| 以前の計画に比較すると「価格が高くなってしまった」が、それでもよくやった方だろう |
驚くべきことに、テスラはさらに新型車の投入を控えている
今年はじめ、テスラCEO、イーロン・マスク氏は、より手頃な価格(25,000ドル)のテスラ車を提供する計画が頓挫したとの報道を否定し、その計画は依然として進行中で、予定より早く登場する予定だと約束しています。
ただし、それは(それまでにウワサされていたような)全く新しい革命的なクルマではなく、既存のコンポーネントやアイデアを組み合わせたものになるとコメントしていますが、ウォールストリート・チャイナの最新の報道によると、テスラは2025年の前半に手頃な価格のテスラ車を発売する予定であり、その情報源として、”テスラの投資家向け広報担当のトラヴィス・アクセルロッド氏が、ドイツ銀行が主催した投資家向け会議でこの発言を行った”と報じています。
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新しい廉価版テスラの名称は「モデルQ」
この手頃な価格のテスラ車、ドイツ銀行が「モデルQ(テスラがそう呼んだわけではない)」と呼んでいる車は、もし米国の新大統領トランプ氏がバイデン大統領のEV税額控除を廃止する計画を実行すれば、価格は37,499ドル、そうでなければ補助金が適用されて30,000ドル以下の価格になるとされ、これによりテスラが25,000ドルのEVを提供することは難しいとの報道が裏付けられていますが、少なくとも現在のモデル3(34,990ドル)よりも安価になる見込みです。
そしてテスラが「25,000ドルのEV」の話を持ち出したのは昨今のようにインフレが問題となっていなかった時期なので、その後のインフレを考慮するならば、「30,000ドル」でも十分頑張ったと言えるのかもしれません。
モデルQは現行プラットフォームをベースに
ウォールストリート・チャイナの報道によると、この「モデルQ」は現行のテスラ車が採用するプラットフォームを基にしたものであり、これは以前の報道と一致しています。
ウォールストリート・ジャーナルのテスラ関連ニュースを担当する記者のベッキー・ピーターソン氏は、ドイツ銀行の投資家会議内容をまとめた報告書を入手したと述べ、その報告書には、モデルQが新しいプラットフォームに基づいていないことや、サイズやモデル3との差異については記載されていないことが明記されているのだそう。
ただ、テスラは基本的に「フルモデルチェンジを行わない」ものの、大小問わずアップデートを常に繰り返しており、よって同じモデル3やモデルYであっても「外観が同じといえど、中身が完全に新しいものへと入れ替わって」おり、よって既存プラットフォームだとしても他の自動車メーカーのように「何年も前」のものではなく、むしろ十分に改良がなされた「最新」のものと考えてよいかと思います。※サイバーキャブも現行プラットフォームを採用するが、モデル3に比較してパーツ点数が半分に抑えられるなど飛躍的な進化を遂げている
なお、ウォールストリート・チャイナは、テスラが2025年の後半に他の新モデルを発表して市場を拡大する予定だとも報じていますが、その一例は以前にウワサが出た「モデルYの3列シート、ロングホイールベースバージョン」でモデルYの人気の高さを考えると、これは非常に現実的な予測です(バージョンが中国市場限定なのか、アメリカなど他の地域でも販売されるかどうかも不明)。
2025年はテスラにとってエキサイティングな年になるかもしれず、つまり今回の報道はテスラ株を買い増しするに足る情報ではありますが、現時点ではこの報道に対しては慎重な姿勢を持つことが推奨されます。
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