| デ・トマソP72の持つ優雅さに加え、現代のハイパーカーが持つアグレッシブさをプラス |
現時点でパフォーマンスは未公開、F1に搭載されたV10エンジンも選択可能
さて、すでに「P72」を発表し見事復活を遂げたデ・トマソ。
正確に言うならば、P72を発表したデ・トマソ・アウトモビリは、かつてのデ・トマソとは物理的・組織的なつながりがなく、名称の使用権のみを手に入れた新しい会社です。
そしてこのデ・トマソ・アウトモビリがブランニューモデルとして発表したのがサーキット走行専用モデル「P900」。
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デ・トマソ P900はこんなクルマ
このデ・トマソP900はサーキット走行専用モデルとして用意されており、見たところではP72と別のクルマというよりは「P72のハードコアモデル」といった印象。
実際のところその外観はP72と多くの共通性を持ち、1965年のデ・トマソP70(レーシングカー)にインスパイアされた外観を持っています。
シャシーはカーボンファイバー製、そしてボディパネルもまたカーボンファイバー製、フェンダーマウントのヘッドライトやガラスキャノピーなどはP72と共通、しかしクラシカルでエレガント、流麗な印象を押し出すP72とは異なってP900はずいぶんアグレッシブ、そして現代的な雰囲気を持っているようですね。
フロントでは、バンパー一体型のフィンがより大きくなり、フード上にはダクトが設けられ、フェンダー後部の形状も変更に(フェンダーの内側にエアアウトレットが内蔵されている)。
リアセクションだとシュノーケルの追加、エンジンフード形状の変更、やはりエアアウトレットが仕込まれたフェンダー、そしてボディ一体型のウイング採用といった(P72との)差異が見られ、しかし丸形テールランプはP72と同様でもありますね。
なお、オフィシャルフォトのボディカラーは「クリアパープル」仕上げのヴィジブルカーボン、そしてゴールドのストライプ、さらにはゴールドのホイールにテールパイプが組み合わせられており、これらはやはりデ・トマソならではのエレガンスを表現した部分なのだと思われます。
デ・トマソP900のパワートレーンはV10もしくはV12ガソリンエンジン
このデ・トマソP900に採用されるパワートレーンのひとつは自然吸気V12で、これは(同じ親会社が保有するアポロからリリースされているインテンサ・エモツィオーネとは異なり)フェラーリ製6.3リッターV12ではなく、先日デ・トマソが提携を発表したドイツのエンジニアリング会社、カプリコーンによって製作されたユニット。
このV12エンジンは軽量かつ小型であることが特徴で、重量は220kgしかない、とアナウンスされています。※ちなみにGMA T.50に積まれる4リッターV12エンジンの重量は80.5kgしかない
さらにこのV12エンジンはカーボンニュートラルな合成燃料に対応し、最高出力は900馬力(目標値)、トランスミッションはエクストラック製のシーケンシャルギアボックス、駆動輪は後輪のみ。
現時点でパフォーマンスについては公表されていないものの、車体重量は900kg(出力とともに、これが車名の由来だと思われる)とされるのでパワーウエイトは1:1となり、おそらくはかなりの性能を誇ると考えていいのかもしれません。
なお、興味深いのは1997年のベネトンB197 F1マシンに積まれていたV10(750馬力)を選択できること。
これを選択するメリットとしては(V12エンジンは2024年くらいまで開発期間を要するので)早めに納車を受けられるというものですが、これはこれでプレミアム感がありそうですね(もちろんサウンドも素晴らしいはずだ)。
このデ・トマソP900の実車は2023年に公開されるといい、その際に最終的なスペックが公開されることになり、現時点でわかっているのは限定台数18台、その価格300万ドル(現在の為替にて約4億2000万円)、そしてまだ「何台かは空きがある」ということ。
ただしこの数台の枠も早晩埋まってしまうものと考えられ、購入を考えるならば、すぐさま予約したほうがいいのかもしれません。
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