Image:DENZA
| 現在デンザは非常に好調、メルセデス・ベンツにとっても旨味が感じられるプロジェクトではあったと思われるが |
撤退の理由についてはメルセデス・ベンツ、BYDが100%からも説明がなされていない
さて、BYDが「ファンチェンバオ(方程豹)」「ヤンワン(仰望)」とともに展開するサブブランドが「デンザ(デンツァ/電座)」。
このデンザはメルセデス・ベンツとBYDとのジョイントとして2011年に立ち上げられており、この時の出資比率は「50:50」。
しかし2022年にメルセデス・ベンツはその出資比率を10%にまで下げており、そして今回ついに「資本を引き上げ(つまり0%になり)、デンザとは手を切った」との報道がなされています。
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デンザはこの数年で大きく販売を伸ばしている
なお、デンザは2011年の設立から10年で「わずか」23,000台しか販売していないものの(初期のラインアップはデンザ300、デンザ400、デンザ500などであった)、この3年で魅力的なモデルが登場したため(ミニバンのD9、そしてシューティングブレークのZ9)、その販売を急拡大させています。
具体的には現在20万台ほどを販売するに至っているとも報じられていますが、デンザが販売を伸ばし始めた時期とメルセデス・ベンツが出資比率を引き下げ始めた時期がほぼ一致しており、両社の間になんらかの「埋めがたい溝」が生じたのかもしれません(でなければ、この20万台という数字はメルセデス・ベンツにとっても魅力的なはずで、しかも今後伸びる可能性が高い)。※メルセデス・ベンツが2024年上半期において中国で販売した台数は34万台(前年同期比-9%)である
結果的にデンザはBYDの100%資本に
よって現在デンザはBYDが100%の資本を有するブランドということになりますが、おそらくこの交渉はしばらく前から進められていたと考えてよく、というのも「現在のデンザのクルマにはメルセデス・ベンツの技術が入っていないから」。
そのため今後デンザになんらかの(メルセデス・ベンツが抜けたことによる)ネガティブな変化が生じるとは思えず、むしろデンザは将来に向けて野心的な計画を立てており、中国全土での販売拡大に加え、今後1年間で欧州やオーストラリアを含む新市場に進出する予定を持っています(現在2つのモデルしか持たないものの、一気に10車種まで拡大すると言われている)。
なお、メルセデス・ベンツの撤退は9月14日付けにて正式になされており、メルセデス・ベンツの幹部、ハンス・ゲオルグ・エンゲル氏もデンザの取締役リストから退くことに。
「これはメルセデス・ベンツがデンザの株式を保有しなくなり、BYDが唯一の株主になったことを意味します。現在のデンザモデルにもメルセデス・ベンツの技術は搭載されていません。」
-DENZA-
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