| まさか「タルガ」が「ナンバープレート」を意味するとは知らなかった |
自動車のネーミングの由来というのは実に興味深い
さて、ポルシェが自身のツイッターにて「タルガ」の由来を公表。
なお、「タルガ(Targa)」の名はイタリアにて開催されていたロードレース「タルガ・フローリオ(Targa Florio)」から拝借したものであることが広く認知されていますが、今回はその背景にある「知られざる事実」が明らかに。
ちなみにですが、トム・クルーズは「トップガン」が公開された年に911タルガを購入しており、そして生粋のポルシェファンであることもよく知られていますね。
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ポルシェ911「タルガ」は「タルガ」にならなかった可能性も
ポルシェによると、ポルシェは1950年代にタルガ・フローリオに参戦しており、ここで多くの勝利を獲得することになり、一般的な認識の通り、ここから「タルガ」という名を拝借しています(1965年にポルシェによって商標が取得され、1966年に初代タルガが登場している)。
ただ、実際にタルガと命名する際には安全基準について不明瞭な部分があり(名称と安全基準がどう絡むのかはわからない)、そのため「フローリ(Flori)」という名称を採用することも検討したそうですが、結果的に(当時の)ポルシェの国内販売責任者であるハラルド・ワグナー氏の決断によって「タルガ」と名付けられたといいます。
ポルシェにおける「タルガ」とは、固定式のリアウィンドウを持ち、ルーフを取り外せるもしくは格納できるクルマを指しますが、911、964ではデタッチャブルルーフを採用し、しかし993と996、997ではスライディングルーフを採用していたために「ルーフサイドにピラーが残る」構造となっています。
ただし991世代(7代目911)では初代タルガ同様に「サイドウインドウの上にピラーが残らない」構造を採用することになり、この構造は992世代でも継続されることに(それを実現するために、このルーフの格納/展開時には非常にスペクタクルな動きを見せる)。
なお、991世代以降の911タルガは「高級なGTカー」というポジショニングが与えられ(996世代においても、トランスミッションがATのみとなるなど、同様の傾向があった)、その流れをもって992世代では「タルガ4(1760万円)」「タルガ4S(2091万円)」「タルガ4GTS(2199万円)」「911 Edition 50 Years Porsche Design(2505万円)」という非常に高額なラインアップばかり(参考までに、911ターボが2500万円)。
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参考までにですが、「タルガ」というのはイタリア語であり、その意味としては「ナンバープレート」「ライセンスプレート」だそうですが、ポルシェはカタログを作成するときになるまでその意味を知らなかったといい、そしてイタリア人にとっては「911タルガ」とは「911ナンバープレート」という意味になり、”タルガ・フローリオ”由来ということを知らなければ「なんでこんな名前なんだろうな・・・」と不思議に思っているかもしれませんね。※ぼくも今この意味をはじめて知った
もう一つ参考までに、ポルシェ911タルガは長らくオランダの警察にパトカーとして採用されており、その理由は「ルーフを外すと、後続車に向かって”停止”のサインを掲げて示すのが容易だったから」。
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ポルシェはアルファベットにてその意味を解説中
なお、ポルシェは今回の「タルガの由来」のほか、アルファベット(A〜)に絡めて自社の特徴を解説しており、現在は「J」まで来ています。
ちなみに「J」は「June=6月」と結び付けられ、ポルシェの最初のロードカーが登録されたのが6月だった、とのこと(1948年6月8日)。
「I」だと特徴的な位置にあるイグニッションキー、「H」だとハイブリッド、「G」はジャイアントキラー(と呼ばれた550スパイダー)、「F」だとフラッハバウつまりフラットノーズといった具合です。
加えて各モデルのネーミングの由来についても紹介していて、「ケイマン」だとアフリカに生息するワニの一種であることも改めて述べています(当時、このケイマンはワニの中でももっとも俊敏な部類であるとアナウンスされた)。
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