| つい数年前まではこの状況を誰も予測すらできなかった |
そしてここからの数年も「誰にも予測できない」のかもしれない
さて、全世界的なEV需要の減退を尻目に”中国のEV販売は増加の一途といった状況”ですが、これによって中国のガソリン消費量が2020年末にかけて毎年4〜5%減少すると見られているもよう。
参考までに、現在は中国で販売される新車の半分以上が電気自動車またはハイブリッド車(NEV)といった状況で、それらの登録台数は2021年以降に3倍へと増加しています(2020年に比較し、この4年でNEVの販売は8倍に増加)。
中国は世界の石油の需要における約1/5を占めている
そしてもう一つ参考までに、中華人民共和国は世界の石油需要のほぼ4分の1(25%)を占めていて、そしてこれが減少に転じるということは石油産業にとっては「大きな痛手」。
石油需要の減少は常に予測されていたものの、中国の電気自動車ブームの拡大が「予想外に速い」のと同様、多くの専門家が予想していたよりもはるかに速いペースで石油に需要が減少し、ここからは「更にその速度が速まる」という可能性を示唆しています。
そして驚くべきことに、(新車販売ではなく)中国で現在走行しているクルマの10台に1台は電動車という状況で、現在の販売率を考慮すれば2027年までにその比率は倍増し、2040年代には100%に達する可能性があるという試算がオックスフォードエネルギー研究所の中国研究者アンダース・ホーブ氏によって示されており、となると2040年辺りには(中国だけではなく他の国や地域でのEV販売が加速しているはずなので)石油の消費量が大きく減少し石油業界に壊滅的な影響を与えることとなるのかもしれません。
加えてアンダース・ホーブ氏は「中国の軽自動車向け石油需要が現在の1日350万バレルから2040年までにわずか100万バレルに急落する」と予測しており(自動車以外にも石油の需要が存在するのでゼロにはならない。加えてPHEVにはガソリンが必要である)、しかし現時点での正確な予測は不可能なのだと思われ、このあたりはさらなる現状の確認と試算が必要になるものと思われます。
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