| ヘネシーの挑戦はこれだけにとどまらず、停止から加速、そこから停止までの時間など、あらゆるハイパーカーの記録に挑むことになるだろう |
非常に限られた生産台数、そして限られた人々に販売するクルマでもあり、そのぶん思い切った仕様を採用できるのが強みでもある
さて、フォードやGM、ダッジなどアメリカンブランドを対象としたチューニングを行う「ヘネシー」。
過去にはロータスをベースとした改造車、「ヴェノムGT」にて世界最速を公式に記録したこともある実力派ですが、現在は自社開発の車両製造にも力を入れており、その第一号「ヴェノムF5」の納車を進めている段階です。
このヘネシー・ヴェノム F5にはいくつかのバリエーションがあり、そして今回ヘネシーは「ヴェノムF5 レボリューション」にてサーキット・オブ・ジ・アメリカを走らせ、なんとマクラーレンP1のタイムを約7秒も圧縮して市販車最速を記録し、「圧倒的王者に輝くことになった」とアナウンスしています。
ヘネシー・ヴェノム F5のポテンシャルは非常に高い
このヘネシー・ヴェノムF5 レボリューションに積まれるのは6.6リッターV8ツインターボエンジン、そしてその出力は1,817馬力という途方もない数字。
トランスミッションは7速セミオートマチック、駆動輪は後輪のみ、車体重量1,360kg(とんでもなく軽い)、0-60マイル(96km/h)加速は2.6秒、最高速は402km/h以上というスペックを誇りますが、唯一の問題は「ヘネシーが自動車製造業者としての認可を取得していないため、通常の方法では登録できない」という事実であり、よってアメリカでは走行距離が制限される「ショー・アンド・ディスプレイ」法を適用し登録する必要があるもよう。
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ただしこういったハイパーカーを購入したとして、これを「日常的に乗る」とは考えにくく、よってそのオーナーは「普通に登録できなくとも」まったく意に介さないとは思いますが、それでもヘネシーはそういった軽微な問題を吹き飛ばすべく様々な記録に挑戦とすると公言しています。
その勢いについては、ヘネシー創業者、ジョン・ヘネシーの言葉を借りるならば「ハイパーカーデカスロン(十種競技)の王者になる」。
More than meets the eye 🤖🏁 #VenomF5#Hennessey #Venom #F5 #Revolution #Roadster #Transformers #Autobots #Decepticons #V8 #TwinTurbo #Hypercar #Texas #USA #HennesseyVenom #Pennzoil pic.twitter.com/SoetQ9uqB4
— HennesseyPerformance (@HennesseyPerf) March 20, 2024
ヘネシーは「無改造」でヴェノムF5 レボリューションを走らせ記録を達成
そして今回発表されたのが上述のサーキット・オブ・ジ・アメリカ(COTA)での記録ということになるのですが、この記録はマクラーレンP1を7秒凌駕し、それまでのコースレコード保持者であったシンガー21Cのタイムを0.43秒短縮しています。
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今回のチャレンジでステアリングホイールを握ったのは伝説のレーシングドライバー、デビッド・ドナヒューで、もちろん記録達成のためになんら特別な改造を行っておらず、装着したタイヤも標準仕様のミシュラン・パイロットスポーツ カップ2R。
記録樹立走行中、ヴェノム F5 は COTA のメインストレートで時速193.1マイル(約310km/h)の最高速度に達し、コーナー通過時の横加速度は最大1.59 、ブレーキング時は最大1.61Gを記録しています。
ヴェノム F5 レボリューションの開発に参加していたので、速いタイムを出せることは分かっていましたが、実際に車を激しくプッシュすると、その驚異的なパワーと卓越したハンドリングに驚かされました。 これほど直感的で魅力的な運転体験を提供するクルマは世界中探しても他にありません。
T-MINUS 3 Hours and 20 Min ⏰ Join the crowd on @Bringatrailer or register to bid on the very first publicly auctioned Venom F5 Roadster.
— HennesseyPerformance (@HennesseyPerf) March 5, 2024
This stunning example is the second F5 Roadster built and features a blazing `Citrus Orange’ exterior with gloss carbon fiber accents… pic.twitter.com/PX5VssuYDN
ラップタイムの記録は、VBOX データロギングおよびテレメトリーシステムを使用しており、その真正については検証済み。
しかし今回の偉大な記録達成にも関わらず、ジョン・ヘネシーは「すぐに次の挑戦者が現れ、我々の記録は破られることになるだろう」とも述べ、その一方で記録挑戦については以下のように語ります。
私たちは、簡単だからこれらのことをしているのではなく、難しいからやっているのです。私たちは旅を続け、将来的にはヴェノム F5 が新しい速度記録を樹立できるよう推進することを楽しみにしています。
実際のところヘネシーは、ヴェノムF5のデリバリー前から「最高速への挑戦」に言及しており、ついに今年、試みに適した道路または滑走路を見つけ次第、時速300マイル以上の最高速度に挑戦する予定だといい、またひとつ自動車史にあたらしい歴史が刻まれることになるのかもしれません。
ヘネシー・ヴェノムF5がCOTAにて市販車最速ラップタイムを更新する動画はこちら
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