| このジョセフ・カバン氏ほど極端な扱いを受けた人物も珍しい |
できることならばMGにてその名誉を挽回してほしいものである
さて、上海汽車(SAIC)傘下にあるMGが「デザイナーとしてジョセフ(ヨゼフ)・カバン氏を獲得した」と発表。
このジョセフ・カバン氏はかつてブガッティ在籍時代にヴェイロンをデザインしたことでも知られ、その後に(親会社の)フォルクスワーゲンの主任デザイナーへと抜擢されるも、そこでデザインしたID. Lifeがフォルクスワーゲンの取締役会とトーマス・シェーファーCEOの不評を買ってしまい、そこでデザインを解任されて閑職へと追いやられた人物です。
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参考までに、その後任は(同じVWグループ内の)ベントレーにてデザイナーを務めていたアンドレアス・ミント氏で、同氏は現在でもVWにてその手腕を発揮しています。
ジョセフ・カバン氏はこんな人物
ジョセフ・カバン氏はロンドンのロイヤル・アカデミー・オブ・アートの卒業生で、アウディ、BMW、ロールスロイス、そしてブガッティとフォルクスワーゲンにて経験を積むものの、上述の通りフォルクスワーゲンではデザイナー職を奪われ、解雇こそされなかったものの、ドイツのポツダムにあるVWのフューチャー センターヨーロッパへと左遷され、そこで新たに創設されたクリエイティブ アートディレクターとしての役割を与えられています。
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そこではフォルクスワーゲンブランドのモビリティソリューションの開発というよくわからない業務を割り振られたといい、つまり同氏はデザイナーとして相当にネガティブな評価が与えられたのだと思われます。
そういった経緯を経てジョセフ・カバン氏はMGへと移ったわけですが、MGを所有する上海汽車(SAIC)はフォルクスワーゲンとの合弁企業を設立している仲でもあるので、もしかするとSAICとVWとの間でなんらかのやりとりがあったのかもしれません。
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ただ、ジョセフ・カバン氏にとってこの移籍はひとつのチャンスでもあると考えられ、というのも今年はMGにとって100周年という記念すべき年でもあり、昨年には注目度の高い「サイバースター」を発表したうえ、直近では「地上最速」を目指すEXE181コンセプトを発表したばかり。
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さらにMGは欧州で販売される中国車のうち70%程度を占めるという高いシェアを誇っており、つまりは現在そうとうな勢いにて勢力を拡大しているブランドということに。
ジョセフ・カバン氏が新しく与えられたのはSAICデザインのグローバル デザイン担当副社長というポジションで、このSAICデザインは10,000人以上のチームを擁する同社のR&Dイノベーション本部の一部であり、SAICの抱える全ブランドポートフォリオの製品設計を主導する中核部署なのだそう。※SAIC自体は中国最大の自動車メーカーのひとつである
よって同氏はこの役割において、デザインチームと協力して世界中の顧客にアピールする新しい車両を開発しSAICの競争力を維持する責任を負いますが、彼の専門知識と経験はさらにMGのプレゼンスを強化する可能性が非常に高く、汚名をそそぐひとつの機会となるのかもしれません。
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