| 第3世代のフォーミュラEマシンは回生性能が大きく向上、リアブレーキは「回生のみ」 |
そのデザインはある意味では「かなり攻めている」
さて、フォーミュラEが2023年から使用されることになる「第3世代(Gen3)」のレーシングカーを発表。
モナコのようにタイトサーキットでも「ホイールトゥホイール」バトルができるよう第二世代よりもコンパクトになり、そして角張った未来的なデザインを持っていて、最高速は322km/hをマークする「最速の」フォーミュラEマシンになる、と紹介されています。
なお、フォーミュラEのCEO、ジェイミー・ライグル氏によれば「このGen3はモータースポーツの常識を覆し挑戦し、パフォーマンス、効率、そして妥協のない持続性のベンチマークを設定します」とのこと。
フォーミュラE「Gen3」の出力は476馬力、重量は840kg
この第3世代のフォーミュラEマシンについて、新しいモーターの搭載によって出力は476馬力に達し、車体重量は第2世代よりも60kg軽量な840kg。
重量を軽減できた理由としては「回生効率が向上したためにバッテリーサイズを小さくできた」ことをあげており、実際にリアブレーキは(これまでの通常のブレーキが廃止され)回生ブレーキのみ。
回生システムはフロント250kW、リア350kWの容量を持ち、これによって「レース中に要するエネルギーの40%が回生ブレーキのみによって生成される」ことになります。
加えてジェイミー・ライグル氏は「フォーミュラEでは、他のモータースポーツとは異なり、ソフトウェアエンジニアリングがチームの新たな開発戦線となります。Gen3マシンの性能アップグレードは、ソフトウェアのアップデートとして提供され、マシンに組み込まれた先進のオペレーティングシステムにアップロードされます」とコメント。
フォーミュラEマシンは製造段階から環境に配慮
つまり、これまでのモータースポーツとは異なって物理的なアップグレードよりも、ソフトウエアによるアップグレードのほうがパフォーマンスに与える影響が大きいということになりますが、このほか「環境」を強く意識していることもフォーミュラEの特徴でもあり、新しく搭載されるバッテリーは”持続可能な方法で調達された素材”で製造されており、耐用年数が過ぎたのちにはリサイクルされるもよう。
第3世代のフォーミュラEマシンそのものもリサイクルされたカーボンファイバーにて構成され、これによって二酸化炭素排出量を10%削減することに成功した、ともアナウンスされています。
この新型フォーミュラEマシンは、2023年のフォーミュラE第9シーズンから参戦することになりますが、DSオートモービルズ、ジャガー、マヒンドラ・レーシング、マセラティ、NIO 333、日産、ポルシェAGの7社が参戦を表明ずみ。
フォーミュラEの創設者兼会長であるアレハンドロ・アガグ氏は「Gen3は、フォーミュラEとABB FIAフォーミュラE世界選手権の野心的な第3世代を象徴しています。モナコEグランプリでは世界中の目がモナコ公国に注がれており、モータースポーツの歴史的な地で2年間の製作期間を経てきたマシンを発表できることを誇りに思っています。このマシンを支えているフォーミュラEとFIAの素晴らしいチームに感謝します」とコメントしています。
ジャガーTCSレーシングは2023年テストカーを公開
そしてジャガーTCSレーシングは2023年シーズンに向けたテスト車両のカラーリングを公開(こちらのほうが第3世代フォーミュラEマシンのデザインがよくわかる)。
新しい第3世代のマシンのデザインからインスピレーションを受け「洗練された」モノトーンを採用したといいますが、JAGUARロゴのみではなくスポンサーロゴまでもが白黒で再現されており、これはこれでけっこうコース上で目立ちそう。※実際にレースを走る際のカラーリングは今年後半に公開の予定
こうやって見ると「三角」が強調されていることもわかりますね。
リアは戦闘機っぽく、なかなかに格好良いと思います。