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テスラ・モデルSが非公式ながらニュルにて7:13を記録したとの報道。ポルシェ・タイカンの記録を30秒短縮し、4ドア最速記録を持つジャガーの記録を5秒短縮

2019/11/06

| テスラはもともとニュルブルクリンクを走ることを想定していなかったはずだ |

テスラ・モデルSが非公式ながら、ニュルブルクリンクにて「7分13秒」のタイムを記録した模様。
これはEVエンスージアスト、そしてエンジニアやライターという肩書を持つAlex氏が自身のTwitterにて明かしたもので、これが事実だとポルシェがタイカンにて記録した7分42秒という、「4ドアEV最速」タイムを30秒も短縮した、ということになりそう。

ことの発端はポルシェが3ヶ月ほど前に「タイカン」を発表したときにまでさかのぼりますが、ポルシェはまずその正式発表直前に、「タイカンのプロトタイプが、ニュルブルクリンクにて、4ドアEV最速タイムの7:42を記録した」と発表。
その後満を持してポルシェはタイカンを発表し、その際のグレードは「タイカン・ターボ」と「タイカン・ターボS」。

これにツッコミを入れたのがテスラのイーロン・マスクCEOで、「(ターボを積んでいないのに)なぜターボなんだ?」。
そして我々は、その記録をやすやすと更新することが出来る、と発言することに。

まさかテスラ・モデルSがここまでのタイムを記録するとは

イーロン・マスクCEOは「有言実行」の人でもあり、即座にテスラ・モデルSをニュルブルクリンクに持ち込んでテスト開始。
ただし、このモデルSは通常のモデルSとは異なって「プレイド」と呼ばれる3モーターを持つ特別仕様。
現在販売されるモデルSは、前後に一つづつモーターを持っているものの、このプレイド・シャシーはフロントに一つ、リアに2つのモーターを持ち、さらにはオーバーフェンダーを装着してトレッドを拡大したうえ、フロントバンパーやトランクリッドといった部分のデザインが変更に。

なお、いかにテスラとはいえど、ここまで短期間でニュルブルクリンクへのアタック仕様を作れるとは思えず、「かねてより用意していた」車両をタイカンの発表にあわせてぶつけてきたのかも(もし、これがプロモーションの一環だとすれば、驚くべき周到さ)。

そしてすぐにタイカンのタイムを20秒短縮するタイムを記録したと報じられるものの、テスラはこれに満足できなかったようで、一旦ニュルブルクリンクから引き上げ、さらに過激なエアロパッケージを持つ”バージョン2”を投入しています。

この「バージョン2」は、市販車とは思えない巨大リアディフューザーを持つ個体で(少なくとも2台が持ち込まれている)、後にはリアウイングも追加されることに。

ポルシェ・タイカンを破ったのになぜそこまでニュルのタイムにこだわるのか不思議でもありますが、これはおそらく「テスラの掲げた目標タイムが7:05だったから」だと思われ、それを達成するまでは「退くつもりはない」のかもしれませんね。

なお、目標タイムに到達しなかったからといって「やっぱりテスラは口だけか・・・」と断じることはできず、これまでニュルブルクリンクに挑戦してこなかったテスラが、ニュルブルクリンクで多数の記録を樹立してきたポルシェのタイムを「非公式とはいえど」破っていることに注目する必要があります。

さらに今回「非公式」だと報じられている7:13は、 ジャガーが記録を保持する「4ドアセダン最速」の7:18.361 よりもずっと速いタイムであり、「イキナリやってきて」ポンと記録を出したテスラはむしろ「とんでもなくスゴい」ということに。

ニュルブルクリンクは現在、ポルシェはじめランボルギーニ、BMW、メルセデス・ベンツ、そしてトヨタやホンダなど多くのメーカーが開発の際に「指標」として用いるサーキット。
それは「パワーがあるだけでは」速く走れず、足回りやブレーキ、エアロダイナミクス、さらには耐久性など、自動車そしてスポーツカーに求められる要件「すべて」が高いレベルでバランスしていなくてはならないからで、そのクルマの総合力を判断するのにはこれ以上ない、という環境であるからだと言えます。

つまり、テスラ・モデルS(プレイド・シャシー)は現時点でも第一級のスポーツカーと同等のパフォーマンスを持っているということになり、「恐るべき存在」である、ということですね。

VIA:alex_avoigt, Auto Motor Sport

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