
| いまだに新型ロードスターについては様々なウワサが絶えないが |
電動化を果たしつつ「車体重量1,000kg」が達成できれば、それは一つの革命である
「スポーツカーに大パワーは不要。必要なのは軽さである」——長年この哲学を貫いてきたマツダ「ロードスター)」。
そしてこのロードスターが大きな転換期を迎えようとしているというのが今回のニュースであり、マツダの毛籠勝弘代表取締役社長兼CEOが、ドイツの自動車専門誌の取材に応じ、開発コードネーム「NE」と呼ばれる次期ロードスターにつき、排気ガス規制等の将来的な環境変化に対応するため電動化(EV化)を視野に入れて開発されている、と認めることに。
EV化に伴う最大の課題は「バッテリーによる重量増」ですが、マツダのエンジニア陣は「車重1,000kg〜1,200kg」という、現行ガソリン車と変わらない驚異的な目標値を設定しているといい、さらに毛籠勝弘代表取締役社長は新たなる「ハンドメイドによるフラッグシップモデル」に関する構想についても触れています。
ここでは、次期ロードスターのパワートレイン予想から軽量化のアプローチ、そしてマツダが描く未来のスポーツカー戦略について見てみましょう。

【この記事の要約】
- 次期MX-5(NE型)はEVにも対応:マツダの毛籠勝弘社長が独メディアに対し、内燃機関が禁止される将来を見据え、次期MX-5を電気駆動に対応できるよう開発中だと明言。
- 驚異の軽量化目標(1,000〜1,200kg):重量増となるバッテリーを搭載しながらも高価なカーボンファイバーに頼らず従来素材で車重1,000〜1,200kgを目指す。
- 新開発「SKYACTIV-Z」も搭載予定:完全EVだけでなく、新開発の2.5L直列4気筒「SKYACTIV-Z」ガソリンエンジンやハイブリッド仕様(最大220hpクラス)も視野。
- MX-5のさらに上に「ハンドメイド旗艦モデル」構想:ブランドの象徴(ヒーローカー)として、大容量販売を狙わない手作業生産のフラッグシップスポーツカーの投入意欲を提示。
「カーボンに頼らない」マツダ独自の軽量化アプローチ
今回のインタビューによれば、次期ロードスターは「ガソリン」「ハイブリッド」「BEV」にて展開される可能性があるようで、しかし重いバッテリーを積むEVスポーツカーにおいて1,000kg台の車重を実現することは容易ではなく、ポルシェなどのハイエンドメーカーはカーボンファイバーをはじめとする高価な複合素材を多用することが許されるものの、手の届く価格帯を重視するロードスターではその手法は使うことができず、毛籠社長は以下のように語っています。※ただしマツダは安価なカーボンファイバーに関する特許を出願している
「後継モデルは、内燃機関(エンジン)が存在しないシナリオにも対応できなければなりません。私たちの挑戦は、カーボンファイバーのような高価なエキゾチック素材を使わずに、基本構造そのものを軽量化することです」
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開発陣が目指している目標値は「1,000kg強〜1,200kg」。
現行ND型の欧州仕様(ドライバー未乗車時)が1,030kgであることを考えると、仮にEV仕様となった場合でもわずかな重量増にとどめる計算になり、このデザイン・技術のベースとして、2023年に発表されたコンセプトカー「Iconic SP(アイコニック SP)」の存在が大きく関わっているものと見られています。

どうなる次期NEロードスター、そしてマツダのスポーツカー構想
1. ガソリンファンも安心:新開発エンジン「SKYACTIV-Z」とハイブリッドの可能性
マツダは(ロードスターの)すべての選択肢をEV一本に絞るわけではなく、ガソリンエンジンファンに向けて、新開発の2.5L直列4気筒「SKYACTIV-Z」エンジンの搭載も予定されている、とのこと。
さらには軽量化の哲学を損なわない範囲でのハイブリッド化(PHEVまたはHEV)も検討されており、もし実現すればシステム出力は最大220hp(223PS)程度に達する見込みだとされ、現行の北米向けモデルの最高スペック(181hp)や日本市場向けのハイエンドモデル「12R」(200PS未満)を大きく上回るパフォーマンスが期待できます。※とくに北米ではかねてよりロードスターのパワー不足が指摘されており、これが実現すれば広く受け入れられることとなりそうだ
次期MX-5(NE型)予想スペック比較
| 項目 | 現行モデル(ND型・欧州スペック例) | 次期モデル(NE型・予想目標値) |
| 登場予定時期 | 2015年〜現在 | 2028年以降 |
| パワートレイン | 1.5L / 2.0L 直列4気筒ガソリン | 2.5L SKYACTIV-Z / HV / フルEV |
| 車両重量 | 約 1,003 kg | 約 9,90〜1,200 kg |
| 最高出力 | 132 PS 〜 184 PS | 184 PS 〜 223 PS(HV時) |
| 構造的特徴 | 軽量スチール&アルミ | 新開発軽量プラットフォーム(非カーボン系) |
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様々な話を総合するに、次期ロードスターの仕様は現時点では「決定」しているとは考えにくく、「ガソリン」「ハイブリッド」「BEV」に対応すべく開発を進めているとされ、しかしこれらすべてが登場するかどうかは「未確定」。
そしてこれらのパワートレインを「ひとつのプラットフォームで」対応しようとするならば、そう簡単に(今から)設計できるものでもなく、NEロードスターの登場は早くとも2028年以降とも予想されています。

なお、つい最近「新型ロードスターは電動化ナシ」と報じられたばかりでもあり、マツダ内部でも方針が二転三転している(あるいは様々な案を検討している途中であり結果が出ていない)のかもしれません。
現実的なシナリオとしては、まずガソリン版が登場し、その後の規制を考慮しつつハイブリッド→BEV登場という流れになるものと思われ、おそらくBEV版ロードスターの登場はかなり先(2030年以降)になるのでは、と考えています。
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2. MX-5の上に位置する「ハンドメイドのフラッグシップ(ヒーローカー)」構想
今回の発言で最も車ファンを驚かせたのはロードスターの電動化だけではなく、毛籠社長はロードカーよりも上位に位置する「真のフラッグシップスポーツカー」の存在についても触れており・・・。
「マツダブランドの価値を完全に体現する『ヒーローカー』、つまり真のフラッグシップモデルが欲しいと考えています」
手頃な価格で走る歓びを提供するMX-5とは一線を画し、台数を追うビジネスではなく、職人の手作業を主としたエクスクルーシブな高級スポーツカーの存在を示唆していますが、これは「アイコニックSP」の市販モデルだとも考えられ、その続報に期待がかかるところでもありますね。
なお、マツダは「スーパーカー」と思われる多数の特許を出願しているため、この「ヒーローカー」についても一定の信憑性があるものと思われます。
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- 競合他社(欧州プレミアム勢):大容量バッテリーと高出力モーターを積み、パワーと先進性で魅せるが、車重は1.5トンオーバーになりがち。
- マツダ(次期MX-5):絶対的なパワー向上よりも「ライトウェイト(軽量性)」を最優先。手の届く価格帯を守りつつ、1.0〜1.2トンで軽快な「人馬一体」を提供する唯一無二のポジションを狙う。
このほかケータハム、そしてアルピーヌA110も「超軽量エレクトリックスポーツ」の市販を目指して動いており、現時点ではほぼ皆無とも言えるエレクトリック「ライトウエイト」スポーツではありますが、数年後には意外と「多数の選択肢」であふれることになるのかもしれません。
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マツダのライトウェイト思想とロータリーの未来
マツダのスポーツカー史を語る上で欠かせないのが「ロータリーエンジン」の存在で、2023年に公開されたコンセプトカー「Iconic SP」は、2ローターRotary-EV(発電用ロータリーエンジンとバッテリーを組み合わせたシステム)を採用し、370PSという高出力とコンパクトなパッケージを両立させて話題を呼んでいます。
次期ロードスター(NE)が「1,000kg〜1,200kg」という極限の軽量化に挑む背景には、このアイコニック SPで培われた省スペース・高効率なパワートレイン技術や最新のバタフライドアに関する特許技術などがフィードバックされる可能性が極めて高いと言え、内燃機関の快音を愛するファンへの配慮(SKYACTIV-Z)を残しつつ、ゼロエミッション時代でも「誰もが笑顔になれるライトウェイトスポーツ」を残そうとするマツダの姿勢は世界の自動車メーカーの中でも異彩を放つことになりそうですね。

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結論
「EV=重くて退屈」というスポーツカー界の固定観念を、マツダは再び打ち破ろうとしています。
バッテリーを載せながらも「1,000kg〜1,200kg」に収めるという挑戦は並大抵ではありませんが、これを達成できれば、電気自動車時代においても「ライトウェイト・ピュアスポーツ」のDNAは完璧に受け継がれることになるのは間違いのないところ。
さらに、手作業による新たなフラッグシップ「ヒーローカー」の計画など、マツダのスポーツカー精神はかつてないほど熱く燃えており、2028年以降とされるNEロードスターの正式発表を楽しみに待ちたいと思います。
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