| 様々な「異常」がようやく正常化? |
中古車相場の下落は歓迎すべきだが、一方で買取価格も下落することに
さて、昨年は全世界レベルで「中古車が異常な価格」にまで値上がりし、多くのモデルにて「新車より中古車のほうが高価」という逆転現象が生じましたが、どうやら今年はそれがちょっと落ち着きそうだという報道。
米中古車情報サイト、iSeeCarsによると、この3ヶ月連続して中古車価格が下がっている(さらに2ヶ月連続で前年割れ)といい、同サイトではさらにここから中古車相場は下がるだろうという見方も示しています。
この下落は2020年6月以降ではじめて
なお、今回の2ヶ月連続での下落(前年割れ)は2020年6月以降はじめてのことだといい、これを機に上昇から一転して中古相場が下落に転じるのではないかと見られていて、iSeeCars.comのエグゼクティブ・アナリスト、カール・ブラウ氏によれば「"普通 "にはまだ程遠いが、過去2年余りの高騰した価格が終焉を迎えつつあることは明らかだ」。
2022年9月の中古車市場の平均価格は約8%上昇したものの10月には3.6%減少し、さらに11月には平均価格が2021年よりも2.1%下がっていますが、12月には2021年同月より3パーセント低い価格となっており、ここに下落傾向が鮮明になっているわけですね。
価格帯別に見ると、もっとも下がったのは「3万ドル以下」の普及価格帯だとされ、下落幅がもっとも大きなクルマはテスラ・モデル3で、これは平均価格が16.8%下落して43,817ドルを記録しており、これは9月の中古平均価格より8,822ドルも安くなっています。
もちろん、これはテスラが新車価格を引き下げたことが大きな要因だと考えられ、あちこちで中古価格の下落、そして(中古のテスラも)値下げした途端に飛ぶように売れていると報じられていますね。
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やはりハイブリッドカー、エレクトリックカーの下げ幅が大きい?
なお、テスラ以外にも日産キックス、フォード・マスタング・マッハE、ヒュンダイ・アイオニック5はいずれも昨年9月から12月にかけて11%以上の値下がりを記録しているそうなので、ハイブリッドそしてピュアエレクトリックカーの値下がりが大きいということがわかり、これもテスラの新車価格引き下げ、そして中古価格下落に引っ張られているのかもしれません。
ただ、中古市場全体が下落しているにもかかわらず、いくつかのセグメント、車種においてはまだ値上がり傾向を維持しているのも事実であり、例えば、一部のパフォーマンスカー、電気自動車、ハイブリッド車は、まだまだ高値を維持しています。
たとえはトヨタ・プリウスPHEVは2021年代の価格から約22.5%、平均で約5,891ドル上昇して32,131ドルへ、そして日産リーフとシボレー・ボルトも20%以上の上昇を記録したしたほか、ポルシェ911の中古価格上昇率は「4位」となり、2022年12月の(911の)平均中古車価格は16.8%上昇して198,076ドルへ。
こういった感じで「車種によりけり」な部分もあるものの、これらもいずれは下落に転じるものと推測されており、全般的には「中古相場が下がるだろう」というのが大勢の見方であるのは間違いないようですね。
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参照:iSeeCars