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フェラーリが「2023年には40万点ものレプリカや偽造グッズを破壊した」と発表。フェラーリはブランドイメージを毀損することをけして許さない

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| レプリカの販売者のみならず、所有者に対して連絡を取り「廃棄」を依頼することも |

マイケル・マン監督「フェラーリ」撮影のために使用された7台のレプリカも撮影後には「廃棄」がなされる

さて、フェラーリが「2023年には、40万もの(フェラーリを騙る)偽の商品を破壊した」と発表。

これには3台のクルマ、100,351着のアパレル、30,161個の香水、60,903本の腕時計、17,438足のシューズ、17,231個のバッグ、13,415本のベルト、11,500のステッカーやエンブレム、800台のキックスクーター、872台のモデルカー、1,092個の(スポーツ用の)ボール、91,229個のサングラス、57,503個の財布などが含まれるもよう。

フェラーリはこうやって模倣品を撲滅している

こういった模倣品を探し出し、そして廃棄するのはフェラーリの法務部門だといい、同社の法務顧問カルロ・ダネオ氏は以下の通りに語ります。

フェラーリはラグジュアリー、革新、イタリアを象徴しています。そして残念なことに、権利がないのに私たちと結びつき、それを悪用しようとする人がいることはほぼ当然のこととされています。信じられないかもしれませんが、Tシャツや帽子などの偽のアクセサリーとは別に、偽のフェラーリ車を巧みに作り上げ、もちろん非常に高い価格で販売する人もいます。

偽造者はますます巧妙になっています。本物のフェラーリのシャシーを使用して、より価値の高いモデルのボディを組み立てる人もいます。一部の車両は非常によく出来ているため、最終的にオークションにかけられ、しかしそれらを発見しオークションハウスに報告して市場から排除するのが私たちの仕事です。そして私たちの目標は常に同じです。市場から排除するだけでは十分ではなく、すべての偽造品を破壊したいのです。そしてその最終結果を達成するために、私たちは可能な限り相手方と合意を見つけようとします。そうすれば、訴訟を起こす必要はなくなります。

なお、フェラーリの「レプリカ」については販売者だけではなく、購入者に対してもクションを取ることもあるとされ、その場合はちょっとした困難もあるもよう。

しかし、偽造フェラーリを所有している当事者は、特にそれを手に入れるためにかなりの金額を費やした場合、当初はそれを破壊するつもりがない場合があります。その時点で、ルールを厳密に適用し、購入者が直面する法的結果を理解させるのは私たちの責任です。

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さらにはレプリカのみではなく、独自に改造された車両についてもフェラーリは厳しく対処しており、過去にはジャスティン・ビーバーがその改造や車両の扱いのために「フェラーリを購入できなくなった」と報じられたことがあるほか、マンソリーはそのデザインの類似性によってフェラーリとの法的問題に発展たという事例も。

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加えて、エンツォ・フェラーリ存命の折には、ケーニッヒなど「意にそぐわない」改造を施した車両の所有者に対して「その車両からフェラーリのエンブレムをすべて外すように」という指示を行ったという話もあり、フェラーリとしては「レプリカを売ってお金を稼ぐ」という行為のみではなく、フェラーリの真正を損なうような改造、美的感覚やブランドイメージを損なうような改造を行った車両に対しても強い嫌悪感を抱いているということになりますね。

そうする人は誰でも、そのような車は公式イベントには決して認められないこと、また改造によってクルマの技術的側面が損なわれた場合、関連する保証が適用できない可能性があることを理解する必要があります。極端な場合、公道での使用の認証が損なわれることさえあります。

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やはりもっとも頻繁に偽造されるのはアパレルやアクセサリー

しかしながら「車両」を偽造する例はさほど多くはなく、やはりもっとも頻繁に偽造されるのは「より一般的で安価なもの」つまりアクセサリー、帽子、サングラス、レプリカ F1 T シャツなど。

これらの偽造撲滅を目的としてェラーリは昨年、偽造防止報奨プロジェクトを設立しており、この目的について知的財産上級法律顧問パオロ・ロレンツィ氏は以下のように語ります。

このプロジェクトの目的は、偽造事例の報告を奨励することです。この現象と戦うのに協力したい人は誰でも、偽造品を報告することが可能です。私たち自身のチェックでそれが確認されれば、偽造品との戦いに協力してくれたことに対して、私たちから正式な感謝状が送られます。そして、フェラーリのガジェットも無料でプレゼントします。毎日報告が届き、検証は大変な仕事ではありますが、従業員からファンまで、非常に多くの人々がこの重要な戦いを真剣に受け止めているのを見ることは、大きな満足感でもあるのです。

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フェラーリが「レプリカ」製造を認める稀な例も

一方、フェラーリ自らがレプリカの製造を認める場合もあるといい、直近の例だとマイケル・マン監督の映画「フェラーリ」に使用された車両たち。

この映画にはリアルなクラッシュシーンが含まれるため、まさか本物のフェラーリのクラシックカーを使用するわけにはゆかず、よって7台のレプリカが製造されていますが、これらはすべて「製造される前から、撮影終了後には完全に廃棄されることが決まっていた」のだそう。

もちろんフェラーリとの契約によって取り決めがなされていたものと考えられ、撮影後に「流出しないように」するための最善の手段であったのだと思われます。

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