| この発想はなかったが、たしかに低いボンネットやトンネルバックはスーパーカーのレプリカベースに向いている |
さらにCR-Xデルソルのルーフはタルガトップ
さて、ホンダCR-X デルソルをベースとしたフェラーリ・ディーノ246GTSのレプリカが米中古市場に登場。
ホンダCR-X デルソルは1992年に登場しており、CR-Xの後継というポジションではありますが、CR-Xの事故率が高かったことから(保険料も高くなったので)方向転換を図り、オープンモデルのみの展開に絞ってイメージチェンジ(と保険料の引き下げ)を狙ったと言われています。
最上位グレード「SiR」に搭載されたエンジンは170馬力を発生する強力なB16A(もちろんVTEC)を搭載し、ルーフは全車デタッチャブル式もしくは電動格納式のトランストップを採用。
このトランストップはリトラクタブル式ハードトップの先駆け的存在であったと考えて良く、しかし折りたたみ式ではなく、アームによってトランク内に格納されるという独特の方式を持っています。
当時、フェラーリ・ディーノを自分で作るキットカーが存在したようだ
なお、アメリカでは1974年にディーノの販売が終了した際、ラッセル・ケラーとランディ・マーカムのニ名によって「ディーノ風のキットカー(ケルマークGT)」が発売されたといい、今回CR-Xデルソルに装着されているのは当時のキットカーに含まれていた古いパーツなのだそう。
かくしてこの1993年製ホンダCR-X デルソルは「ディーノ風」に生まれ変わったということになりますが、さすがにディーノ風キットカーのパーツを使用しているだけに雰囲気は非常によく出ていると思います。
金属製のバンパー(ボルボ製とのこと)、4本出しテールパイプなどもよく雰囲気が出ており、かなり高い再現性を持つと考えて良さそう。
ただしエンジンは(CR-Xデルソルがベースなので)フロントに積まれていますが、ホンダ車のボンネットはもともと非常に低く(BAプレリュードのボンネットは、当時のフェラーリのフロントフードよりも低いと宣伝されていた)、ミドシップカーのレプリカには意外と向いているのかも。
ちなみにアメリカ仕様のディーノ246GTSの出力は175馬力だったというので、動力性能はこのレプリカであっても、ディーノ246GTSであってもそう変わらないのかもしれません。
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そしてリアにはちゃんとトランクが確保され、ディーノ246GTSよりも高いユーティリティを誇ります。
なお、ケルマークGT製のボディパネルはファイバーグラス製で、これをCR-Xデルソルにフィットさせるためには数々の加工がなされ(それでもディーノ246GTSとCR-Xデルソルのホイールベースは3センチしか変わらない)、あちこちにはパテが盛られて一部はヒビ割れも(現在はプライマーが塗装されている状態)。
ただししっかりと表面を均し、塗装を行えばけっこうきれいなクルマになりそうですね。
なお、CR-Xデルソルはトンネルバックを持つため、ディーノ246GTSのレプリカ製作に関しても比較的「加工しやすい」部類なのかもしれません。
CR-Xデルソルをディーノ246にという発想はなかったものの、この個体を見て、今後「チャレンジしよう」という人が出てくる可能性もありそうですね。
ホイールは15インチのタービンスタイル(センターキャップには跳ね馬マークが入る)、そしてレトロなドアミラーやガスキャップなども装備。
ちなみにタイヤはフロントが195/65、リアが205/65といった感じで(FFにもかかわらず)リアのほうが太くなっており、リアホイールにはスペーサーを2枚噛ませてあるのだそう。
フェラーリ・ディーノ246GTSレプリカのインテリアはこうなっている
そしてこちらはこのディーノ246GTS風レプリカのインテリアですが、タンレザーのカバーが装着され、やはり強く(当時の)フェラーリを意識したことがわかります。※インテリア上部もタンレザーに貼り替えられている
メーターやスイッチ類はサーブ・ソネットから、センターコンソールは古いシボレーからの流用だとされ、ダッシュボードには昔っぽい「カーラジオ」も(操作はできず、演出用小物となっている)。
ちなみにステアリングホイールはポンティアックから移植したウッド製が装着されるなど雰囲気はよく出ているもよう。
なお、ヒーターが取り外され、そのほかにも取り外したCR-Xデルソル本来のパーツなど一式が付属する、とのこと。
フェラーリ・ディーノ246GTSは現在5000万円程度の価格にて取引されているので、「格安に」ディーノの雰囲気を楽しみたいという人にはいい物件かもしれませんね。
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