| それだけの価格帯を購入する人がまだそんなにいるとは思えないが、アストンは自信がありそうだ |
アストンマーティンがその4ドアサルーン「ラピード」を販売終了にする、との報道。
これはオーストラリアのカーメディア、Motoringが報じたもので、ブランド初となるSUV「DBX」そしてラゴンダブランドより登場するニューモデルがその地位を引き継ぐ、としています。
なお、ラピードは2010年に登場しており、昨年には「ラピードAMR」そして今年には「ラピードE」が発表されたばかり。
アストンマーティンはいつも攻めの姿勢を忘れない
アストンマーティンCEO、アンディ・パーマー氏によると「DBXは年間5,000台までの生産に留める。それ以上のいかなる需要があろうともだ」と語っており、その生産を絞ることで希少性を維持する方向性を示しています。
なお、アストンマーティンにおける2018年の総販売台数はトータルで5,117台なので、「DBXだけで5,000台」というのは非常に多い数字。
これには、おそらくランボルギーニが「ウルス」を発売することでその販売台数を容易に倍にしてしまいそうな状況を見ての判断があると言えそうです。
なお、最近は「ブランド初」のSUVが多く、ちょっと前はベントレー・ベンテイガそしてマセラティ・レヴァンテ、当のランボルギーニ・ウルス、ロールスロイス・カリナン。
いずれも非常に高価なSUVですが、今まではこの価格帯が「空白」で、そこへどっと多くのSUVがなだれ込み、それでもまだ市場は飢餓状態にあるというのが恐ろしいところ。
いったいどこにそんな需要があったんだと思いますが、今ここを狙わないと「損」だとどこのメーカーも判断しているのかもしれませんね(この市場に今回のアストンマーティンDBX、フェラーリ”プロサングエ”が加わることに)。
新生ラゴンダの登場は2023年
そしてラゴンダの方ですが、これは現時点で「ヴィジョン・コンセプト」そして「オールテレーン・コンセプト」が公開されたに留まります。
両方とも4ドア(5ドア)を持つクロスオーバーといった感じですが、アストンマーティンはこちらのラゴンダについて「3,000台/年に限定」とコメント。
アストンマーティン「ラゴンダ・オールテレーン・コンセプト」発表。デザインイメージは「ヨットとコンコルド」、自動車史上最大の革命と胸を張る”運転しない”アストンマーティン
現時点ではラゴンダの価格は不明ではあるものの、直近の「ラゴンダ・タラフ」の価格が1億円オーバーであったこと、そしてラゴンダは「ゼロ・エミッションの超高級ブランドとして再出発」とアナウンスされていることを考えると、少なくともロールスロイス・カリナンと同じか「それ以上」の価格となりそう。
その価格帯のクルマが年間3,000台も売れるのかどうかわかりませんが、アストンマーティンは「ラゴンダ・タラフ」を販売してきた経験上、なんらかの手応えがあるのかもしれません。
なお、ラピードについては販売台数が思ったよりも伸びず、アストン・マーティンの限定モデルを入手しようと考えた場合、「ラピードを購入すれば、限定モデルを購入できる”当選”確率が上がる」とまで(公式にて)言われたほど。