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| BMW iX3は最大805km航続、400kW急速充電対応 |
ノイエクラッセがもたらす「新しいBMW」
BMWがついに次世代モデル「Neue Klasse」の第1弾として新型BMW iX3を正式発表。
新世代のデザイン言語、最新の電動パワートレイン、そしてソフトウェア主導の電子アーキテクチャを備えたこのモデルは、従来のモデルチェンジを超えた「次世代BMWの幕開け」を象徴しています。
新型BMW iX3は第6世代BMW eDriveを搭載し、新開発の円筒型セルバッテリーにより従来比20%のエネルギー密度向上と30%の充電速度向上を実現。さらに、双方向充電(V2L / V2H / V2G)にも対応しています。
- 航続距離:最大805km(WLTP)
- 出力:469馬力(345kW)
- 0-100km/h加速:4.9秒
- 充電性能:最大400kW対応、10分で372km分を充電可能
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BMW iXのデザインは新世代へ
BMW iX3における大きなトピックはその「デザイン」。
これまでとは異なる「新しいBMWデザイン言語」を採用し、外装はシンプルかつ力強く、時代性とタイムレスさを兼ね備えています。
- 垂直に配置された新しいキドニーグリル
- 水平基調のL字型リアライト
- 空力最適化によりCd値0.24を達成
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キドニーグリルは初代「ノイエクラッセ」を連想させる配置となり、その一方でフロントフードや前後バンパーに用いられる要素はここ最近のBMWに用いられていたものを連想させ、その上で「新しいディティール」を採用するなど、過去と現在、未来とを結びつけるデザインを持つようですね。
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ちょっと残念なのは、ぼくのイチオシであったXMに用いられていた要素が取り入れられていないことで、つまりXMは「1代限りの突然変異で終わってしまうこと(M専売モデルということで、BMW通常モデルへのデザイン的フィードバックが許されなかったのかも)。
XMは非常に優れた、そして新しく排他的なディティールを持っていただけに、「あれを活用しない手はないのになあ」と残念に思います。
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デジタル体験を刷新する「BMW Panoramic iDrive」
内装では徹底してモダンに整理され、BMWらしいドライバーフォーカスを維持しつつ、「BMW Panoramic iDrive」を初搭載。
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- フロント全面に投影される「BMW Panoramic Vision」
- 3Dヘッドアップディスプレイ
- LLM技術による進化した音声アシスタント
さらに、HypersonXサウンドスケープなど、EV専用の演出も導入されている、とのこと。
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インテリアにおいては(エクステリアとは異なって)「ほぼすべてが新しくなった」と考えてよく、直線や多角形を用いた、幾何学的な印象を受けるデザインへ(スイッチ類の形状も変更され、キャリーオーバーされたパーツはないようだ)。※一方、インテリアでは若干ながらもXMっぽい要素が見られる
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BMWが全モデルを「ノイエクラッセ(Neue Klasse)」デザインへ刷新。2025年から大変革がスタートし「どんな細部に至るまでも新しくなります」
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Neue Klasse専用の「Heart of Joy」制御ユニット
BMW iX3には、4つの高性能コンピューター「スーパーブレイン」が搭載され、そのひとつ「Heart of Joy」が駆動系を統合制御。
以下の項目を高精度に管理し、98%のブレーキ操作を回生のみで処理することでBMWならではの「駆けぬける歓び」を新しい次元へ引き上げています。
- ドライブトレイン
- 回生ブレーキ
- ステアリング
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BMWが次世代EV「ノイエクラッセ」に採用される技術を一部公開。4つの「スーパーブレイン」コンピューターにて車両を制御しワイヤーやヒューズも軽量化
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サステナビリティへの取り組み
新型BMW iX3はライフサイクルで34%のCO₂削減を実現。
- 再生素材を30%以上使用(海洋プラスチックやリサイクルPETなど)
- 生産拠点「デブレツェン工場」では化石燃料非使用
- 走行エネルギー効率は先代比20%改善
BMWの「循環型デザイン(Design for Circularity)」の理念を体現しています。
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BMWが新型EV「Neue Klasse(ノイエクラッセ)」向けの第6世代eドライブ生産開始。航続800kmの革新パワートレインとは?
BMW | ノイエクラッセは狙い通り「世界を変える」ことができるか 未来を拓くeドライブ:800Vアーキテクチャと最大800kmの航続距離 さて、BMWグループが「2025年7月末、オーストリアのシュ ...
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発売スケジュール
- 2025年秋:ハンガリー・デブレツェン工場で生産開始
- 2026年春:欧州市場に導入
- 2026年夏:米国市場、中国向け仕様も展開予定
BMWは2027年までにNeue Klasse技術を40車種以上に展開予定であり、iX3はその先駆けとなりますが、この「ノイエクラッセ」プラットフォームは新型M3にも採用されると言われており、今後の展開が非常に楽しみでもありますね。
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まとめ
新型BMW iX3は、従来のモデルチェンジを超えた「世代交代」を象徴するEV。
Neue Klasse世代で用いられる技術とデザインが凝縮され、BMWの未来を体現するモデルとして登場しており、今後登場するNeue Klasseシリーズにも大きな期待が集まります。
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参照:BMW