
Image:Lancia
| ランチアの歴史は他の自動車メーカーが持ち得ない豊かなものである |
なんとしてもその復活を期待したいところではあるが
イタリアの名門ランチア(Lancia)が、2026年で創業120周年を迎えることに。
これを記念し、ベルギー・ブリュッセルのオートワールド・ミュージアムにて特別展「Lancia 120 Years – Innovation Through Italian Design」が開催されており、その目玉は、トリノのヘリテージ・ハブから特別に貸し出されたWRCの絶対王者「デルタ HF インテグラーレ 16V Gr.A」。
ラリーの歴史を塗り替えた実車を間近で見られる、ファン垂涎のイベントとなっています。
この記事の要約:
- 120年の歴史: 1906年の創業から現在に至るランチアの革新とデザインを辿る
- 伝説の実車: ユハ・カンクネンが1991年シーズンを戦った「デルタ HF インテグラーレ」が登場
- 技術の先駆者: 世界初のモノコック車「ラムダ」や、初のV6搭載GT「アウレリア」も展示
- 開催期間: 2026年2月27日〜4月19日まで。ブリュッセルの「パレ・モンディアル」にて開催
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ランチアが誇る「革新」と「モータースポーツ」の二重奏
今回の展示は、キュレーターのレオ・ヴァン・ホーリック氏によって選ばれた12台の名車を通じ、ランチアの2つの魂を浮き彫りにしています。
一つ目は「技術革新とデザイン」。1922年の「ラムダ」は、現代の車の標準であるモノコック構造(自立式ボディ)を世界で初めて採用した革命的な一台です。
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そしてもう一つは「モータースポーツへの情熱」。ストラトス、037、そしてデルタ。数々のタイトルを獲得した実車が、写真では伝わらない圧倒的な存在感を放ちます。
展示の見どころとデルタの衝撃
1. WRCの象徴:デルタ HF インテグラーレ 16V Gr.A
展示のハイライトであるこの車両は、1990年に工場を出荷された本物のグループAマシン。
- 実績: 1987年から1992年まで、WRC(世界ラリー選手権)で前人未到の6年連続マニュファクチャラーズ・タイトルを獲得
- 1991年モデル: 展示車はユハ・カンクネン/ユハ・ピイロネン組が1991年にタイトルを獲得した際の実車。ニュージーランド・ラリー2位、ポルトガル・ラリー4位などの功績を刻んだ一台
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デルタ HF インテグラーレ 16V 主要スペック
| 項目 | スペック |
| エンジン | 1995cc 直列4気筒 16バルブ ターボ |
| 最高出力 | 295 hp @ 7,000 rpm |
| 最大トルク | 402 Nm @ 4,500 rpm |
| 車重 | 1,100 kg |
| パワーウェイトレシオ | 3.73 kg/hp |
| 最高速度 | 215 km/h |
滅多に見られない貴重なプロトタイプ
イタリアのカロッツェリアとの深い絆を示す、非常に珍しいモデルも展示されています。
- 1956年 フロリダ(4ドア): ピニンファリーナによる優雅なボディワーク
- 1952年 PF200: 彫刻のような美しさを誇る逸品
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イベント情報:Lancia 120 Years
- 展示名: Lancia 120 Years – Innovation Through Italian Design
- 会場: オートワールド・ミュージアム(ブリュッセル、パレ・モンディアル内)
- 期間: 2026年2月27日 〜 4月19日
- 特別協力: Stellantis Heritage(ステランティス・ヘリテージ)
結論:30年経っても色褪せない「ランチアの魔法」
1992年のタイトル獲得から30年以上が経過した今もなお、デルタ HF インテグラーレはその輝きを失っておらず、今回の展示はランチアがいかに時代の先を走り、そしてレースの現場で技術を磨き上げてきたかを証明するかのよう。
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トリノの「ヘリテージ・ハブ」から遠くベルギーまで運ばれたこの名車たちは未来のランチアが目指す「美と革新の融合」を示唆する生きた教科書ともいうべき存在ですが、ランチアは「ラムダ」のように世界初のモノコックボディを実用化したほか、V6エンジンの考案、さらには様々なラリーカーで知られるように「技術革新」と「モータースポーツ」によって自動車業界を牽引してきた会社。
現在は残念ながらその存在感が薄くなってしまったものの、再びその輝きを取り戻すことを願わんばかりです。
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知っておきたい豆知識:ステランティス「ヘリテージ・ハブ」
今回、デルタを貸し出したのは、イタリア・トリノのミラフィオーリ地区にある「Stellantis Heritage Hub(ステランティス・ヘリテージ・ハブ)」*。
ここはランチア、フィアット、アバルト、アルファロメオの歴史的車両が数百台規模で保管・修復されている、まさに「イタリア車の宝物庫」。
一般公開もされており、チケットを購入すれば誰でも見学可能です。
今回のブリュッセルでの展示を逃してしまった場合、イタリアへの聖地巡礼を検討してみてもいいかもしれませんね。
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参照:Stellantis


















