時代が変われどもブガッティはブガッティ
レンダリングアーティスト、Hao Hu氏の考えた未来のブガッティ、「タイプ100」。
スペックについての記載はなく詳細は不明ですが、そのアグレッシブなルックスからすると「高級」路線ではなく「ディーヴォ」のようなスポーツ路線に振った車だと思われます。
ブガッティの「伝統」とは?
ブガッティは1909年に創業された、現存する自動車メーカーとしては「かなり古い」部類。
設立者のエットーレ・ブガッティは生まれこそミラノのイタリア人ですが、のちにフランスに移住してブガッティを設立(今でもブガッティ本社はこの創業の地と同じモルスハイム)しています。
ブガッティは創業当初からエンジンに強みがあり数々のレースで優勝していますが、市販車における名称は「タイプ35」「タイプ55」といった感じで「タイプ(T)」という名称が用いられるのが一つの特徴。
しかしながらしばらくして経営が傾くこととなり、1987年にはイタリア人の実業家、ロマーノ・アルティオーリ氏が経営権を取得。
この時に発売されたのが「EB110」で、この「EB」とはブガッティ創業者の「エットーレ・ブガッティ」の頭文字、「110」はエットーレ・ブガッティの生誕110周年を表したもの。
この時代から「EB」のロゴが採用されたようで、これは経営権が変わったのちにも引き続き採用され、ヴェイロンやシロンにも表示されていますね。
さらにその後1998年にフォルクスワーゲングループに買収されて現在に至りますが、ここでは「ヴェイロン」「シロン」「ディーヴォ」を発売することに。
EB110、ヴェイロン/シロン/ディーヴォは初期の「タイプ」という名称を引き継いでいないものの、それでも伝統として残るのは「赤い楕円にBUGATTI文字が入る」エンブレム、そして「ホースシュー=蹄鉄」型のフロントグリル。
なお、「ヴェイロン」はかつてブガッティ・タイプ57を駆り活躍したピエール・ヴェイロン、「シロン」もやはりブガッティに乗って数々のレースでその名を轟かせたルイ・シロン、「ディーヴォ」もやはりブガッティにてタルガ・フローリオを制したアルベール・ディーヴォから取られており、命名法則は変われども、ブガッティの歴史に敬意を払っている、ということに。
そして今回のブガッティT100ですが、「タイプ」を表すTを復活させ、フロントグリルにはホースシュー、リアには「EB」ロゴといった感じでブガッティの歴史がてんこ盛り。
この車の想定ユーザーとしては下記の通りに定められています。
- 45歳、イタリア人男性
- 腕時計コレクター
- 妻は女優
- 著名建築家
- ポルトフィーノ(イタリアの高級リゾート地)在住