テスラの計画は「絵に描いた餅」で終わるのか
モデル3の生産ラインは溶接に問題を抱えている
テスラは第三四半期に1,500台のモデル3を生産し、12月までには月産20,000台という計画を掲げていたものの、現在のところ生産されたモデル3はわずか260台のみ。
モデル3のボディはアルミとスチールとの複合となりますが、この溶接に問題があるようで、テスラCEOであるイーロン・マスク氏がじきじきに「モデル3の生産は予定の1/10のペース」だと公開しています。
この複合素材については、テスラにとって「初」の採用となりますが、ここで予想外の問題が発生したということになり、「テスラといえども」現在この問題をコントロールできない状況だとすると、ほかのEVスタートアップも「克服できない多数の問題」を数多く持つであろうことが予想でき、新しく自動車メーカーを立ち上げることの難しさを思い知らされます。
なおテスラは先日「従業員400人を解雇」と報じられ、これについてテスラは「成績不振の従業員を解雇」とメディアの取材に対して認め、しかし解雇した従業員数はノーコメント。
ただし解雇された側の主張においては「成績に問題はなく目標を達成していた」というものもあるようで、テスラにとってちょっとつらい時期が続きそうですね(それ以前にも元従業員から様々な問題が指摘されている)。
なお、こういった生産や雇用に関する問題は他の自動車メーカーでも存在するとは思うものの、テスラはいい面はもちろん、悪い面でもニュースになりやすいのでしょうね。
以前に三浦知良選手が「調子のいい時が報じられるのは当たり前で、調子の悪いときが報じられるようになってようやく一流」というような発言があったと記憶していますが、その意味だとテスラは「一流の自動車メーカーへの仲間入り」と考えてよいのかもしれません。
ちなみにテスラは4-6月期においては440億円の赤字(過去最大)を計上しており、なかなか黒字転換が難しい状態。
モデル3生産のために建設した工場への投資が大きく負担となっているのが理由ですが、それを覆すにはモデル3の生産を軌道に載せる必要があります。
ただ、こういった状況があるにもかかわらず株価は上昇を続けているので、市場も「テスラがこの状況を克服し、成長するのは確実」と見ているのでしょうね。
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