| 今見てもやはりi8の”未来”感は損なわれていない |
さて、大阪は舞洲にて開催されたイベント、BMW M Circuit Day。
そこでのサプライズとして用意されていたのが「BMW i8ロードスター」で、イベントの最後にアンヴェールされることに。
本国では2017年末に公開されているものの、日本はそれに遅れること1年で到着、ということになりますね(ハンドル位置の問題で、右ハンドル仕様の生産が遅かったからなのかもしれない)。
i8ロードスターの国内価格は2231万円でクーペの「190万円増し」。
ボディサイズは全長4690ミリ、全幅1940ミリ、全高1290ミリで、フェラーリ488スパイダーとよく似た数字を持っています。
i8はBMWにとって微妙な位置付けに?
i8ロードスターは「i8クーペ」のフェイスリフト(マイナーチェンジ)版とともに公開されたモデルで、一応記念モデル的な位置付けだと思われるものの、BMWはi8クーペとともに「あまり盛り上げようとせず」、けっこう謎な存在でもあります。
なおi8ロードスターのスペックはフェイスリフト版のi8クーペと同一で、エンジンは1.5リッター3気筒ターボを採用し、出力はフェイスリフト前の228馬力から231馬力へ、モーターは131馬力から143馬力へ。
これによって合計374馬力を発生することになり、i8クーペは0-100キロ加速4.2秒、i8ロードスターのフェイスリフト版は4.4秒という加速性能を持っています。
i8は「iブランド」のイメージリーダーとして鳴り物入りでデビューを飾っていますが、量販モデルとなる「i3」の販売が振るわず、BMWとして今後iブランドをどうするのか決めかねているフシも(一応新しいiモデルは出るっぽい)。
そういった事情があるだけにBMWはi8をどう扱うべきか悩んでいる可能性もあり、そこがi8のポジションをさらに微妙なものとしているのかもしれません。
ただ、そういったBMWの曖昧さもi8の魅力を損なう要因とはならず、i8そしてi8ロードスターはいつ見ても美しいクルマであるのは疑いようのない事実ですね。
とくに、「i8単体」で見るよりも、ほかのクルマに混じって走行するi8を見たときのインパクトは非常に大きく、明らかに通常のクルマとは異なるオーラを発しているようでもあります。
やはりその理由の一つは「ストリームフロー・ライン」を視覚的に表したリアセクションにあると考えていて、特にテールランプがフロートしているかのように見えるデザインは秀逸そのもの。
なお、この「3D形状Lシェイプ」は新型Z3、X5、X4にも採用されており、その元祖はi8だと考えて良さそう。
ルーフはファブリック製の折りたたみ式(開閉は15秒で完了する)。
ルーフがなくなったにもかかわらず、この「ディヘドラルドア」を継続採用したのは非常に大きな意義があるように思います。
ドアを開け放つと車体の前後をつなぐ部分がかなり「少ない」ことがわかり(それでも一般的なオープンカーに比べるとサイドシル、センタートンネルはかなりゴツい)、ボディ剛性は大丈夫かと思うものの、オープン化に伴う補強に要したのは「60キロ程度(この重量増加の中にはトップの開閉機構も含まれる)。
ブレーキキャリパーにはBMWの文字とエレクトリックブルーのライン。
ホイールは新形状となり、フェイスリフト前に比べ軽量化がなされている、とのこと。
微妙に「M」に見えるリアセクション。
i8クーペよりもi8ロードスターの方が未来的に見える部分でもあります。
こちらはBMW i8がエレクトリックモードにて走行し、無音で登場する動画。
BMW i8のインテリアはこうなっている
こちらはBMW i8の内装。
ボディカラーとマッチするかのような明るいブラウン(オレンジ?)が特徴的ですね。
基本的にはフェイスリフト前のi8とデザインは変わらず。
センターコンソールが非常に高く、囲まれ感が強いコクピット形状であることがわかります。
メーターフードの形状は独特。
メーターそのものは液晶パネルですね。
小さいながらも「リアトランク」を装備(たぶん収納スペースはここしかない)。
なお、車体の多くにはカーボンを使用しており、フレームそのものはカーボンファイバー製のモノコック(ドアを開くとカーボン柄が見える)、その他パネルはカーボンコンポジットと樹脂を使用。
あちこちにカーボンが見えるというのもi3やi8の一つの特徴ではあるものの、これはあまり知られていない(BMWもあまり押し出していない)のがちょっと残念ですね。
シートバック、バルクヘッド周辺には「モノを置く」スペースはなく、全体的に見てかなり収納スペースが少ないクルマ(スーパーカーというカテゴリであるということを考えたとしても。ちなみにi8クーペにはリアシートが存在する)。
サイドシルはこんな感じで「かなり高い」設計です。
i8はぼくが実際に乗り降りした中では「もっともクルマから降りるのが難しい」と考えている一台で、降りる際にはいったんシートからお尻を浮かせてサイドシルに腰掛け、そこから脚を車体の外側に出してから降りる、という方法が良さそう。
なお、i8スパイダーはトップを開け放った状態だと乗降に際して「頭をルーフにぶつける」心配はなく(しかしドアには注意)。クーペよりは多少ではあるものの「乗り降りしやすい」とは思います。
こちらが実際にi8スパイダーに乗り降りしてみた動画。
ほかの画像はFacebookのアルバム「BMW i8スパイダー」に保存しています。