| リマックはいつの間にか次世代技術の中心的存在に |
次期ポルシェ918スパイダーについては様々な噂がありますが、その噂の数だけポルシェは「可能性を検討している」ということなのかもしれません。
ポルシェ918スパイダーそのものは2015年に生産終了しているものの、3モーターを採用する、現在でも画期的な「ハイパフォーマンスプラグインハイブリッド」。
エレクトリックパワーを活かし、ニュルブルクリンクにてはじめて「7分を切った」クルマでもあります。
ポルシェのフラッグシップは常に最速、最先端でなくてはならない
つまりはポルシェは918スパイダーにおいて、新しい技術を採用し、その結果として前人未到のタイムを出したということになりますが、それだけにポルシェは918スパイダー後継モデルに対してプレッシャーを感じているようで、「ニュルブルクリンクのタイム6:30」「これまでにない新しい技術採用」が必須だと考えている模様。
つまりポルシェにとって918スパイダー後継は「世界で最も速く、もっとも優れた技術を備えていなければならない」としており、それが達成できないのであればあえて発売する必要はない、とも考えているようですね。
今のところ918スパイダー後継については「技術的ブレイクスルーがないと発売しない」ともポルシェは語り、さらに「それが実現するのは2025年くらいになる」とも。
ポルシェ918スパイダー後継はピュアエレクトリックに
そして今回、英国TopGearにポルシェCEO、オリバー・ブルーメ氏が語ったところでは、「次期918スパイダーはピュアエレクトリックカーになるだろう」とのことで、プラグインハイブリッドの可能性を捨て去ったことを明らかにしています。
ポルシェは「タイカン」「タイカン・クロスツーリスモ」「マカンのピュアエレクトリックモデル」をここ数年内に発売し、加えて「カイエンのピュアエレクトリックモデル」発売までも示唆。
つまりエレクトリック化に対して一気に舵を切るということになりますが、エレクトリックブランドとしてのリードを確実なものとするためには「圧倒的なパフォーマンスを誇るエレクトリックスポーツ」が必要だとも思われ、それが「次期918スパイダー」となるのかもしれません。
リマックとの関係は今後より強固に
なお、ポルシェは現在リマックとパートナーシップ契約を結んでおり、実際にリマックの株式を10%取得済み。
リマックはクロアチアのEVメーカーであり、これまでにも「コンセプト・ワン」を発売し、第二弾としてC_Twoも発表済み(発売まであと1年程度あり、その間にさらなる軽量化などパフォーマンス追求を行う予定)。
そしてポルシェはリマックとのパートナシップについて、「バッテリー技術のみだけではなく、財政面、デジタル技術においてもメリットがある」と語っていて、今後も強力にそのパートナーシップを推し進めてゆく意向を述べています。
そしておそらくポルシェは「ソリッドステートバッテリー」の研究を進めていると思われ、918スパイダー後継モデルにはこれを搭載する可能性が大。※従来バッテリーの半分くらいの重量に収まる。これの実用化をポルシェは「待って」いるのだと思われる
現在ソリッドステートバッテリー開発に関してはウィリアムズ(フォーミュラE唯一のバッテリーサプライヤーでもある)も相当に高いレベルにあると言われ、どこが最初にこれを実用化するのかということも要注目ですね。
なお、先日ピニンファリーナが発表した「ハイパーEV」、バッティスタもリマックの技術を使用して開発したものであり、リマックは今後のハイパフォーマンスEVというセグメントにおいて、無くてはならない存在となるのかもしれません。