| SSCは過去にも「世界最速」記録を樹立した実績がある |
さて、アメリカのスーパーカーメーカー、SSC(シェルビー・スーパー・カーズ)がその最新モデル、トゥアタラにて世界最速記録を達成したのでは?というニュース。
この話はもともと数日前に出ていたもので、その際は「どうやらSSCトゥアタラが世界最速を記録した」というウワサに始まり、しかしいくつかのカーメディアがSSCに確認したところ「そういった計画もあるが、実際に記録を更新したという事実はない」というコメントが返されています。
ただ、今回はアメリカの地方局が「SSCが道路を封鎖して最高速テストを行っていた」と報じていて、つまり最高速チャレンジの事実は存在し、しかし何らかの理由にてSSCはそれを隠していた、ということになりますね。
現在の最速記録ホルダーはブガッティ
現在「世界最速」を誇るクルマはブガッティ・シロン・スーパースポーツ300+の「483km/h」。
ただしこれは公的機関による認証を受けているものの、ギネス申請していないために”ギネス記録ではない”わけですね。
それにはいくつかの理由があり、ひとつは「それだけの速度を(ブガッティが)出せるということが証明できればよく、他社との無益な争いをギネスレコードにて行うつもりはない」ということ。
そしてもうひとつは「ギネス記録認定には移動や道路封鎖など多額のコストが掛かり、しかしそこまでコストをかけるに見合わないため、近場にあるフォルクスワーゲングループのテストコースで記録挑戦を行った」ということ。
なお、ギネスにて「最高速」を認定されるには、同じ道の往路と復路との走行が必要で、その平均値が記録として用いられる、とされています。
ただ、フォルクスワーゲングループのテストコースは一方通行であるため、路面の削れ方に方向性があり、逆走することはリスクをはらむとして一方向の走行にとどまったことも「ギネスに申請していない」理由なのでしょうね。
参考までに、現在の世界最高速ランキングはこういった顔ぶれにて構成されており、ブガッティ、SSC、ケーニグセグの3社が熱い戦いを繰り広げていることもわかります。
1.ブガッティ シロン スーパースポーツ300+・・・490km/h 2.ヘネシー ヴェノムF5(公称値)・・・484km/h 3.SSCノースアメリカ トゥアタラ(公称値)・・・483km/h 4.ケーニグセグ アゲーラRS・・・444km/h 5.ケーニグセグOne:1・・・437km/h 6.ブガッティ ヴェイロン スーパースポーツ・・・434km/h 7.ヘネシー ヴェノムGT・・・418km/h 8.リマックC_Two(公称値)・・・415km/h 9.SSCノースアメリカ アルティメイトエアロ・・・412km/h 10.ケーニグセグ CCXR・・・403km/h |
今回のチャレンジはネバダ州にて
そして今回のSSCによる最高速チャレンジはネバダ州にて行われたそうですが、ここはケーニグセグが記録を達成したのと同じ場所。
SSCにとっては「比較的近い」場所ということもあるかもしれませんが、この道路は海抜1,000メートルに位置し、空気が薄いために抵抗が少なく、記録が出やすい、とされています。
今のところわかっている事実は少なく、SSCがテストを行ったのは間違いないようですが、記録が更新されたのかどうかは不明です(現地メディアによると記録が書き換えられた、とのこと)。
もしSSCトゥアタラが「世界最速」となったのであれば、近日中になんらかのアナウンスが行われるものと思われ、しかしケーニグセグが「ジェスコ・アブソリュート」で世界最速に挑戦することも間違いなく、ここしばらくは世界最速争いから目を離せそうにありません。
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トゥアタラは上述の通り、SSCによるスーパーカー(ハイパーカー)で、2010年のプロジェクト発足から実に10年をかけての実現ということに。※発表は2018年になされている
搭載されるエンジンは5.9リッターV8ツインターボ、出力は1350馬力(レース用ガソリン仕様で1750馬力)、最高速度は公称値にて時速483キロ。
なお、「トゥアタラ」はムカシトカゲの一種の名だとされ、「最速のスピードで進化する」生物なのだそう。
参照:KPVM- YouTube