ブルネイ国王所有のランボルギーニLM002ワゴンが中古市場に。後にBMW/VWのCEOの手に、その後はなぜか一般のスウェーデン人女性が購入し子どもの送迎用として使用される

Image：SBX Cars

｜　このランボルギーニ LM002ワゴンはなかなかにユニークな来歴を持っているが、その価値は非常に高いと言えるだろう　｜

おそらく、市場に出回るのはこの1台のみである

さて、ブルネイ国王は（一説によると）7,000台ものカーコレクションを持つそうですが、それら収蔵物が中古市場に出回ることはめったになく、しかし今回は同国王が特注した「ランボルギーニ LM002ワゴン」が売りに出されたとして話題に。

なお、このLM002ワゴンは3台が作られたという記録が残っているそうで、今回売りに出されたのはそのうちの1台。

このクルマは過去に「3台のうち、ランボルギーニが認証を与えた唯一の個体」としてShmee150氏が自身のYouTubeチャンネルにて紹介していた車両だと思われ、（ほかの2台がどこにあるのかわからないということもあって）事実上「売買が可能な」唯一のLM002ワゴンだと考えられます。

ランボルギーニ LM002ワゴンはこんなクルマ

ランボルギーニLM002は1986年から1993年にかけて製造されていますが、いずれの個体もピックアップボディ、そして同年代のカウンタックにも積まれていた5.2リッターV12エンジンを備えます。

しかしながら（ワゴン好きで知られる）ブルネイのスルタン・ハサナル・ボルキア国王はそのLM002をいっそうユニークな存在にしようと考えてコーチビルダーのサルバトーレ・ディアマンテを雇い、画像の通りの「ハイルーフワゴン」へと仕立て直させることに。

ちなみにルーフのデザインも車体にマッチしたカクカクしたもので、そのため全体的には「装甲車」のようにも見えますね。

このLM002ワゴンは1986年製だそうで、搭載されるエンジンそのものは当時のままの5.2リッターV12。

トランスミッションは5速マニュアル、駆動方式はもちろん4WD、車体重量はなんと2,700kgもありますが、なんといってもカウンタック譲りのパワフルな（450馬力）エンジンを搭載することで0-100km/hまでを8秒以下で加速したと言われています。

ブルネイ国王はこのランボルギーニLM002ワゴンに約1,770kmほど乗った後に（フォルクスワーゲンやBMWにてCEOを務めた）ベルント・ピシェッツリーダーへと売却しますが、驚くべきことにその次のオーナーはスウェーデンの一般女性だといい、彼女はなんと子どもたちの（学校への）送迎にこのクルマを使用していたのだそう。

そこから今まで、ずっとスウェーデンにてこの車両が保管されているそうですが、現時点での走行距離は約10,383kmだとされるので、状態としては「悪くない」のかもしれません。

ブルネイ国王が発注したランボルギーニ LM002ワゴンはこんなインテリアを持っている

そしてこのLM002のインテリアに目を移すと、インテリアカラーはネロ（ブラック）、そして豪華なウッドが用いられ・・・。

昔懐かしカーテレビにDVDプレーヤーも追加され・・・。

車体後部はベンチ仕様、そしてスピーカーも追加。

販売元の説明には、「レザーシートにいくつかのひび割れがある」「外装（アルジェント・メタリッツァート）に傷や気泡があったものの修復済み」「新しいタイヤセットが付属する」とあり、そしてこれまでのサービス履歴も付属するそうですが、LM002の維持費は非常に高い（タイヤがとくに高価であり、燃費についてはリッター750メートルくらいだと言われる）ことでも知られており、今までの維持費は相当な額にのぼっているのかもしれませんね。

合わせて読みたい、関連投稿

参照：SBX CARS, Jalopnik