| メルセデスAMG Oneの開発については苦労話が多数出ており、その気持はわからないでもない |
とにもかくにも、これでメルセデスAMG Oneはユニコーンの仲間入り
さて、メルセデス・ベンツは開発に5年もかかってしまったハイパーカー「メルセデスAMG One」を無事に発売したところですが、これはニュルブルクリンクにて6分35秒183という驚異的なタイムを記録するなど”待った甲斐があった”一台となっています。
そして今回、さらにそのメルセデスAMG Oneの価値を高めそうな発言がメルセデス・ベンツから直接なされており、同社によると「メルセデスAMG Oneの公開に当たるハイパーカーはもう登場しないだろう」。
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メルセデスAMG Oneの開発には相当な苦労があった
メルセデスAMGの車両開発ディレクター、シュテフェン・ヤストロー氏によれば「厳しい排ガス規制のため、メルセデスAMG Oneの直接の後継車はない」。
メルセデスAMG OneはF1用のエンジンを搭載することが最大の特徴ではありますが、このエンジンを市販車に搭載し、「普通に乗れる」ようにするためには並々ならぬ苦労を強いられており、そのキャラクター、騒音、OC2排出など様々な問題をクリアせねばならず、そして信頼性も大きな問題であったもよう(テスト中に度々停止している姿が目撃されている)。
これらが理由となって開発に5年もかかってしまったわけですが、メルセデスAMGのCEOは「いったいなぜこのクルマの開発のGOサインを出したのか、今となってはまったくわからない。きっと我々役員はそのとき、皆酔っ払っていたんだろう」とコメントしたことも。
とにかくメルセデスAMG Oneの開発は困難を極めており、そういった理由もあって、そしてその中でも最大の困難が「排ガス」問題であったのだと思われます。
今後、F1のエンジンを使用したハイパーカーは登場しない
そしてシュテフェン・ヤストロー氏は「新しいハイパーカーを作らないとは言いませんが、まだその計画はありません。でも、F1のパワートレインをベースにしたハイパーカーはもうないでしょうね。それはノーチャンスだと思います。AMGやメルセデスに限らず、将来的にF1エンジンを市販車に搭載できる会社が出てくることを望むなら、今がその時、つまり我々がそれを選択した瞬間しかありえません」。
このコメントを見るに、F1用エンジンをロードカーに積むにはとんでもなく苦労し、そしてメルセデスAMG以外にそれを成し遂げるメーカーは存在しないだろうという自負も見え隠れしますが、実際のところユーロ7規制がこの数年内に施行される可能性が高く、よってメルセデスAMGのコメントを待たずともF1用エンジンを搭載したロードカーが再び登場する可能性は限りなくゼロに近いのもまた事実。
シュテフェン・ヤストロー氏はその一方、エレクトリックハイパーカーの見通しについてはるかに楽観的で、それは「ゼロエミッションのハイパフォーマンスマシンを公道で使用するための認証を取得するのは比較的容易だから」。
実際にメルセデスAMGは昨年にヴィジョンAMGコンセプトを発表してピュアエレクトリックカーへの移行を示唆しており、メルセデス・ベンツが開発しているエレクトリックカー用プラットフォーム3つのうちの1つがハイパフォーマンス・ピュアエレクトリックカー向けの「AMG.EA」。
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このプラットフォームはゼロから開発され、「革命的なドライブトレイン技術」を提供すると言われていますが、これが次世代ハイパーカーのベースとなる可能性もあり、しかし実際に登場するにしても、まだ数年はかかるものと思われます。
いずれにせよ、メルセデスAMG Oneは同社のみならず自動車業界にとってのユニコーンとなり、今後に渡り非常に高い価値を誇ることになるのは間違いなさそう。
なお、同様の例としてはアストンマーティン・ヴァルキリーがあり、これについても「とんでもなく開発にお金がかかってしまい」、そして現在のアストンマーティンの財政状態ではとうていこの後継モデルをつくることはできず、よってこれも「ユニコーン」の一台になったと考えてよいかと思います。
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参照:CarSales