| おそらくEV時代のベントレーは「凄まじい」スペックを持つことになるのかも |
ある意味ではラグジュアリー、そしてスポーツの概念を変えてしまうクルマとなりそうだ
さて、ベントレーは2024年4月をもって伝統のW12エンジンの生産を終了させると発表していますが、今回はベントレーCEO、エイドリアン・ホールマーク氏がカーメディアに対し2026年に発売するベントレー初のEVについて、いくつかの興味深い事実を語っています。※もともと2025年発売の予定だったが、グループ内のソフトウエア開発会社”カリアッド”のソフト開発遅延によって2026年に延期されている
なお、ベントレーはW12に続きV8エンジンの生産も終了させ、2030年には「ピュアエレクトリックのみ」のラインアップに移行することをすでに公表済みであり、そのための準備を現在着々と進めているということになりそうです。
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ベントレーのEVはガソリンエンジンの1.5〜2倍のパワーを放出
まず、エイドリアン・ホールマーク氏によれば、ベントレー初のピュアEVには2種類のバッテリーパックがあり、このうち容量が大きい方には現在のベントレーにおける最もスポーティーな「Speed」のグレード名が与えられるもよう。
そしてエイドリアン・ホールマーク氏は、このEV版Speedのパワートレーンについて「エレクトリック版W12」とも表現していますが、驚くべきはW12エンジンに比較して1.5〜2倍のパワーを持つと語っていること。
なお、現在ベントレーで最も強力なW12エンジンはバトゥールに積まれる740馬力バージョンですが、これを基準にすると1,000馬力〜1,500馬力という出力を持つEVが同社から登場するということを意味します。
実際のところ、ベントレーはちょうど1年ほど前に「1,400馬力、0−100km/h加速が1.5秒」のEVを実現することも可能であると述べていて、当時の話は絵空事ではなく「現実味のある話であった」と考えてよく、これが実現すれば「加速において」ベントレーは世界トップレベルのパフォーマンスを誇ることになるのかもしれません。
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一方、ベントレーのEVは十分な航続可能距離を確保
さらに今回、エイドリアン・ホールマークCEOはその航続距離についても触れていて、一回の満充電あたり560km〜730km程度の走行が可能になるとも話しており、となるとかなり大きなサイズのバッテリーを積み、ベントレーのEVは「相当に重い」クルマとなるのかも。※これだけのパワーを持ち、重量があるとなれば”タイヤに厳しい”クルマであることは間違いない
ただし充電については「残量10%から80%まで」を20分で充電できるとも主張しているので、この実現のために(ベントレーと同じくフォルクスワーゲングループに属する)ポルシェが新型EVに使用するというシリコンバッテリーを(ポルシェと)共有する可能性が高いと見ています。
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そしてスタイリングについてもヒントが与えられ、「新世代EVの車体サイズはベントレーのままで、つまり堂々とした大型車になる」とも述べており、「私たちの仕事はベントレーを作ることであり、ベントレーのバッジを付けたBEV(バッテリーEV)を作ることではありません」とも。
ただしより長い航続距離を実現するためにエアロダイナミクスを追求する必要があって、そのためには「いくつかの妥協」があるとも述べており、「フライングB」エンブレムやそびえ立つグリルにはなんらかの変更が与えられることになるのかもしれません。※バトゥールはEV世代のデザインを先取りしたものだとアナウンスされている
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そしてちょっと興味深いのは、エイドリアン・ホールマークCEOが合成燃料(Eフューエル)について触れていることで、同氏によれば「とてもエキサイティングであり、技術も成熟していると考えているが、化石燃料を完全に置き換えるために必要な生産能力は、まだまだ先の話である」。
しかしながらベントレーは(上述の通り)2030年には完全なるエレクトリックブランドへと移行する計画を持っており、よっていかに合成燃料が普及したとしても、内燃機関を存続させることは「ない」ものと考えられます。
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参照:Autocar