| 海外ではカルロス・ゴーン氏のニュースにはほぼ無反応 |
さて、日本ではかなり大きな扱いとなっているカルロス・ゴーン氏の不正問題ですが、欧米ではほぼ話題となっていないようです。
アメリカではほぼスルー、そしてルノーのお膝元であるフランスでは「カルロス・ゴーン氏が日産にハメられた」という陰謀説まで出ており、実際にルノーCEOを続投させる模様。
これは「日本では犯罪者でも、フランスではそうではない」ということだそうで、しかし日本だと、たとえ他の国であろうと逮捕されればその会社の代表が辞任するのが普通だと思います。
ちなみにフランスは自由恋愛の国でもあり、「以前の彼氏/彼女や、以前の夫/妻のことはまったく気にしない」傾向があるそうで、「その件における当事者でなければ関係ない」、つまりフランスで罪を追求されないのであれば関係はない、ということなのかもしれません。
フランスでも高額報酬が問題となっていたが・・・
なお、フランス(ルノー)においてもカルロス・ゴーン氏の高額報酬が問題となっていたと過去にも報じられ、今回カルロス・ゴーン氏を「CEOから外す」にはまたとないチャンスではあったのに、その意味でも取締役会がカルロス・ゴーン氏の留任を認めたのはかなり意外。
そしてアメリカで話題とならなかったのは、どうやら「それくらい貰って当然でしょ?申告漏れを指摘されただけやん」という意識もあるようで、というのもアメリカの自動車会社のCEOは「カルロス・ゴーン氏よりも貰っていた」ようですね。
今回Bloombergは世界中の自動車会社CEOの報酬を紹介していますが(2011-2015年の平均)、これを見るとたしかにゴーン氏の水準は「高くはなく」、むしろ他自動車会社の報酬の高さに驚かされることに。
その数字とは下記のとおりですが、FCAトップ、つまり故セルジオ・マルキオンネ氏は4160万ドル、つまり47億円ほどももらっていたことになり、カルロス・ゴーン氏の「890万ドル(ルノーを足しても1460万ドルで、VWのCEOにも及ばない)」は5番手となっています。
ちなみにトヨタの豊田章男社長の年収は2億円くらい、ということになりますね。
フォード・・・2440万ドル
フォルクスワーゲン・・・1690万ドル
GM・・・1450万ドル
日産・・・890万ドル
ルノー・・・570万ドル
トヨタ・・・180万ドル
ホンダ・・・120万ドル
ただ、この集計は「株式」の贈与も含まれるとのことで、それでFCAやフォード、VW、GMのCEOにおける報酬額が大きくなっている模様。
しかしながらカルロス・ゴーン氏においても「なんだかんだ入れると100億」になるとも言われており、その全容解明にはまだまだ時間がかかりそう。
もし本当に「100億」だったとして、それが海外に報じられたときに欧米がどう反応するのかはわかりませんが、現在報じられているように「住宅を会社のお金で購入するくらい普通でしょ・・・」という反応が返ってきたら、これまたびっくりでもありますね。
VIA:Bloomberg