| フェラーリの考え方、そして顧客も大きく変化を迎えつつある |
かつてのフェラーリの限定モデルというと「ロッソ一色」だったが
さて、現在812シリーズはそのモデルライフ終盤に差し掛かっており、フェラーリは812GTSそして812コンペティツォーネ、さらにそのオープンモデルである812コンペティツォーネ・アペルタの生産を全力で行っているところかと思います。
そして今回はスーパーカー系スパイフォトグラファー、Varryx氏がフェラーリ本社付近にて同社を出入りする車両を捉えていますが、様々な仕様を持つ812シリーズが動画に収められており、ここでそれらを見てみましょう。
近年のフェラーリは非常に多種多様な仕様を持っている
かつてフェラーリはカラーバリエーションを絞っていた時期があり、288GTOやF40で選べたのは「ロッソ・コルサ」のみ、そしてF50やエンツォ・フェラーリでも「ロッソ(レッド)」「ジャッロ(イエロー)」「ネロ(ブラック)」を中心に製造され、ほかのカラーを選べたのは「フェラーリが特別と認める」顧客のみだったといいます。
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ただ、今や時代は移り変わっており、現在はフェラーリを注文する顧客であれば基本的に「誰であっても」自由にカラーを選ぶことができるようで(ただしワンオフカラーや、特殊な塗り分けなどはテーラーメイド・プログラムを利用しなければならない)、ここは以前とは随分異なるところかもしれません。
そしてまたフェラーリを選ぶ顧客の性質も変化しており、フェラーリ=レッドというイメージを持たなくなったり、またフェラーリの伝統的なカラーではなく「自分の好きな」斬新なカラーや仕様を選ぶ顧客も増えているもよう。
今回の動画に収められている812GTS、812コンペティツォーネ、812コンペティツォーネ・アペルタは顧客に収められる車両の最終テストを行っている車両たちだと思われ、これらを購入できる人々はフェラーリの中でも限られた上位顧客だと認識しているものの、そういったVIPカスタマーであってもレッドを選ぶ例が少ないというのはちょっとした驚きです。
特にこの個体はマットブラックにグリーンのストライプ(リバリー)、ブラックのホイールという”非常に”珍しい仕様を持っており、これは今までのフェラーリらしくないフィニッシュだと思います。
なお、さらに興味深いことに、リアバンパー両脇のダクトの中のルーバーは「グリーン、ホワイト、レッド」というイタリアンカラー。
こちらも珍しい「ブルーにオレンジ」、そしてホワイトのピンストライプを持つ812GTS。
フェラーリにオレンジというのはかなりレアな例ですね。
こちらはシルバーに・・・。
イエローとブラックのリバリー。
シンプルに「ストライプなし」のフェラーリ812コンペティツォーネ・アペルタも
シンプルにジャッロ(イエロー)のみの812コンペティツォーネ・アペルタ。
812コンペティツォーネはフロントフード上にエアを排出する横方向のブレードを持っており、縦方向のストライプがないほうが、このブレードが目立つのかもしれません。
なお、タイヤにはイエローのレターとラインが入っているようですね(ピレリ・カラーエディションだと思われる)。
ホイールはダークシルバー(ガンメタ)、ブレーキキャリパーはブラックに見えます。
こちらの個体はシルバーにブラックのホイール、レッドのブレーキキャリパー。
一方でこちらはフェラーリらしいロッソの812コンペティツォーネ・アペルタ。
ストライプはシルバーにブラックです。
フェラーリの工場から出てくる様々な812シリーズを収めた動画はこちら
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参照:Varryx