| フェラーリ・プロサングエのサウンドは「SUV」というよりはスーパーカーに近い |
ここまで気持ちのいいサウンドを放つSUVは他にないだろう
さて、フェラーリは新型車を発表したとしてもその後しばらくは大々的にデリバリーがなされないのが通例となっていますが(工場の生産キャパシティが限られるため、現在生産中のモデルの製造が終了したのちにニューモデルがその生産ラインに組み込まれるのでタイムラグがある)、プロサングエもそういった例の一つ。
現在は少量ながらも生産がなされている状況ではあるものの、まだまだごく一部のオーナーさんにしか納車が行われていないものと思われます。
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フェラーリはプロサングエの販売台数を制限
なお、このプロサングエはフェラーリ初の4ドアそしてSUVというクルマですが(フェラーリはSUVと呼ばれることを非常に嫌っている)、他のスポーツカーメーカーのように「大量に」販売することを目的としておらず、フェラーリは最大でも全体の生産量の20%に(プロサングエを)収めるとしています。
スポーツカーメーカーがSUVを作ることは現代では珍しいことではなく、まずはポルシェがカイエンを作ってヒットさせ、そこから会社が大きく潤うことでより優れたスポーツカーを開発できるようになったのは周知の通り。
それはランボルギーニも同様であり、そしてそこはアストンマーティン、さらにロータスが続くこととなっていますが、これらについてはSUVの販売台数を制限しておらず、むしろ「資金源」として大量に販売する計画を持っています。
実際のところ、ポルシェとランボルギーニではSUVの販売が過半数を占め、そしてアストンマーティンも「そう」なることは間違いなく、ロータスに至っては「スポーツカーの開発資金獲得のためにエレトレを売る」と明言しているほど。
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ただ、フェラーリはそれらスポーツメーカーとは全く異なる戦略をプロサングエに対して用いており、「売れるだけ売る」のではなく販売台数を制限していて、しかしこの意図については公式に語られていないのでナゾのまま。
もしかするとSUVの販売比率が増加することで客層がすっかり変わってしまうことを嫌ったのかもしれませんし、開催するイベントに参加するクルマがプロサングエだらけになったり、路上を走るフェラーリの比率においてプロサングエがスーパースポーツカーを上回ってしまうことを懸念したのかもしれません。
フェラーリ・プロサングエは「もっともサウンドに優れるSUV」?
あるいは、フェラーリはプロサングエを「特別な存在」として位置づけようと考えているのかもしれず、それは「プロサングエに搭載されるエンジンが(今のところ)V12のみ、ということからも読み取れます。
御存知の通りV12エンジンはフェラーリにとっての重要な資産であり、創業当初からもっとも重きを置いているエンジン型式(ル・マン24時間レース史上、はじめてV12を積んで優勝したのはフェラーリである)でもありますね。
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そしてより一般的なV8ツインターボ、燃費性能に優れるV6ツインターボ+ハイブリッドではなく「伝統のV12」を積んでプロサングエをデビューさせたことにつき、そこにはフェラーリからのなんらかのメッセージが内包されていると考えるのが妥当でもあり、また「プロサングエ=純血」という名称もまたしかり。
そして今回、フェラーリの本社工場から出てきて付近を走るプロサングエの姿が捉えられていますが、そのサウンドは「SUV」というイメージから程遠く、まさに”スーパースポーツそのもの”。
こういった面を見てもフェラーリが「プロサングエはSUVではない」と断じている理由もわかるような気もしますが、あくまでもプロサングエは「これまでのラインアップに加える新種であり、ほかスポーツカーメーカーにとってのSUV」という位置づけではなく、フェラーリがプロサングエをして「GTC4ルッソの後継モデル」というように、プロサングエはフェラーリのこれまでのラインアップの各モデルと同様に扱われる車種であって、そのため販売台数を特別に増加させるつもりはない(これまでのモデルラインアップ同様に生産台数を決め、その範囲でしか作らない)ということなのかもしれません。
フェラーリ・プロサングエがフェラーリ工場付近を「快音とともに」走行する動画はこちら
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参照:FCars