| 果たしてイケてるのか?アストンマーティンDBX |
アストンマーティンCEO、アンディ・パーマー氏によると「DBXは間違いなく、これまでのアストンマーティン史上でもっとも重要なクルマになる」とのこと。
そして「我々は、この”世界で最も美しい”SUVにハートとソウルを与え、何よりも重要なのは”本物のアストンマーティンであること”だ。このクルマは超高級車市場において我々のポジションを大きく変える。メインターゲットは中国と北米だが、ここに与えるインパクトはこれまでのどのクルマよりも大きい」と述べています。
アストンマーティンの成長は鈍化傾向
なお、アストンマーティンはここ1年ほどでその成長が鈍化していて、おそらくはDB11やヴァンテージといった新しいモデルが「行き渡り」、買い替え需要が生じていないためとも思われます。
加えて、アストンマーティンの性質上、「現行ラインナップを複数台揃える」というオーナーも考えにくく、よってDBXはこれまでと全く異なるオーナーを掘り起こしたり、既存オーナーに買い増しという行動を起こさせるには十分で、鈍化した成長を再び活性化できる可能性もありそうですね。
超高級SUV市場は急速に拡大中
さらにアンディ・パーマーCEOはベントレー・ベンテイガを例に出し、「ベントレー・ベンテイガが存在しなかった4年前、超高級SUV市場はゼロだった。誰もがそこにチャンスがあるとは思わなかったはずだ。だが、ベンテイガが登場し、ランボルギーニ・ウルス、ロールスロイス・カリナンがそこへ加わることでマーケットは拡大している。供給を行うことで、マーケットを創出できるということだ」。
たしかにこれには一理あり、まだまだ超高級SUVマーケットは成長の可能性があるものの、そこでアストンマーティンがどれだけ競争力を発揮できるのかはまだまだ未知数。
アストンマーティンは良くも悪くもデザインの方向性が(どのクルマも)似ており、現在のDB11やヴァンテージのデザインに食傷気味というのが現在の販売スローダウンの一因だとすれば、たとえボディタイプの異なるSUVだとしても、DBXに新鮮味が感じられない、という懸念もあるわけですね。
ただ、もちろん大きなヒットとなる可能性もあり、実際に売れるかどうかは「出してみないと」わからない、というのが実情です。
現在のところ、ベンテイガ、カリナン、ウルスについては「すべてヒット」ですが、そこへ「失敗したのはDBXだけ」という不名誉な状況を作るわけにもゆかず、アストンマーティンにとっては相当なプレッシャーがかかっているのかもしれません。
なお、SUVが業績に与えるインパクトはポルシェ・カイエン/マカン、ランボルギーニ・ウルスを見てもわかる通り。
ポルシェにおいてはSUVラインアップが全体の61%を占めるに至っており、ランボルギーニにおいては「ウルス発売初年度」ですでにウルスの比率が60%に達している、と報じられます。