| その価格は安くはないが、この金額を払える人には十分に価値があるクルマである |
ボクはブラバスにつき、「見た目」よりも「内容」を重視したチューナーだと捉えている
さて、メルセデス・ベンツの過激チューンで知られるブラバス。
同じようなポジションにはマンソリーが存在しますが、ぼくの印象ではブラバスのほうが「ルックスよりもパフォーマンス寄り」、つまり質実剛健(つまり王道)だというイメージを持っています。
そんなマンソリーが発表したのがメルセデスAMG SLをベースにした「750 ボード・ブッシュマン・エディション」。
ボード・ブッシュマンはブラバスの創業者
なお、このボード・ブッシュマンはブラバスの創業者の名であり、1990年代のメルセデス・ベンツSLを愛していたことでも知られるのだそう。
そして今回、ブラバスはその創業者の名を冠したAMG SLのコンプリートカーを(満を持して)発売したということになりますね。
なお、ブラバスは1977年にボード・ブッシュマン、そしてクラウス・ブラクマンのニ人によって創業されていますが、ブラバス(BRABUS)のブランド名はこの2人の名から文字を抜き出して組み合わせたもので、しかしその後クラウス・ブラクマンはブラバスから手を引くことに(弁護士になった)。
残ったボード・ブッシュマンはひたすら自身の理想を追求し、1985年には自身の手掛けたチューニングカーで世界最速記録を樹立したこともあるほどの実力派です。※近年では、ポルシェ、そしてロールス・ロイスのチューニングにも参入している
そんな創業者の名を冠したコンプリートカーが半端なモノであろうはずはなく、搭載される4リッター・ツインターボエンジンは750馬力へと出力を引き上げられ、0-100km/h加速タイムはわずか3.3秒へ、そして最高速度は315km/hへと向上しています(最高速についてはリミッターによる制限がなされている)。
エンジンについてはターボチャージャーの大型化、ブースト圧制御の再プログラム、プラグアンドプレイによるBrabus PowerXtraモジュール(サブコン)経由でのインジェクションおよびイグニッション・プロファイルのチューニングによってもたらされている、と紹介されています。
エキゾーストシステムも刷新されており、アクティブ・バルブ・コントロールを備えるほか、テールパイプはチタンやカーボン、もしくはその両方を選べるのだそう。
なお、品質の証として、3年/10万キロ保証が付与されているのは嬉しいところですね。
750 ボード・ブッシュマン・エディションのスタイリング面に目を移すと、カーボンファイバー製の大きなフロントスプリッター、そしてグリル両サイドやバンパー両サイドのエアインテークが目を引くところ。
なお、フロントバンパーサイドのウイングレットのような構造は「ホイールハウスへと流れ込もうとするエアを抑制する」効果があるもよう。
トランクリッドスポイラー、リアディフューザーにもカーボンファイバーが採用され、リアの「BRABUS」「750」エンブレムすらカーボンファイバー。
さらにはこれらカーボンファイバーとマッチするよう、メルセデスAMG SLが本来持つクローム/ポリッシュ製パーツはすべてグロスブラックに塗装されるなど、細部に至るまで手が入っているようですね。
エキゾーストパイプとあわせ、リアディフューザーの(後ろへの)出っ張り具合がスゴいという印象ですが、これらすべてのエアロパーツは風洞実験によって効果が立証されているそうなので、その形状全てに意味があると考えて良さそうです。
そしてこの750 ボード・ブッシュマン・エディションの外観上の大きな特徴が「3本スポークホイール」。
これはブラバスが80年代後半に提供していたものにインスパイアされたデザインを持ち、ブラバス・モノブロックII EVO・プラチナ・エディションと呼ばれています(シャドーグレーにペイントされ、フロント21インチ、リア22インチを装着する)。
ちなみに当時の(ブラバスによる)3本スポークホイールはこちら。
メルセデスAMG SL 750 ボード・ブッシュマン・エディションのインテリアはこうなっている
そしてこちらは750 ボード・ブッシュマン・エディションのインテリア。
当然ながら「総張り替え」ですが、シートやアームレスト、ダッシュボードやステアリングホイールに用いられるレザーは「スムース」ではなく、ここ最近ブラバスが好んで用いる「シボ感のあるレザー」(ぼくはスムースレザーよりも、こういった質感を持つレザーのほうが好きである)。
ちなみにこの「マスターピース」バッジが付与されるモデルは、ブラバスの中でも最上位に位置する仕上げがなされたものだと紹介されています。
リアシートもフロント同様の仕上げを持ち、カーペット含めて目に入る部分は「ほとんどがレザー仕上げ」。
センターコンソールやステアリングホイールのスポーク等にはカーボンファイバーが使用され、コンソールには限定モデルであることを示すプレートも(25台のみの限定販売)。
インテリアは「モノトーン」に仕上げるべく、エクステリア同様にクロームパーツにはダーク仕上げがなされ、シートベルトの着脱ボタンもレッドではなくグレーへと変更されるというこだわりよう。
ペダルまでもがカーボンファイバー、そしてフロアマットもレザー仕上げ。
ここまでこだわったからにはSL 750 ボード・ブッシュマン・エディションの価格は安くなく、その価格はなんと336,500ユーロ(現在の為替レートにて約5180万円)に設定されていますが、この金額を支払うことが出来る人にとっては「高い買い物ではない」かもしれません(そして、そう感じる人が多からこそ、ブラバスやマンソリーといったハイエンドチューナーの販売が増えているのだと思われる)。
ちなみにこの「ボンネットなし」の画像につき、1990年代に、ボード・ブッシュマンが自身のメルセデス・ベンツSLをドライブする際、ボンネットを取り外して走行する様子を撮影された写真(けっこうその写真は有名になったらしい)を再現したものだとアナウンスされています。
メルセデスAMG SL 750 ボード・ブッシュマン・エディションを紹介する動画はこちら
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参照:BRABUS