジンは、トヨタが2024年5月に発表した次世代内燃機関のコアとなるユニットで、BEV(電気自動車)シフトが一時期の過熱感を終え、ハイブリッドやカーボンニュートラル燃料(CNF)を用いたガソリン車の価値が見直されている今、トヨタは「排気量を1.6L(現行GRヤリス)から2.0Lへスープアップし、環境規制をクリアしながら400馬力を叩き出す」という、内燃機関への執念とも言える技術をこの新ミッドシップ車で開花させようとしています。
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トヨタ、新世代1.5L&2.0Lエンジンを発表。EV・ハイブリッド・水素まで対応する多用途パワーユニットにて「新時代の覇権」を狙う
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結論:4年以上の待機期間は、「本物」が生まれるための熟成期間
かつてのMR2が生産を終了してから20年近くが経過しているという状況ではありますが、斉藤チーフエンジニアが語る通り、市販モデルがぼくらの前に姿を現すまでにはまだ「少なくとも4年、あるいはそれ以上」の時間がかかると予想されています。

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「待ち時間が長すぎる」と感じるかもしれませんが、裏を返せば、これはそれだけトヨタがこの「ミッドシップ+4WD」という未踏のレイアウトを「生半可な完成度では世に出さない」という強い覚悟をもって取り組んでいることの裏返しなのかもしれません。
日本のモータースポーツの現場(スーパー耐久)で毎週末のように過酷なデータを集め、冷却性やハンドリングの熟成を重ねていくGRの試作車たち。4年後にぼくらが目にするのはノスタルジーに浸ったリバイバルカーではなく、現代の最新技術でライバルを圧倒する、真の「ハイパフォーマンス・ゲームチェンジャー」なのかもしれませんね。
参照;Auto Express












