| 日本ではまだまだオンラインでのクルマの購入に抵抗があるためかテスラの販売が進まない |
それでも少ない販売拠点の割にはずいぶん頑張っていると思う
さて、2022年の出荷台数が目標であった「前年度50%増し」に届かず、かつ第4四半期の生産台数もアナリストの予測に届かなかったテスラですが、現在中国や米国においても値下げが行われ、かつ買い替えキャンペーンやなんらかのインセンティブが提供されているという状況です。
つまり、これまで「受注が大量に集まるので、受注の心配はしなくてもいい」状態だったものの、生産能力が増強されて「受注以上の供給が可能となり」、かつライバルが急増する状況において予定通りの受注が集まっていないのだと考えていいのかも。
値上げから一転、値下げに転じる
そして世界の主要市場で値下げを行っているのは上述のとおりですが、今回は日本でもモデル3の値下げを行っており、これによってモデル3 RWDの価格は5,964,000円から5,369,000へと一気に595,000円も(10%近く)価格が下がっています。
なお、日本では(自動車の販売全体に占める)テスラの販売は大きくはなく、米国や中国においても比較にならないほど販売台数が少ないため(テスラは日本での販売台数を公表していないので推測にはなるが)、「下がってきた需要を刺激する」というよりは、今後を見据えて日本市場における地固めを行いたいという意向のほうが大きいのかもしれません。
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日本でもテスラの販売が値下げにより急増、前年比で13.3倍に!なおモデル3は現在日本市場において「購入金額1万円あたり、もっとも長い距離を走れる」EV
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ちなみにですが、日本は(2021年のデータだと)国別新車販売ランキングでは3位に位置し、1位は中国の26,274,820台、2位はアメリカで15,408,565台、3位の日本は4,448,340台という数字です。
1位の中国と2位の米国には大きく差があるものの、テスラの車両販売はそれ以上に大きく差があり、単月だと中国が8万台くらい(2022年10月)、アメリカだと3万台くらい(2022年第4四半期の平均値)、日本ではわずか1,000台くらい(日本自動車輸入組合発表値からの推測)。
この数字を見るに、日本の新車販売は中国の17%、アメリカの29%くらいなので、テスラの販売も(その比率を当てはめると)9,000台〜14,000台くらいはあってもよさそうなのですが、実際には(推測値ではあるものの)1,000台程度となっているわけですね。
よって、テスラは世界のメインマーケットにて需要が減っていると言われる今、今だと可能性が大きな(中国や米国に比較してライバルとなるEVの数がまだ少ない)日本において販売台数を稼ぎたいのかもしれません。
実際のところ、今回のモデル3の値下げ幅は中国やアメリカで報じられている数字と比較すると「最大」なので、このモデル3の値下げをテストケースとし、今後のほかモデルの動向を検討する可能性もありそうです。
現在のテスラ各モデルの価格と納期はこうなっている
なお、日本における(現在の)テスラ各モデルの価格と納期は下記のとおりとなっていて、他の国同様にモデルS、モデルXについては納車時期が一切不明、サイバートラックは注文を入れることができない状態です。
モデル3 RWD | 5,369,000円 | 納期1〜2ヶ月 |
モデル3 ロングレンジ | 6,389,000円 | 納期1〜2ヶ月 |
モデル3 パフォーマンス | 7,149,000円 | 納期1〜2ヶ月 |
モデルY RWD | 5,799,000円 | 納期1〜2ヶ月 |
モデルY パフォーマンス | 7,509,000円 | 納期1〜2ヶ月 |
モデルS | 価格非表示 | 納車時期未定 |
モデルS プレッド | 価格非表示 | 納車時期未定 |
モデルX | 価格非表示 | 納車時期未定 |
モデルX プレッド | 価格非表示 | 納車時期未定 |
サイバートラック | 受注不可 | 納車時期未定 |
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