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ブガッティは2035年以降も内燃機関搭載車を製造する意向。「この価格帯のクルマを購入する人は、いかなる犠牲も払うでしょう。自宅に合成燃料ステーションを建設したとしても」

ブガッティがコレクターから「1930年代当時のまま、レストアされてない」希少なブガッティ5台を譲り受けたと発表。中には「現存する唯一のモデル」も
Bugatti

| たしかにブガッティを購入する人々がお金のことを気にするとは考えられず、であればブガッティは法規よりも顧客を重視すべきなのかも |

それに加え、ガソリンエンジン搭載車の販売を禁止する法規が「緩和」される可能性も考えられる

さて、現在のブガッティはリマックと併合され「ブガッティ・リマック」として運営がなされていますが(以前のブガッティ・オトモビルも存続しており、棲み分けがよくわからない)、そのブガッティ・リマックCEO、メイト・リマック氏がいくつか興味深い内容を語っています。

そしてその内容につき、まずは「数週間内に発表される、V16エンジンを搭載した新型ハイパーカーが最後のガソリンエンジン搭載ブガッティではない」ということ。

ブガッティ新型ハイパーカーの「機械式高級腕時計を連想させる」メーターパネル画像が流出。まるでオーデマ ピゲやウブロのクロノグラフのようだ
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現在、自動車業界は思わぬ方向へと動きつつある

メイト・リマック氏は「電動ハイパーカー」など誰も考えもしなかった時期からその構想を練っており、実際に「コンセプト・ワン」にてそれを実現させた人物です。

つまりはハイパフォーマンスカーの電動化にかけてはパイオニアであると考えられますが、つい最近には「もはやエレクトリックハイパーカーはクールではなく、富裕層は誰もこれを欲しがらないだろう」という衝撃の発言を行っています。

実際のところ、リマックは150台限定にてエレクトリックハイパーカー「ネヴェーラ」を発売しているものの、未だ完売しておらず、同氏は富裕層の反応を敏感に感じ取ったのかもしれません。

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そういったこともあってか同氏は「V16」という、時代の流れからすると「10年以上前にエレクトリックハイパーカーを作ろうとした時」以上にクレイジーなアイデアを採用しているわけですが、今回このエンジンを「しばらく使い続ける」と述べています。

(欧州でガソリン車の生産と販売が禁止される)2035年以降にも、我々がガソリン車を生産しない理由は見当たりません。我々は完全に新しいエンジン(V16)を開発したので、しばらくはそのエンジンを使用したいと考えています。(ユーロ7の)規制を読んだけど、それが不可能である理由は見当たらない。見出しには内燃機関車は2035年から禁止されると書いてあるが、細字を読んでもどこにもそんなことは書いていない。つまり、それはまだ可能ということです。

なお、ユーロ7は最近更新され、2035年以降であっても合成燃料の使用を前提に内燃機関の存続が可能となり、新たな道が自動車メーカーに対して開かれています。

そして同氏は(将来的に)内燃機関搭載車に高額な税金が課されたりなんらかのペナルティが課される可能性は否定できないとしながらも「100万ドルのハイパーカーを買う余裕があるなら、オーナーは50%の高額な税金であろうと、1ガロン当たり50ドルの合成燃料であろうと、その所有に伴う追加料金に喜んで対処すると思います。合成燃料を使用するため、自宅用としてブガッティが提供する美しい燃料ステーションを作ることもできるでしょうね」。

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合成燃料はやはり一部の富裕層のための燃料にとどまる?

合成燃料(Eフューエル)については補足が必要であり、現時点では非常にコストが高く(ガソリンの2倍以上だとされる)、さらに将来的にコストが下がる見込みもないために市場規模が小さいと捉えられており、そのために石油メジャーは合成燃料に対してまったく関心を寄せていないというのが一つの事実。

加えて課税方法、流通方法、その扱いに関する法規制等が「まったく」整っておらず、よって合成燃料は一般に普及せず「一部のお金持ちが、内燃機関搭載車を走らせるためだけに使用する高価な燃料」でしかないと見られています。

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ポルシェ
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たしかにブガッティを購入するほどの財力があれば、高額な合成燃料を自宅にストックすることもできるかもしれませんが、そこまで高額ではないスポーツカーのオーナー、そして日常的にスポーツカーを使用するオーナーはそうもゆかず、それが理由でいくつかのスポーツカーメーカーは「自社の客層と合成燃料はマッチしない」と判断し、ピュアエレクトリックへの道を選ぶという例も。

ロータス
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つまり合成燃料は内燃機関を生き残らせるための万能薬ではなく、しかしブガッティやランボルギーニなど一部のハイエンドスポーツカーメーカーに取っては有効に作用する可能性があると考えていいかと思います。

ただ、直近でユーロ7の内容が「緩和」されたこと、そして現在の情勢を鑑みるに、もう一段の緩和がなされ、合成燃料を使用せずとも内燃機関が生き残る可能性も否定できません。

新型ブガッティは「品質」が大幅に向上?

そして内燃機関に加えメイト・リマック氏が言及したのが「品質」について。

ブガッティというと「芸術品のような仕上がり」を持つとされることから、非常に高い品質を持つと認識されていますが、メイト・リマック氏によれば「まだまだ品質改善の余地がある」。

誰もが、少量生産車には大量生産車の品質を期待します。 車に10倍や100倍のお金を払えば、もっと良い品質を持つクルマに違いないと人々は考えるが、それは真実ではありません。普通車の場合、たとえばBMW5シリーズの場合、数十億ドルが費やされ、品質を高めるために少量生産車の全生産量よりも多くのプロトタイプが使用されることになります。

つまり同氏は「ブガッティの品質は、その価格から消費者が期待するほどのものではななかった」と暗に述べているのだとも考えられ、そしてその品質を新型ハイパーカーでは「メジャーメーカーの自動車並み(もしくはそれ以上)に高める」ことを約束しているのだとも捉えることができ、そしてどのようにそれを実行したのかは6月20日に発表されるシロン後継モデルにて視覚的に示されるのかもしれません。

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