| 生産台数30台のうち20台以上は北米やドバイへと送られるもよう |
類まれなる運動性能に加え、高い信頼性を備える「究極のGTカー」
さて、英国のフェラーリ・スペシャリスト「RML」が進めていたフェラーリ250GT SWBのレプリカ製作プロジェクト。
これまでにもいくつかレンダリングを公開していましたが、今回始めてその実車(プリプロダクションモデル)が公開されています。
ベースとなるのはフェラーリ550マラネロ、そしてそのルックスは紛れもない250GTではあるものの、フェラーリを刺激しないようにということなのか「フェラーリ」「250」という名は用いられず、たんに「RMLショートホイールベース」とだけ称されています。
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ただしその細部は現代風に
RMLいわく、このRMLショートホイールベースは「モータースポーツの黄金時代に敬意を表した」、そして「21世紀の快適性と利便性を提供する壮大なGTカー」。
実際のところ、かつてのフェラーリを彷彿とさせる優雅なボディラインを持ちつつもボディパネルは「カーボンコンポジット製」。
フロントグリルはクラシカルな「チップカッター」、そしてグリル内には250GTにインスパイアされた丸形ヘッドライトも。
ただしよく見ると、ヘッドライトともども現代的なプロジェクターレンズを備えています。
ラムエアフードを備え、その内側にはカーボン製のスプリッターのようなものも。
ドアハンドルはフラッシュマウント、そしてホイールはクラシカルな「スポーク」風に見えるようにデザインされた18インチ。
タイヤはピレリP-Zeroロッソ、ブレーキディスクはフロント13インチ、リア12.2インチに容量アップされている、とのこと。
エキゾーストシステムは「フリーフロー」と「美しい音響」を備えるとされ、片側二本の「4本出し」。
テールパイプ形状は芸術的ともいえるデザインですね。
ドアミラーやウインドウモール、Aピラー、サッシュはアルミ製ポリッシュのような質感を持っています(実際の素材は不明)。
テールランプベゼルもまたアルミにポリッシュをかけたような質感を持っており、レンズの形状もこだわりが感じられるもの。
搭載されるエンジンはフェラーリ製の5.5リッターV12
なお、550マラネロがベースとなるため、エンジンも5.5リッターV12を継承しており、出力は485馬力、トランスミッションは6速マニュアル、そしてもちろん駆動輪は後輪のみ、そして0−100km/h加速は4.1秒、最高速度は290km/hという予想スペックを持っています。
エンジンルーム内のあちこちにはカーボンファイバーが見えますが、エンジンそのものはフェラーリに配慮してか「フェラーリの基準内に収める」としており、リビルトされたうえで「550マラネロ新車時のスペック通り」の出力が確認された後に搭載される、とのこと。
ちなみにRMLショートホイールベースの吸気系、冷却系、オイル系、排気系が一新され、「クルマの性能をフルに発揮」するのはもちろん、気温50℃のドバイの路上においても耐えることができる、とされています。
もちろん足回りも変更され、特注のオーリンズ製ダンパーに加え、スプリングレートの見直し、アンチロールバーの大径化が行われているようですね。
RMLショートホイールベースのインテリアも「特別仕様」
なお、今回RMLショートホイールベースのインテリアは公開されておらず、しかしRMLによると「ノープラスチック」というコンセプトを貫き、「キャビン内で見たり触れたりできるものはすべて、削り出しアルミニウム、ガラス、またはレザー」で構成されます。
このRMLショートホイールベースは30台のみの限定、そして価格は135万ポンド(約2億1000万円)に設定されますが、RMLにてデザイン責任者を務めるジョナサン・ボーエン氏によれば、「既製品のダイヤルや操作系を買っきて何万ポンドもコストを下げるのは簡単ですが、それでは私たちの高い基準を満たすことはできません。そのため、RMLショートホイールベースのスイッチ、ボタン、時計などはすべて特注で、社内で開発されたものを使用しています」。
たしかにこの金額を支払って「どこかのクルマと共通のスイッチや操作系」を持つのでは納得がゆかず、RMLのいうことも”もっとも”で、このレベルの価格であれば、もう金額にこだわらず、とことん高いレベルを追求してほしいという感じですね。
おそらくこのRMLショートホイールベースは「毎日、どんな環境でも乗ることができ、最高レベルの運動性能と芸術性の高い内外装の仕上げ」を持つ究極の一台を目指しているのだと思われ、さらなる情報に期待したいところです。
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