| 路面や天候が安定しないパイクスピークにおいて、911ターボSは最適に近い選択肢だと思われる |
ボディ上のグラフィックは「930ターボへのオマージュ」
さて、アメリカで最も人気のあるレースの一つ、パイクスピーク・ヒルクライム・インターナショナルの開催が近づいており、各自動車メーカーそして各チームもその陣容や参加車を公開している状況となっていますが、今回はポルシェ・コレクターが911ターボSで参戦する、と発表。
この車両は911ターボSをベースに純正ライトウエイト・パッケージを装着し、そのほかにもパイクスピーク専用のカスタムが施されたもの。
このポルシェ911ターボSはタイムアタック1クラスにて優勝を狙うことになっるわけですが、ドライバーはこれまでにも優勝経験があり、かつ父親もポルシェを駆って1960年、1961年、1962年に3回の優勝を記録したデビッド・ドナー。
今回のパイクスピーク・ヒルクライム。インターナショナルはある意味「リベンジ」
なお、デビッド・ドナーは2014年にも911ターボSにて同大会のクラス優勝を飾っているものの、その後2019年にはベントレーがコンチネンタルGTにてこの際のタイムを更新して優勝を果たしており、いわば今回の挑戦はデビッド・ドナーにとっての「リベンジ」。
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デビッド・ドナーは今回のチャレンジに際し「パイクスピークで速いタイムを出すことは、ノルドシュライフェで速いラップタイムを出すのと同じことです。標高14,115フィートの山では、リスクもさることながら、変化に富んだユニークなチャレンジとなります。フルコースでの練習はできないので、年に一度のぶっつけ本番であり、天候に恵まれるかどうかが勝負になります」とコメント。
加えて「パイクスピークは、ル・マン、モナコグランプリ、マン島TTならび、世界中から注目を集めるレースです」とも語っていて、しかしそれらと大きく異なるのは参加の敷居が低く、個人や小規模のチームでも参戦ができることであり、これが(数回の中断を挟み)106年もこのレースが続いている理由のひとつなのかもしれません(アメリカではもっとも古いレースだと言われ、門戸が広く開かれているところがいかにもアメリカらしい)。
カラーリングはポルシェ専門誌「000マガジン」からインスパイア
なお、この独特のカラーリングはポルシェ専門誌「000マガジン」にインスパイアされたものだといい、見たところ930ターボをあしらったグラフィックを持つようですね(930ターボの特集記事をそのままボディに表現したのだと思われる)。
なお、992世代の911ターボSは先代から70馬力も出力が向上しており、0−100km/h加速は2.7秒という俊足ぶりを誇りますが、大きな特徴ははじめて911ターボに「軽量パッケージ」が用意されたこと。
これまでの911ターボは(その誕生の瞬間からして)豪華なGTカーという正確が強く、そこが後に登場する(サーキット走行に特化した)911GT3との性格的な棲み分けでもあったのですが、992世代の911ターボSになって「フロントバケットシート」「リアシートレス」「デッドニング省略」」「軽量ガラス」「軽量エキゾーストシステム」「PASMスポーツサスペンション」によって約30kgを削ることができる軽量パッケージが設定されたわけですね。
さすがにGT系に用意される「ヴァイザッハ・パッケージ」は設定されなかったものの、この軽量パッケージはポルシェが「911ターボに対する扱いを変えた」ことを表しているのかもしれません。
この軽量パッケージの装着によって911ターボSはニュルブルクリンクをハイパーカーやハードコアモデルと遜色ないレベルで走り抜け、また世界最速レベルの加速を実現することになりますが、記念すべき「100回目」のパイクスピーク・ヒルクライム・インターナショナルにおいても輝かしい記録を打ち立ててくれるかもしれませんね。
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