VWは「EVは楽しいものだ」とアピールしたい?
フォルクスワーゲンが、3月に開催されるジュネーブ・モーターショーにて、1960年代に人気を博した「ビーチバギー(サンドバギー)」を出展する模様。
これは今回公開されたティーザー画像から明らかになったものですが、昨年12月にもフォルクスワーゲンは「ビーチバギーに乗ったサンタクロースのシルエット」を模ったクリスマスカードを配信しており、それが「現実に」なったということですね。
なお、このビーチ(サンド)バギーはビートルをベースにしたもので、ジェームズ・メイも所有していることでも知られますね。
VW「新型」ビーチバギーはEVで登場
そしてビーチバギーのリバイバルにあたっては「EV」つまり「I.D.」一族として登場することになると言われていますが、プラットフォームは”モジュラー・エレクトリック・ドライブ・マトリクス(MEB)”。
現時点ではスペック等はまったく不明ではあるものの、フォルクスワーゲンのデザイナー、クラウス・ビショフ氏いわく「バギーにはクルマ以上の意味がある」と語っており、それはバギーの持つ躍動感や活力を感じさせる姿を指す模様。
ちなみにフォルクスワーゲンは2004年にも「コンセプトT」なる、ビーチバギーの新解釈とも言えるモデルを発表しているので、バギに対して強い興味を持っているのは間違いなさそう。
EVでビーチバギーを発売する意味はどこにある?
なお、今回なぜフォルクスワーゲンがビーチバギーをEVにて復活させることにしたのか、なぜガソリンエンジンではないのかということについては全くナゾですが、「ビーチ」とゼロ・エミッションとの相性が良いことや、発売となると「高級リゾート地」に配備して高所得層にアピールしたいこと(そういった人々は環境意識も高い)があるのかもしれません。
そしてもう一つ思うのは、「ともすると、まったく楽しくない」EVを少しでも楽しいと感じさせたり、EVは単なる移動手段にとどまるものではないということを示すためのツールであるとも考えられ、フォルクスワーゲンが新しくEVシリーズ「I.D.」を発売するに際して「他社EVとの違い」をアピールする一つの方法なのではないか、とも思います。
同じ意味においてはフォルクスワーゲンは「I.D.」の名でEVレーサー「I.D. R」を開発してパイクスピークで「史上最速」タイムを記録したり、今度はニュルブルクリンクに挑むという話も。
これもやはり「フォルクスワーゲンのEVは一味違う」ということを示す一つの方法なのだと思われ、そしてEVに対するアプローチは各社各様であることがわかります。
そしてEVの販売が成功するかどうかは「いいクルマを作る」というよりは、「いかに消費者のイメージを覆すか」「いかに消費者の注意を惹くか」というところにかかっているのでしょうね。
なお、個人的な意見を言わせてもらえれば、「ビーチバギー」よりもバハ・ビートル(一生のうち、一度は所有してみたいクルマのひとつ)を復活させてくれまいか、とうのが正直な意見。