| 繋がったクルマが前後につくと、奇妙なデジャヴを感じる |
最近、ふと気づくと自動車のデザインが各社とも非常に似ていることに気付かされます。
この現象について、模倣というよりは「スポーティーさを演出」「ワイド感を演出」「高級感を演出」といったデザイン的要素に加え、「エアフロー最適化」「ダウンフォース最適化」「クーリング最適化」といった機能的側面を追求した結果、どうしても「似てくる」のだろう、と認識しています。
フロントやリアバンパーの「つながりダクト」が増えてきた
まずぼくが思うのは、「前後バンパー下部のダクトについて、左右つながったデザインが増えてきたな・・・」ということ。
代表的なのはポルシェで、現在はパナメーラ、カイエン、911もこういった顔つきに。
そしてメルセデスAMGも形状こそことなれど、「左右連結」(GTやAMG ONEも同様)。
BMWもつながってますね。
そしてリアだとポルシェはやっぱり「左右つながり」。
そしてレクサスも左右つながり。
「こじつけ」のように感じられるかもしれませんが、たとえば前をレクサスES300、後ろにBMW 5シリーズが走っていて、そして両方ともボディカラーがホワイトだと、前の車のリアバンパー内も「つながって」ていて、ミラー越しに見える後ろの車のフロントバンパー内も「つながって」いることになり、「もうクルマのデザインはつながってないとダメなのか・・・」と思うことも。
テールランプも「横長」「繋がる」傾向に
そしてもうひとつの傾向として、テールランプが「横長に」「細く」なる傾向も。
これはLED採用によって可能になった新しいデザインでもありますが、テールランプを細く長くすると「車体が相対的に広く低く」見えることになり、さらにテールランプの位置を上げれば「ウエッジシェイプ」でスポーティーなイメージを演出できるので、各社が好んで用いています。
なお、これを早い段階で採用したのはメルセデス・ベンツ。
GLEやGLCの「クーペ」では、上述の効果を狙い、よりスポーティーに魅せる手法としてこれを用いていますね。
そしてBMWはX4でこれに追随(それまでのX4から大きくデザインを変えてきた)。
さらに言うならば、ナンバープレートの位置を下げ、リアバンパー下をブラック化して「ボディカラー同色面積を減らす」のも最近のSUVに共通する傾向。
これによって車体を尻上がりな雰囲気に、しかしボディを分厚く見せずにスタイリッシュなイメージを持たせることができると考えています。
なお、「細く長い」テールランプをさらに進めたデザインを持つのが「つながった」テールランプで、とくにポルシェはこれを好み、カイエンそして新型マカンでもこれを採用(もちろん911、パナメーラでも)。※やはりマカンでも「ナンバーを下、バンパーの下を黒」という手法は共通している
レクサスにおける最新SUV、「UX」もテールランプがつながってますね。
こういった感じで各社ともかなり似たデザインになってきているというのが現在の傾向であると思いますが、これは冒頭に述べたように「マネ」ではなく、デザインや設計理論が突き詰められてきたためだと考えています。
各社ともその理論を自社なりに解釈したデザインを各モデルに付与してはいるものの、ここまで各社のデザイン理論が近づいた時代もほかにあるまい、という感じですね。