参照:Bugatti
| ブガッティは華々しく自動車シーンに登場するもその後没落、その後は分割されて買収や商標の売買を経験している |
そして近年、ここまで華麗に復活した自動車ブランドも珍しい
さて、ブガッティがドイツの企業家フリードヘルム・ローハの自動車コレクションを博物館にした「ナショナルオートミュージアム」にて、11月8日と9日との2日間、”ブガッティの歴史的な発展と本質的なデザインの進化についての経験や知識を掘り下げる”というイベントを開催。
ここでは元ブガッティデザインディレクターのアキーム・アンシャイトを含む数々の専門家が登場し、エットーレ・ブガッティの有名なマントラ「比較できるものが存在するようであれば、それはもはやブガッティではない」がいかにしてこれまで実践されてきたかを歴史的な観点と現代の視点の両方から探ることとなるのだそう。
ブガッティの開催するイベントではこんな内容が含まれる
このイベント(参加費用45万円くらい)では、ブガッティファミリーの歴史、芸術的なメンバーの仕事、AIが車のデザインに与える未来の影響、そしてそれがブガッティの伝統的なエンジニアリングの価値とどのように統合できるか、さらにブガッティの120年の旅の物語についての洞察が議論されることに。
現代の写真、オリジナルの文書、そして本物のデザイン図面を活用し、モルズハイム(ブガッティ本社)の伝説的な工場が培ってきた精神を蘇らせるといい、第二次世界大戦後のブランドの苦難の悲劇的な背景、シュルンプフ兄弟とそのブガッティコレクションの重要性、ロマーノ・アルティオリの下でのブランドの復活、そして(フォルクスワーゲングループの会長であり、ブガッティをVWへと引き入れた)フェルディナンド・カール・ピエヒのもとで行われた印象的なW16エンジンの構築と現代のブガッティ時代の始まりについても触れるというので、ブガッティの始まりから現在までの「すべて」がここで示されることになるのかもしれません。
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ブガッティ・ヴェイロンの計画は、VW会長が来日して列車で移動中に書いたメモから始まっていた!そのメモが公開に
| 往々にして天才は「思いつき」を実現する | https://www.flickr.com/photos/110074903@N02/49778791641/in/album-72157713879 ...
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参考までに、フリッツとハンス・シュルンプフ兄弟は、ブガッティの故郷(フランスのアルザス)に密接に結びついた繊維大手会社の経営者で、彼らは100台以上のブガッティを含む大量のクルマを集めており、その秘密のコレクションは兄弟が1977年に起訴を逃れてフランスからスイスへ逃げた際に当局によって押収され、彼らは後に詐欺および横領で有罪判決を受け、会社の資金を使ってコレクションを購入していたことが明かされています。
ブガッティは非公開のデザインも一気にリリース
そして今回、ブガッティは2004年から2023年にかけて未発表のデザインモデルの図面や写真を公開するといい、アキーム・アンシャイトは(当時)ヴェイロンを補完する、あるいはその後継モデルとなりえた第二のモデルシリーズの開発に向けた努力を振り返り、最終的なブガッティ・シロンのデザインに至るまでの道のりを説明することになる、とも。
ちなみにシロンの開発には8年を要していますが、その過程では様々なデザイン案が検討されたようで、しかし「センターライン」を重視していることもわかりますね。
中には「完全に未来に行っている」もの、おそらくはジウジアーロが手掛けたんじゃないかと思えるものも。
そのほか「もっとも美しクーペ」、ブガッティ タイプ57Cアトランティックの再解釈や2014年のビジョン・グランツーリスモ・プロポーザルのレンダリング、(当時VWグループのデザインを統括していた)ワルター・ダ・シルバが設計した2018年のT35オマージュの新しい画像なども公開され、これまで消して表に出なかった「秘話」を聞くことができそうです。
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さらに現在のブガッティ・リマックCEO、メイト・リマック氏もこのイベントに参加するといい、トゥールビヨンに関する話も語られるもよう。
「ブガッティは並外れたブランドです。エットーレやジャン・ブガッティからロマーノ・アルティオリ、フェルディナンド・ピエヒに至るまで、並外れた人々によって創造され、育てられ、促進されてきました。この特別なイベントでは、ローハコレクションの貴重なブガッティの遺物に支えられながら、そうした特別な物語を明らかにする手助けができるでしょう。」
ブガッティ・リマック CEO メイト・リマック
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