
| 実車のフェラーリ849テスタロッサには「公式画像ではわからなかった」繊細なディティールが盛り込まれる |
最近のクルマ「あるある」ではあるが、画像よりも実車のほうがはるかにカッコいい
さて、フェラーリ849テスタロッサを見てきたのでその印象を述べてみたいと思います。
849テスタロッサはSF90ストラダーレの後継に相当するモデルですが、パワートレーンもSF90ストラダーレのものを踏襲し、しかしその出力はシステム合計にて1,000馬力から1,050馬力へと向上しています。
実写を見せていただいたのはオートカヴァリーノさん、そして展示車のボディカラーは(フェラーリとしては)非常に珍しいオレンジメタリックっぽい「ジャッロ・アンブラ(Giallo Ambra)」つまり琥珀をイメージしたイエローですね。
フェラーリ849テスタロッサはこんなエクステリアを持っている
そこでまずはフェラーリ849テスタロッサの「エクステリア」。
フロントで目を引くのはF80や12チリンドリにも通じる「ブラックバンド」ですが、849テスタロッサではより直線的にデザインされ、これが「クルマというよりもSF映画に出てくる宇宙船」のようなイメージを与えます。
ちなみにヘッドライト上部はブラックアウトされており、フェラーリが様々な方法を用いて「ヘッドライトの存在感を希薄化したい」と考えていることがわかります。
デイタイムランニングランプが光るとこう。
そしてフロントバンパー左右にはデイトナSP3にて登場した突起物(フラップ)が追加され・・・。
端のほうが盛り上がっていてエアロフリックのような働きをすることがわかります。
そしてこのフィンを連結するブラックバンド内には「センサー」が埋め込まれ、これはアマルフィ同様の手法ではありますが、やはりフェラーリは様々な「本来クルマに備わる」様々なパーツを隠したいのだと思われます。
センターにあるのはレーダーで、これを避けようとなるとナンバープレートは「この上」に取り付ける必要がありそうです。
上から見ると各パーツが様々な角度で交差していることがわかりますが、真横から見るとこのフィンとその下のカーボン製スプリッターの角度が「並行」になるという構造を持つことに(非常に複雑な構造を採用しており、これは公式フォトではわかりづらい)。
フロントスプリッター下端の側面は独立した「面」を持っていて・・・。
これはF8トリブート(下の画像)のフロント再度に取り入れられた「面」を連想させるところ。
なお、このフロントセクション(突き出したノーズ、その下のフロントスプリッター)については、最新の「デジタルフェラーリ」F76にも見られるため、今後の「定番デザイン」となるのかも。
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サイドに目を移すと、シールドエンブレムがフェンダーからドアへと移動しており、これはデイトナSP3にて見られた手法ですね。
特筆すべきはそのボディサイドで、こんな感じでけっこう「滑らか」というか起伏が抑えられたデザインに。
これまでのフェラーリといえば、「盛り上がりを抑えた」平坦なドアパネルを採用し、しかしリアフェンダーをそこから「球状に」盛り上げることでその力強さを強調するという手法が顕著であったものの、アマルフィ以降は「ドアとリアフェンダーの連続性」が重視され、この「ドカンとリアフェンダーが爆発する」技法が用いられなくなっています。
これと同様に、ボディ下部を「へ」の字に絞り込むことで相対的にリアフェンダーを大きく見せるという手法も849テスタロッサでは影を潜め・・・。
ドアからリアフェンダーへの連続性が強調されているようで、ここはぼくの感じる「大きな変化」。※849テスタロッサでも「へ」の字が用いられているものの、ポルトフィーノやローマ、12チリンドリ、296GTBで用いられている意図とは異なるように思われる
ちなみにサイドウイングの後端にも「面」が設けられ、これも”新しい”ところかと思います。
なお、リアフェンダーにはさらに新しい手法が盛り込まれ、こんな感じで「オーバーフェンダー」構造に。
フェラーリはオーバーフェンダーを用いずにブリスターフェンダーを採用することもできたはずですが、あえてオーバーフェンダーを用いたということは、「ドアとリヤフェンダーとの連続性を重視し、リアフェンダーを膨らませたくなかった」のだと受け取ることも可能です。
なおオーバーフェンダーの後端には整流板付き(プロサングエ同様)。
そしてリアバンパーとリアフェンダーとを分割するブラックベルトには「3本の」スリットが埋め込まれ、これは古くは250GTO、そして849テスタロッサの先代でもあるSF90ストラダーレにも用いられた「3本スリット」の最新の解釈であると言えそうですね(ブラックベルト部分に機能を埋め込む、あるいは隠している)。
ただし側面から見ると「平坦」に感じられたとしても、上から見ると「モッコリフェンダー」は健在です(雰囲気的にデイトナSP3に近い)。
一方でサイドにはドアからリアフェンダー、リアウイングにまで連なるプレスラインが設けられ、フェラーリの最新デザインでは「サイドでは連続性、上部では抑揚」をもたせるという方向性なのかもしれません。
給油キャップはレトロモダンな雰囲気で・・・。
キャップを開けるとこう(反対側は充電口)。
ひとまずははフロントからサイドまで見てみましたが・・・。
リヤについては「後編」にて見てみたいと思います。
フェラーリ849テスタロッサを見てきた際の動画はこちら
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