| ジャガーは「充電インフラ」もEV普及の足かせだと語る |
ジャガー・ランドローバー社CEO、ラルフ・スペッツ博士によると、「現代におけるEVは高すぎる」。
ジャガーは今年に初のEVであるI-PACEを発売したところで、現在では(驚くべきことに)ジャガーの販売における9~10%を占めている、とのこと。※IペイスはジャガーではXJに次ぎ”二番目に高いモデル”
そしてIペイスの価格は959万円~1162万円という設定ですが、この価格が特別高いわけではなく、アウディe-tron、メルセデス・ベンツEQCも同じくらいの価格設定。
EVは同等ガソリン車のおよそ1.5倍の価格
これらと同じくらいのサイズ、性能を持つガソリン車だとおおよそ600万円くらいで購入できますし、フランクフルト・モーターショーにて発表されたフォルクスワーゲンID.3(350万円くらい)やホンダe(350万円)も同クラスのガソリン車に比較すると40~50%くらい高価な設定です。
EVというと本来は「維持費が安い」ということで選ばれる性質を持っていると思いますが、同クラスのガソリン車に比較して1.5倍の価格を持つEVを購入したとしても「モトを取るのは非常に難しい」と考えています(月間で2万円の維持費が浮くとして、1年乗っても24万円)。
加えて売却時にはガソリン車の半分くらいの価格にまで下がってしまうので、「買ってから売るまで」のことを考えると、正直なところ(環境負荷軽減の理由以外で)EVは”買うべきではない”クルマだとも言えそう。
EVは充電できるところが少ない
さらにラルフ・スペッツ博士は「すぐにEVの価格が下ることはない。少なくともあと3年~5年は(ガソリン車と同等の価格になるには)かかるだろう」とも述べ、現在の最大の課題は”充電ネットワーク”であるということについても言及。
たしかにこれは大きな問題であり、戸建てに住む人以外は自宅で充電することが難しく、戸建てであっても現在のEVの性能だと「EV1台で」やってゆくのは難しいかもしれません。
かといって外に出ると充電用設備が限られ、充電しようとしても(EVが増えれば増えるほど)他のEVが充電していたり、設備予約を行いにくくなるといった問題も。
その上「充電あたり航続可能距離が短ければ誰も買おうとは思わず、航続距離を長くしようとなるとバッテリーを大きくせざるを得ず、となると価格が高くなり、かつ充電時間も長くなる」ためにますますEV普及が遠のくであろうという現実にも触れており、EV普及にはまだまだ問題山積、といったところなのかもしれません。
ただ、それでもEVが自動車における「唯一の未来」であることは間違いなく、今はどんなに苦しくとも、各自動車メーカーはその未来に向かってゆくしか無いのでしょうね。