| しかもボルボは3点式シートベルトの特許を取りながら、業界と人々の安全のために特許を無償開放 |
ボルボが史上最大、およそ220万台にも及ぶリコールを実施するとの報道。
内容としては「シートベルト」で、フロントシートベルトを車体に取り付けるスチール製ケーブルに問題があり、特定の環境下や、特定の使用を行った場合、披露によって破損する可能性がある、としています。
万一破損するとシートベルトの保持力が弱まると報じられていますが、実際に報告された問題は今のところゼロ、もちろん事故もゼロ。
対象となるのは2006年から2019年に製造されたS60、S60L、S60CC、V60、V60CC、XC60、V70、XC70、S80、S80Lの10車種です。
このリコールは世界的に行われるとのことで、しかし今のところ日本の国土交通省には届け出がなく、追って(日本国内でも)なんらかの発表があるものと思われます。
3点式シートベルトはボルボの発明だった
なお、現在の自動車に採用されている3点式シートベルトはボルボが1959年に発明したものだそう(それまではベルトのように、腰に巻くだけだったので、上半身を固定できない)。
ボルボのエンジニアであるニルス・ボーリン氏が考案したとされ、ボルボが特許を取得したものですが、ボルボはこの発明を独り占めする気はなく、より多くの命を守るために無償にて公開することに。
それ以来、このシートベルトは100万人以上の命を守ったとされ、ニルス・ボーリン氏は「世界で最も多くの命を救った人物の一人」とも言われています。
ちなみにこちらはボルボ・カーズ・ジャパンが公開している、3点式シートベルトの開発風景(よくこんな映像が残ってたな・・・)。
この3点式シートベルトは、ドイツの特許庁に相当する機関によって、「1885年からの100年間(1985年まで)において、もっとも人類に貢献した8大発明」に認定されているそうですが、たしかにそれだけの価値は十分にありそうですね。
https://www.youtube.com/watch?v=6t_3nWbN3-8&feature=emb_logoなお、ボルボの(安全に関わる)発明はこれにとどまらず、「後ろ向きチャイルドシート(1972年)」「サイドエアバッグ(1994年)」「カーテンエアバッグ(1998年)」「横転保護システム(2002年)」「ブラインドスポットモニター(2003年)」「低速用追突回避・軽減オートブレーキ(2008年)」「歩行者検知機能月追突回避・軽減フルオートブレーキシステム(2010年)」というものがあり、その多くが現代のクルマには欠かせない装備ばかり。
ボルボはこういった発明によって「世界一安全なクルマ」としての評価を高めていったということになります。
今回のリコールについては、「現在のシートベルトを発明したメーカーが、シートベルト案件にて、過去最大のリコール」というものではありますが、ボルボはこれもまた"安全に対する自社の責任"だと考え、問題が発生していないにもかかわらずリコールに踏み切ったのかもしれませんね。
そう考えると、ボルボは高い責任を自覚しているということになり、「リコール」というネガティブな事象にもかかわらず、さらに「安全なクルマを作るメーカー」という評価を高めるのでは、とも考えています。
VIA: VOLVO, Reuters, Automotive News