| 当時、だれもこの目標が信じられないばかりか意味すら理解できなかっただろう |
当時のカリフォルニア州知事は先見の明があったとしかいいようがない
さて、カリフォルニアは「2025年にEVの販売台数を150万台にする」という目標を立てていたそうですが、この目標を2年前倒しで達成した、とのニュース。
カリフォルニア州のジェリー・ブラウン前知事は2012年にこの「2025年に150万台」という目標を立てていたものの、当時購入できるEVは日産リーフだけだったといい、その差異にこの目標を立てていたというのは先見の明があったとしかいいようがありません。
もともとカリフォルニアは環境にきびしい地域ではあったが
なお、カリフォルニアはアメリカの中でももっとも厳しい環境規制を敷いており、たしかに早くからEVの推奨、そしてEV専用レーンの設置や「複数人がクルマに乗ってないと走れない(一人でクルマに乗るのがムダという考え方)レーン」の導入などを行っていたものの、そもそも購入できるEVがなければこの目標も達成できないわけですね。
ちなみにテスラがモデルSを発売したのが2012年後半(この目標が設定された後)なので、ジェリー・ブラウン前知事の立案した「150万台」がいかにアグレッシブであったかがわかります。※その前にテスラは初代ロードスターを発売しているが、これは限定生産であり量販車ではない
よって、2012年までにカリフォルニアで販売されたEVというと、日産リーフにわずかのテスラ・ロードスター、GM(がリースのみで提供した、やはりわずかの)EV1くらいしかなく、よって累計販売台数は”数千台”にとどまっていたそうで、当時(ジェリー・ブラウン前知事以外は)だれも「まさかEVの販売が150万台になろうとは」考えていなかったかもしれません。
2023年におけるカリフォルニアのEV比率は21%
そしてさらに驚かされるのは2023年第1四半期を終えた時点でのカリフォルニア州でのEV販売比率が21%にも達したという事実で、これはもちろん全米トップ。
(2022年通年における)米国全体のEV販売比率は5.1%であり(それでも昨年や一昨年の1〜2%から大きく上昇している)、この数値を見るに、いかにカリフォルニアでEVが売れているかがわかろうというものですが、アメリカ全体で売れたEVの40%がカリフォルニアに集中しているというので、とにかくカリフォルニアではEVが支持されている、ということになりそうですね。
参考までに、2020年には現カリフォルニア州知事、ギャビン・ニューサム氏が「2035年までにガソリン車の新規販売を禁止する」という目標を示し、EPA(アメリカ合衆国環境保護庁)は最近、2032年までに米国内の自動車販売台数の3分の2を電気自動車にするという新しい計画を打ち出しています。
こういった計画を見ると、EV市場は拡大の一途であり、ガソリン車とは異なって「シェアの食い合い」ではなく、理論的にはすべてのEVの販売が伸びる可能性もあるわけですが、ここが「星の数ほどのEVスタートアップが誕生する」理由なのかもしれません。
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参照:Electrek