
| 現時点でリコールが出されたのは米国のみ、日本へと輸入された車両に影響があるかどうかは不明である |
フェラーリが「走行禁止命令」を発令
フェラーリが2025年モデルの296 GTBおよび296 GTSに対してリコールを(米国で)発表。
対象はわずか6台のみですが、オイル漏れによる火災の可能性があるとしてオーナーに「走行しないように」との指示が出されており、「重大な」部類のリコールであると思われます。
今回の問題は、米国道路交通安全局(NHTSA)により確認されたもので、2台の296 GTSと4台の296 GTBが影響を受けますが、その原因は、ターボチャージャーのオイルフィードパイプを固定するナットの締め付けトルクが不十分だったことにある、とのこと。
原因はサプライヤーの作業ミス
フェラーリによると、問題の根本原因は部品を供給するサプライヤーが使用していた半自動作業ステーションにおいて、ナットに対して誤ったトルクが適用されたことにあるとされています。
この問題は今月初めに2台の「296 スペチアーレ(未納車車両)」で異常が発見されたことから発覚し、調査の結果、296スペチアーレ自体は影響を受けないことが確認されたものの、296 GTB/GTSに関してはリコール対象となったわけですね。
事故・損害報告はなし
現時点でこの不具合に関連する事故・火災・負傷は報告されておらず、フェラーリも保証請求などの事例は把握していないとしていますが、安全を最優先し予防的措置としてリコールおよび「走行禁止命令」を発令したのだと報じられ、対応としては「フェラーリ正規ディーラーの技術者がナットの締め付け状態を確認し、必要であれば適正なトルクで再締結する」と報じられており(オーナーへの通知は12月中旬に発送予定)、対応そのものは「ごく簡単な作業」で完結するようですね。
ただ、それでも「走行禁止命令」が出ていることには変わりがなく、「ナットの締付けトルクが規定通りではない」だけでここまでの問題に至るということには驚かされ、改めてハイパフォーマンスカーの神経質さを再認識させられる事例であると思います(いかにフェラーリであっても、機械的なリスクを完全に排除することは難しい)。
【まとめ】
- 対象車種:2025年式 フェラーリ296 GTB/296 GTS
- 対象台数:6台(米国)
- 不具合内容:ターボチャージャーのオイルフィードパイプ固定ナットの締め付け不良
- リスク:オイル漏れおよび火災の可能性
- 対応:走行禁止命令+正規ディーラーによる検査・再締結
- オーナー通知:2025年12月中旬予定
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