
| さらにこのテスタロッサにはABSやトラクションコントロールも追加されている |
このフェラーリ・テスタロッサが販売されるかどうかはわからないが、けっこうな需要がありそうだ
さて、以前にスイスのファクトリー、オフィチーネ・フィオラヴァンティが「フェラーリ・テスタロッサのレストモッドを行っている最中」だと発表していますが、今回はめでたくそのレストモッドが完成し、その公式フォトをリリースしています。
なお、オフィチーネ・フィオラヴァンティの「目標」は、なるべく純正の外観を維持しつつも機能や性能をアップデートし、時速320キロを超えること。
そして今回、見事にその目的が達成されたようですね。
オフィチーネ・フィオラヴァンティ・フェラーリ・テスタロッサはこんな仕様を持っている
今回公開されたオフィシャルフォトを見ても、「ほとんどオリジナルとの違い」がわからないのが今回レストモッドされたフェラーリ・テスタロッサ。
ただし灯火類の色温度から見て、光源にはHIDもしくはLEDが用いられているのではと思います。

ホイールはオリジナル同様の「スター」シェイプながら、そのサイズは16インチからフロント17、リア18インチへとサイズアップ。

搭載されるのはオリジナルの4.9リッター12気筒エンジンではありますが、最高出力は(欧州仕様の)385馬力から510馬力、トルクは599Nmにまで高められています(改造の内容については公開されていない)。
この出力向上をもって、当時の最高速であった290km/hを324km/hまで引き上げているということになり、ヘッドカバーはその名称の由来となった「レッド(テスタロッサは”赤い頭”、つまりレッドのヘッドカバーを指している)」。

サイドのフィンも健在。
このフィンはテスタロッサを「テスタロッサたらしめている」最大の特徴かと思われ、過去には様々なチューナーや個人がこれをモチーフに取り入れています。

オフィチーネ・フィオラヴァンティ・フェラーリ・テスタロッサの中身は大きく「アップデート」
ブレーキはブレンボ製の「レーススペック」。
ホイールは上述の通り、オリジナルデザインを踏襲しつつもフロント17/リア18インチにサイズアップされ、タイヤは「レース用」が装着されている、とのこと。

ちょっと面白いのは、ABSやトラクションコントロールといった運転支援デバイスを追加したこと。
現代のクルマからこれらを取り除くことはあっても「追加」する例はかなり珍しく、そしておそらくは「オーダーメイド」でしか調整を行えないため、そのハードルも非常に高いものと思われます。

そのほか、このオフィチーネ・フィオラヴァンティは「テスタロッサを130kg軽量化した」とも発表しており、そうとうな運動性能の向上が見込めそうですね(当初、120kgの軽量化を行うとしていたものの、予定よりも多くの軽量化が達成できたようだ)。

今回、内装の画像は公開されていませんが、プラスチック製の部品を取り除き、アルミニウム製の部品に変更したこと、「カーステレオ」がApple CarPlayに対応となったこと、オリジナルの自動車電話を残しつつもBluetoothを使用して通話可能になったことなどがアナウンスされています。
フェラーリ・テスタロッサは何かとホットなクルマだった
フェラーリ・テスタロッサは1984年に発売されており、当時はちょうどアメリカや日本経済が大きく成長していた時期でもあったため、世界的に大きな人気を博したスーパーカー。
その特徴的なデザインが人気に拍車をかけたことも間違いなく、アメリカでは「マイアミ・バイス」にて使用されたこと、日本ではバブル経済の影響にてその認知度を大きく高めています。
本体「オープンモデル」が存在しないクルマではありますが、マイケル・ジャクソンが出演するペプシのコマーシャルのため、そしてフィアット会長のために作られたワンオフモデルがそれぞれ存在することも有名ですね。