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「地球上で最高のポルシェ911を作ってほしい」という依頼から始まった911レストモッド”ヨーロピアンRS”。4年の歳月を経てようやく完成し、25台のみが限定販売

「地球上で最高のポルシェ911を作ってほしい」という依頼から始まった911レストモッド”ヨーロピアンRS”。4年の歳月を経てようやく完成し、25台のみが限定販売

Image:Thornley Kelham

| 制作したのは老舗レストアカンパニー、ソーンリー・ケルハム |

こう見えて中には最新世代のデバイスが詰め込まれている

さて、現在ポルシェ911のレストモッドが続々誕生しているという状況ですが、今回は英国を拠点とするソーンリー・ケルハムより「997世代の911GT3 RS 4.0にインスパイアされた」という”ヨーロピアンRS”が登場。

ベースとなるのは(シンガー・ヴィークル・デザインが選択する)964世代ではなく、(シンプルでカスタムしやすいという理由にて)その一つ前の930世代が選択されており、25台のみの限定生産、その価格は75万ドル(現在の為替レートでは1億1500万円くらい)だとアナウンスされています。

ちなみにこのソーンリー・ケルハムは新興コーチビルダーの類ではなく、由緒あるレストアカンパニーで、その知見を活かしつつ、これまでにもポルシェ356やジャガーXK、ランチア アウレリア CSLといったレストモッド(いずれもアウトロースタイル)を世に送りだしていることでも知られます。

Image:Thornley Kelham

ソーンリー・ケルハム「ヨーロピアンRS」はこんなクルマ

そこでこの「ヨーロピアンRS」を見てみると、3.8リッター空冷フラットシックスエンジンが搭載され、コーナリング性能を高めるためにフロントでは112ミリ、リアでは214ミリボディが拡大されており、太くなったフロントタイヤと格闘せずにすむように電動パワーステアリング(ロック・トゥ・ロックは2.5回転)も用意されている、とのこと。

なお、前後バンパーにダックテール式リアスポイラー(スリット入り)はカーボンファイバー製、フロントフードとドアはアルミニウム製だと説明されています。

Image:Thornley Kelham

細部は美しく再仕上げがなされ、ドアハンドルやウインドウモールmヘッドライトベゼルなど元来「メッキ」であったパーツはマットシルバーへ。

こういった精緻な仕上げを行うこともあり、ボディワークだけでもその完成までには2,500時間を要するのだそう。

Image:Thornley Kelham

リアウインドウおよびリアクォーターウィンドウは軽量なポリカーボネート製、その奥に見えるのはワンピース構造を持つカーボンファイバーシェルを持つレカロ 製バケットシート、そしてステアリングホイールはモモ製プロトティーポ。

Image:Thornley Kelham

その他の特徴としては「軽量エアコンシステム」、そして電装系も新しく入れ替えられ、(オリジナルと同じように見える)メーターも新しいステップモーターやセンサーによって駆動される、とのこと。

Image:Thornley Kelham

トランスミッションは6速マニュアル、そして見ての通りリンケージむき出しというスパルタン仕様(ペダルセットもレーススペックの製品が組み込まれる)。

なお、搭載される3.8リッター空冷フラットシックスは993世代の911から拝借したもので、しかしビレット加工によるシリンダー ヘッド、11.8:1 の圧縮比を実現するためのマーレ製鍛造ピストン、専用に設計されたカム、独立スロットルボディなどが装着され、標準仕様だと「8,000rpmで390馬力 / 393Nm」発生しますが、オプションにて許容回転数を1万回転まで引き上げることができるほか、406馬力を絞り出す4リッターエンジンも選択可能です。

足回りには4ウェイコイルオーバー、アイバッハ製スプリング、調整可能なアンチロールバーが標準装備され、オプションとしては現代の911 GT3に採用されるロアアームをベースとした特注のフロントウィッシュボーンを備えるサスペンションシステム(しかもアダプティブダンパーシステム)、さらにはカーボンセラミックブレーキシステムにとミシュラン製カップ2 タイヤなど。

参考までに、ソーンリー・ケルハムがこのポルシェ911のレストモッド「ヨーロピアンRS」を製造することとなったきっかけは同社の顧客から「地球上で最高の911を作ってほしい」と依頼されたことだといい、その顧客が997世代の911GT3 RS 4.0を所有していたことから、モチーフをGT3 RS 4.0に求めることになったようですね。

なお、着手から完成までには4年もの歳月がかかっており、しかしじゅうぶんに「待った甲斐がある」クルマに仕上がっていると思います。

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参照:Thornley Kelham

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