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グリーンに「ゴールドアクセント」のフェラーリ デイトナSP3登場。ボディのディティールもゴールドに、一方でエンジンルームには「グリーンカーボン」【動画】

グリーンに「ゴールドアクセント」のフェラーリ デイトナSP3登場。ボディのディティールもゴールドに、一方でエンジンルームには「グリーンカーボン」【動画】

| 自然吸気V12の咆哮。フェラーリ デイトナ SP3が切り開く未来のビジョン【ジェイ・レノ・ガレージより】 |

ボディは特別な顧客のみに許される「エクスポーズド・カーボン」仕様

自動車界のアイコン、ジェイ・レノのガレージに今回登場したのは、息をのむほど美しい「フェラーリ デイトナ SP3」。

著名なフェラーリコレクターであるデイビッド・リー氏が所有するこのクルマは、単なる速さだけでなく、ドライビングの「本質的な喜び」を追求した一台として多くの注目を集めています。

今回の動画では、電動化やターボチャージャーが主流となる現代において、なぜこの自然吸気V12エンジン搭載のデイトナ SP3がこれほどまでに魅了するのか、その秘密へと迫ることに。

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「一度はフェラーリに拒絶された」コレクターにデイトナSP3が納車される。ボディは3台しか製造されていないフルカーボン、クリアグリーン仕上げ【動画】
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フェラーリ デイトナ SP3とは?イコーナ・ファミリーの最新作

フェラーリの「イコーナ」シリーズに属するデイトナ SP3は、モンツァSP1(1シーター)とモンツァSP2(2シーター)に続くモデルです。

このシリーズは、単に最速を目指すのではなく、歴史に名を刻むような「象徴的な」クルマを作ることを目的としており、実際に「イコーナ」とは「アイコン」を意味していて、過去のフェラーリのアイコンへのオマージュ、そしてイコーナシリーズそのものが未来のアイコンとなることを目指しているわけですね。※ただしレトロなだけではなく、最新の技術を取り入れていることもこのシリーズの特徴である

レトロなデザインとモダンな技術の融合

デイトナ SP3は、1967年のデイトナで優勝した伝説的なマシンを彷彿とさせるクラシックなデザインが特徴で、特に、フロント部分やセンターワイパーなどは、当時のクルマ(とくにレーシングカー)から直接インスピレーションを得たかのようなレトロな雰囲気を持っています。

その一方で現代のクルマならではの優れた空力性能も兼ね備えており、高いエアロダイナミクス効果と美しいスタイリングとを両立した特徴的なスタイルを持っていますが、デビッド・リー氏は「車幅が広すぎて積車に乗らず、輸送の際にはフェンダーミラーを取り外す必要があった」とも。

なお、ボディカラーは深みのあるグリーン、そしてアクセントは「ゴールド」。

このゴールドはホイールやボディ上のリバリー(ストライプ)にも再現されていますが、驚くべきはフューエルフィラーキャップやリアカウルのパネルにもゴールドが用いられていること。

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この部分は通常「メタリックグレー」なのですが、これらがゴールドにペイントされた個体を見るのは「はじめて」です。

なお、つい先日は「デイトナSP3最後の一台」、そしてテール部分のフィンをブラックにペイントすることが許された唯一の個体がYoutubeへと公開されていますが、こういった特別な仕様は「誰もが選ぶことができる」わけではないと思われ、フェラーリが認めたオーナーのみが選択できるスペックであると思われます。

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車体はラ・フェラーリ アペルタのシャシーをベースとし、すべてカーボンファイバーで構成されており、デイトナ SP3の心臓部に収まるのは840馬力を発生する自然吸気6.5リッターV12エンジン。

これは812スーパーファストに積まれるエンジンを改良したもので、「ターボチャージャーやエレクトリックモーターを一切搭載しおらず」、現代の多くの高性能車がツインターボや電動化に進む中、この純粋なV12エンジンの選択は、まさに「(いい意味での)オールドスクール」。

エンジンルームにはプラスチック製のカバーがなく、メカニズムがむき出しになっている点も、その伝統的なアプローチを象徴していますが、このエンジンは(12気筒というシリンダー数にもかかわらず)9500 RPMまで回るという驚異的な高回転型であり、ドライバーに「本物の」感触を提供します。

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そしてここでも「特別さ」が見られ、エアクリーナーボックス等に用いられるのはなんと「グリーンカーボン」。

ちなみにボディ上のストライプも「これまでに見たことがない」もので、細い4本線がオフセットされペイントされています。

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ジェイ・レノが熱狂する「操る喜び」

ジェイ・レノは全米有数のカーコレクターとして知られ、しかし自身のガレージにはフェラーリが1台もないといい、それは「フェラーリの購入体験に納得していないから」。

しかし納得できないのはフェラーリの「販売手法」であって、「クルマそのもの」は非常に高く評価している、ともコメントしていますね。

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そんなジェイ・レノですが、デイトナ SP3の最大の魅力は、その「操る喜び」にあると力説。

ジェイ・レノは、現代のハイブリッドや電動化されたクルマが「速い」と感じさる一方で、デイトナ SP3は「フェラーリらしい速さ」を感じさせると述べています。

彼は、自然吸気V12と後輪駆動の組み合わせが、電動化やターボチャージャーよりも「はるかに楽しい」と表現し、最新のAWDモデル(SF90ストラダーレのような)がどのような要求であっても完璧にこなしてしまうのに対し、デイトナ SP3のような後輪駆動車は「クルマが自分を必要としている」と感じさせ、リアエンドがスライドするのをスロットルでコントロールするスリルがある、とも。

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なぜデイトナ SP3は特別なのか?

840馬力という途方もないパワーを持ちながらも、ジェイ・レノはデイトナ SP3を「操縦しやすい」と表現し、F40のような興奮がありつつも、より洗練された「近代化されたF40」のようだとも表現。

また、このクルマはLAの渋滞の中でも運転可能なくらい乗りやすいと評価しており(昔のフェラーリがオーバーヒートした時代とは対照的である)、車内からの視界にも優れ、体感的には外見よりもはるかに小さく感じられるようですね。

フェラーリコレクター、デイビッド・リー氏の視点

デイトナ SP3のオーナーであるデイビッド・リー氏は、50台ものフェラーリを所有し、その総額は約1億5000万ドルにも上るという著名なコレクター。

デイトナ SP3の生産台数は世界でわずか599台に限定され、さらに、そのうち数台のみがカーボンファイバーが露出した「エクスポーズド・カーボンファイバー・パッケージ」仕様にて提供され、これはフェラーリから特定の顧客にのみ提案される特別なオプションなのだそう。

よってこの希少性が、同氏の所有するデイトナ SP3の価値を一層高めていることは間違いなさそうです。

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デイビッド・リー氏のフェラーリの多くはイエロー(ジャッロ)かレッド(ロッソ)ですが、このデイトナ SP3は彼の「レリッシュ・コレクション」の一環として、特別なグリーンカラーが選択され、内装も特注で、キャンバス素材とアルカンターラの組み合わせを用いており、ゴールドのホイールに合わせた珍しい黄色のステッチが施されています。

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未来への展望:F40のリメイクとマニュアルギアボックスの可能性

この動画の中において、ジェイ・レノとデイビッド・リー氏は「フェラーリの未来」についても言及し、特に注目すべきは、マニュアルギアボックス復活の可能性。

デイビッド・リー氏によると、イコーナ・ファミリーの次なるモデルとして「SP4」が登場する可能性があり、それがF40のリメイク版、通称「F44」になるかもしれないという噂について述べ、ルイス・ハミルトン(F40が彼のフェイバリットカー)が関与することでマニュアルギアボックスが搭載されるという期待についても触れています。

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現代の排出ガス規制をクリアしながらマニュアルギアボックスを搭載することは技術的に困難とされてきましたが、コンピューター制御の進化により、それが可能になるのではないかという見解も示されており、ジェイ・レノも将来的にフェラーリが電気自動車を生産する可能性に触れつつも、デイトナ SP3のような「本質的な楽しさ」を追求するラインナップが続くことを強く願う、とコメント。

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フェラーリ デイトナ SP3は、単なる速度の追求を超え、ドライビングの「本質的な喜び」を再定義する一台であると考えてよく、自然吸気V12エンジンの咆哮、レトロでありながら美しいデザイン、そしてドライバーを必要とする後輪駆動の特性は現代の電動化やターボ化が進む自動車業界において、異彩を放つ存在です。

世界限定599台という希少性、そして7年間の無償メンテナンスが付帯するという手厚いサポートもこの車の価値を高めていますが、ジェイ・レノが「F40に最も近い、しかし文明化されたバージョン」と評するデイトナ SP3は、過去への敬意と未来への希望を兼ね備えた、まさに自動車界の芸術品あるいは宝石だと断言していいのかもしれません。

「カーボンボディ」をまとうフェラーリ デイトナSP3を紹介する動画はこちら

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参照:Jay Leno's Garage

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  • この記事を書いた人

JUN

2013年より当ブログを運営中。 国産スポーツカー、ポルシェ、ランボルギーニ、フェラーリ等を乗り継ぎ現在に至ります。 単なる情報の記載にとどまらず、なにかしら自分の意見を添え、加えてクルマにまつわる関連情報(保険やメンテナンスなど)を提供するなど「カーライフを豊かにする」情報発信を心がけています。 いくつかのカーメディアにも寄稿中。

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