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カナダ・オンタリオ州、スピードカメラを全面禁止。「金儲け装置」と州首相が批判したためオービスがすべて撤去

カナダ・オンタリオ州、スピードカメラを全面禁止。「金儲け装置」と州首相が批判したためオービスがすべて撤去


| オンタリオ州、スピードカメラを「金儲け装置」と断罪し全面撤去へ |

「オービス撤去」はドライバーにとっては朗報ではあるが

カナダ・オンタリオ州政府が州内すべての自動速度取締りカメラ(スピードカメラ)を撤去すると発表。

撤去は今後2週間以内に完了予定で、これは極めて異例の対応だと思われますが、その原因となったのは州首相ダグ・フォード(Doug Ford)氏がこれを「時代遅れの金儲け(cash grab)」と批判したため。

代わりとして、今後はスピードバンプ(減速帯)やラウンドアバウト(環状交差点)などの物理的な交通抑制策が導入される予定だといい、同州の「スピード違反対策」が大きな転換期を迎えることとなりそうです。


なぜ今になって禁止に?背景には「安全よりも収益重視」との批判

長年スクールゾーンや住宅地に設置されたスピードカメラは「交通安全のために有効」と一部に支持されていたものの、一方で多くのドライバーは「単なる罰金稼ぎだ」と不満を募らせていたとも報じられ、フォード州首相は以下のように述べています。

「スピードカメラは実際の速度抑制に効果がなく、ドライバーに後から罰金を押し付けるだけだ。」

また、近年カメラへの破壊行為や vandalism(器物損壊)が増えていたことも、撤去の決断を後押しした、とのこと。

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◆ 法案は「レッドテープ削減法案」に盛り込まれ可決、議論は最小限

このスピードカメラ禁止法案は、CBCの報道によると「レッドテープ削減法案(Red Tape Reduction Bill)」に組み込まれる形で可決され、そのため、公聴会もなく短時間で成立した点には一部で批判の声も上がっているといい、法案では、カメラ撤去後の安全対策として、
・スピードバンプ
・ラウンドアバウト
・フラッシングサイン(点滅式速度標識)
などの設置が明記されているものの、導入時期は未定なのだそう。


◆ 「安全性の空白期間」に懸念の声も

スピードカメラ撤去に賛同するドライバーも多い一方、交通安全の空白期間を懸念する声もあり、オンタリオ新民主党(NDP)のリーダーであるマリット・スタイルズ氏は、CBCの取材に次のように警告を行っています。

「スピードを抑制する方法はいくつもありますが、この空白期間に子どもや歩行者が事故に遭うようなことがあれば、その責任はすべて州首相にあります。」

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複数の研究では、スピードカメラが事故率を下げる効果を持つとされており、今回の決定は「性急すぎる」との批判も根強くあるそうで、今回の「オービス撤去」については様々な意見が飛び交い、ほかの自治体にとってもひとつの参考となるのかもしれません。


◆ 「費用はどうするのか?」財源にも疑問

スピードカメラ撤去によって、州や自治体が得ていた罰金収入は消滅し(それがいくらなのかはわからないが、これだけ問題になるのであれば、相当な額であろう)、その一方で新しい交通抑制設備には多額の設置費用がかかります。

フォード州首相は「州が資金援助を行う特別基金を設立する」と述べたものの、現時点で財源や予算規模は未公表だとされ、スピード対策ともども続報が待たれるところでもありますね。

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◆ 結論:「安全」か「自由」か、道路政策の岐路に立つオンタリオ

オンタリオ州の決断は他地域の動きとは対照的で、米国メリーランド州では違反度合いに応じて最高425ドルの罰金が科される新制度を導入するなど、むしろスピードカメラの厳格化が進んでいます。

スピードカメラ全面撤去という決断は、ドライバーにとって朗報かもしれませんが、道路安全をどう確保するのかという課題は残されたままで、「取り締まりのためのカメラを撤去し、物理的手段で速度を抑える」という新たなアプローチが成功するかどうか、今後数カ月が試金石となりそうですね。

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参照:CARSCOOPS, CBC

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