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当初「3気筒」でデビューしたケーニグセグ・ジェメラ。後にオプションとしてV8を追加したところ「ええ、つまるところ全部V8にて生産することになりました」

当初「3気筒」でデビューしたケーニグセグ・ジェメラ。後にオプションとしてV8を追加したところ「ええ、つまるところ全部V8にて生産することになりました」

Image:Koenigsegg

| このV8エンジンは高価なオプションではあるが、それでもハイパーカーを購入する人々はV8を選ぶだろう |

ちなみに3気筒だと1700馬力、V8だと2300馬力という出力差も

さて、ケーニグセグは「4人乗りハイパーカー」としてジェメラを発表していますが、これはもともと2リッター3気筒エンジン+ハイブリッドというパッケージングにてデビューしており、リアミッドに積まれる3気筒エンジンは(プロペラシャフト経由で)フロントタイヤを駆動し、エレクトリックモーターは後輪を駆動するという非常に珍しいレイアウトを持っています(リアのエンジンは後輪を駆動しない。ちなみに出力はトータルで1,700馬力)。

この構造はタイニー フレンドリー ジャイアント (TFG)と呼ばれていて、ジェメラの実用性を拡張する(エンジンが小さいのでラゲッジスペースを広く取れる)一つの大きな要素であったのですが、その後ケーニグセグCEO、クリスチャン・フォン・ケーニグセグ氏がふと「V8を積んでみよう」と考え、様々な試行錯誤を経たうえでV8の搭載に成功し、これを”オプション”として販売することに。

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Koenigsegg

ケーニグセグ・ジェメラの顧客はほぼすべてがV8エンジンを選択していた

そして今回明らかになったのが、「ジェメラはすべてV8エンジン搭載バージョンとして製造されることになった」。

その理由は単純明快であり、要は「(ほぼ)だれも3気筒エンジンを選ばなかったから」で、クリスチャン・フォン・ケーニグセグ氏はトップギアからの「3気筒とV8との注文比率」にといて尋ねられたとき、以下のように答えています。

つまり、簡単に言えば、それら (ジェメラの注文))はすべて V8 になりました。3気筒を求める人がほとんどいなかったので、ほぼ全員に (V8 を購入するよう)説得することができました。

要は「わずかながら存在した」3気筒エンジンを選択したオーナーも、クリスチャン・フォン・ケーニグセグ氏の説得によってV8エンジンへと振り返ることに同意したということになりますが、これはGMA(ゴードン・マレー・オートモーティブ)T.33にて、数名しかATを選ばなかったのでATを廃止したという例を思い起こさせます。

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なお、ケーニグセグの恐ろしいところは、エンジンを「3気筒からV8に」変更したとしても、乗員の数と同じ、つまり「4つの」スーツケースを積めるようにしていることで、3気筒時では「フロントに1つ、リアに3つ」であったものの、V8へと変更した際には「リアに4つ」搭載できるといい、4人で旅行に行けるハイパーカーという性質を全く損なっていないわけですね。

しかしいずれは3気筒エンジンが使用される場面も

たしかにこういったハイパーカーの購入者は「大排気量マルチシリンダーエンジン」を望むものの、クリスチャン・フォン・ケーニグセグ氏は今でも3気筒エンジンを軸にしたタイニー・フレンドリー・ジャイアントに取り組んでいて、その理由は「フレンドリー」の名が示すように(自社のクルマに)日常性を持たせたいから。

そしてトップギアとの談話の中では「エッグスター」なるシティカーに最適であるという話が(冗談交じりに)出たそうですが、もしかするとケーニグセグもどこかの段階でシティカーに参入するのかもしれません。

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Koenigsegg

なお、この2リッター3気筒エンジンは600馬力近い出力を誇り、その秘訣は「フリーバルブ テクノロジー」。

これはケーニグセグが開発した新技術であり、カムシャフトによるバルブの作動を、バルブをより速く、より正確に開閉できる電空アクチュエーターによって置き換え、カム付きエンジンに典型的な曲線型ではなく、段階的にバルブを開くことができるようにしたものです。※出力の向上のみではなく、高い燃費性能も両立する

加えてこのバルブタイミングもコンピューターで可変的に制御できるため、ハードウェア(カムシャフト)によるタイミング プロファイルに縛られることがないわけですね。

参考までに、ケーニグセグは2016年に中国の自動車メーカーであるQorosと提携し、Qoros3に積まれる1.6リッターエンジンにフリーバルブ技術が搭載されるはずであったものの、実際には生産に至らず、よってジェメラにタイニー・フレンドリー・ジャイアントが積まれていたならば、これが「フリーバルブ技術を採用した最初の量産車になっていた」ということに。

しかしながら上述の通りケーニグセグはまだこれを諦めておらず、よってどこかで実用化の機会が訪れることになるのかもしれません。

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