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ボブ・ラッツ氏(前GMの副会長)が「コルベットはミドシップ化するよりもSUV化したほうがいい」という衝撃のコメントを発しましたが、今回はそれに呼応するかのように「コルベットのSUV」をレンダリングにて再現したものが登場。
なお、ボブ・ラッツ氏の意図としては、「ミドシップ化してもすでに存在するライバルとは競争できず、誰もポルシェ911から乗り換えるとは思えない。これまでのコルベットユーザーがC8コルベットに乗り換えるだけだ。であれば、まだ市場に隙間のある1000万円クラスの高級SUVへと転身し、コルベットのネームバリューを生かして戦うべきだ」というもの。
ボブ・ラッツ氏のいうことにも一理ある
たしかにこれには納得で、ミドシップ化したとして、そして仮にポルシェやマクラーレン、フェラーリ、ランボルギーニより高いパフォーマンスを発揮しようとも、それらとマーケットで戦えるとは思えないから。
おそらくアストンマーティンも「ミドシップ市場はタフ」と予想したに違いなく、だからこそ量産ミドシップスポーツを発売する前に「ヴァルキリー」という泣く子も黙るハイパーカーを投入するのだと考えられます。
このヴァルキリーの無双っぷりによって「アストンマーティンのミドシップはスゴい」という認識が世間に広まり、そのイメージを引き継いだヴァルハラ、新型ヴァンキッシュ、そしてそれに続くミドシップスポーツの成功がようやく保証されることになるのかもしれません。
コルベット最大のウリは「コルベットであること」
しかしコルベットの場合はその「ミドシップ」がなんらかの成功体験やレースに基づいたものではなく、そういった状況でミドシップ化したとしてもポルシェ、フェラーリ、ランボルギーニ、マクラーレンに対して優位性を発揮するのは困難で、そこがボブ・ルッツ氏の指摘するところなのでしょうね。
なお、ビジネス的には「勝てる土俵で勝負する」のが定石であり、そしてボブ・ルッツ氏によると「勝てる土俵」が高級SUVだということになり、これについてはぼくも賛成です。
ちなみに今回のレンダリングは見ての通りランボルギーニ・ウルスをベースにしていますが、なかなかに「コルベットらしさ」が出ている秀逸な作品。
フロントにはC7世代のコルベットから拝借したヘッドライトやボンネットが見られ、テールランプはコルベットらしい「4灯」へと変更されています。