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マクラーレンがカスタマーレーシングカー「720S GT3 EVO」を発表!表彰台常連マシンがさらにアップデート、720S GT3は2023年のデイトナでも表彰台を獲得

2023/02/18

マクラーレンがカスタマーレーシングカー「720S GT3 EVO」を発表!表彰台常連マシンがさらにアップデート、720S GT3は2023年のデイトナでも表彰台を獲得

| やはりレースに勝とうと思うとマクラーレンを選ぶのが近道なのかもしれない |

すでに720S GT3を所有しているチームもこの「EVOスペック」にアップデート可能

マクラーレンが新しいカスタマーレーシングカー「720 S GT3 EVO」を発表。

これはその名のとおり720SをベースにしたGT3クラスに参戦するためのレーシングカーで、2018年に発表された第1世代に続く「第2世代」となっています。

このGT3クラスはFIA(国際自動車連盟)によって2005年に設定されたものですが、市販車ベースのレーシングカーを使用して戦われ、ホモロゲーションを取得することで世界中での20以上のレースシリーズに参戦することが可能となります。

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そのアップグレードは主にエアロパッケージと足回りに集中

今回のマクラーレン720S GT3 EVOにつき、そのアップデートは主にエアロパッケージと足回りに集中しており、これはそもそものベース車両である720Sのフェイスリフトが行われていないから、という事実が関係しているのかも(ただしそろそろフェイスリフトを迎えるという噂もある)。

そしてカスタマーカーの常として、第1世代のマクラーレン720S GT3のオーナーはこの「EVO」へとアップグレードできるといい、これはつまり「車両を買い換えなくても最新の状態に保つことができる」ということを意味しており、カスタマーチームにとってはありがたいことこの上ない対応だと思われます。

さらにいえば、常に(そのチームが)上位にいるためには、絶え間ないアップグレードを行ってくれるメーカーのマシンを選ぶ必要があり、その点マクラーレンは申し分ないメーカーなのかもしれません。

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そしてカスタマーチームに選ばれたマシンが多ければ多いほど、その自動車メーカーはより多くのデータを収集することが可能となり、そしてさらに優れたアップデートを行うことができるわけですが、マクラーレン720S GT3は多くのチームに選ばれているGT3マシンであるため、より多くのデータを収集できるというサイクルを確立できており、さらに高い支持を集めるという好循環を確立できているといいます。

今回発表されたマクラーレン720S GT3 EVOの改良内容について、ボディワークだとフロントバンパーとスプリッターにクイックリリースファスナーを採用し、素早く脱着できるよう改良されており、これは耐久レースを走る上で非常に重要なことであり、さらには形状を変更することでダウンフォースを向上させつつも空力的な効率も高めたようですね。

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さらに全体のバランスは前方にシフトし、トラフィックにおいてより一貫性のある”予測可能な”マシンになったといい、フロントフード上のガーニッシュもバランス改善に貢献しつつもエンジンの冷却効果を高めている、とのこと。

加えて補助ランプの位置も変更され、耐久レースにおける夜間走行時の時視認性が向上してることもカスタマーチームにとってはありがたいところだと思います。

リアセクションだと、ウィングのパイロン機構を調整しやすくし、リアウィングガーニーの位置を上げることで全体のバランスを崩すことなくダウンフォースを増強するなど、より効率性が高まり、調整範囲も広くなっているようですね。

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足回りでは高周波ピストンと車高調整が可能なTTX40オーリンズ製4ウェイ・アジャスタブル・ダンパーが新たに採用され、フロントとリアのアッパーウィッシュボーンも新しくなり、フロントウィッシュボーンはタイヤマネージメントに貢献するアジャスタブルタイプに、リアはアップライトの変化に対応するジオメトリーへと改良されることに。

さらにはアップライトそのものも新しくなり、フロントユニットにはピットタイム短縮にもつながるボルト止めのブレーキキャリパーが採用されたほか、ブレーキではディスクを長持ちさせるためにクローズドフェイスベルを装備することで摩耗を抑え(そのぶんピットストップの回数が減る)、さらにトラックロッドクレビスを新たに内蔵してマシンの堅牢性を高めており、リアの新しいアップライトは、タイヤ戦略の選択肢を増やすためにジオメトリーが改善されているとされ、まさに「実戦に対応した」実用的な改良が施されていることもわかります。

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マクラーレンオートモーティブのモータースポーツディレクターを務めるイアン・モーガン氏によれば、「マクラーレン720S GT3は、4年前のデビュー以来、GT3レースで素晴らしい成功を収め、ガルフ12時間レースで数時間にわたってレースをリードしてきました。それ以来、多くのレース勝利とチャンピオンシップを記録し、最近では昨年、アジアン・ル・マン・シリーズ、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権、GTワールドチャレンジ・ヨーロッパでタイトルを獲得し、2023年はデイトナ24時間レースでの表彰台で幕を開けました。その間、我々はカスタマーレーシングチームと密接な関係を保ち、彼らの提案の多くを新しいEVOパッケージに取り入れ、性能の一貫性と整備性を向上させ、マクラーレン720Sが今後何年にもわたってGT3レースでペースを維持することを確実にしているのです」と延べており、カスタマーチームの間ではこれまで以上に「レースに勝とうと思うならばマクラーレンしかない」という判断が働くことになりそうですね。

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